■Sharon and Tom Mindock & His Own / Working Together■
前回とりあげた Dave Lafaryと同じレーベル Pinebrook Recording から発売されたレコードをご紹介します。 Sharon and Tom Mindock & His Own という長い名前のグループですが、 Sharon とTom Mindock 夫妻を中心に鍵盤とリズムセクションの 3 人を加えた 5 人編成のグループです。 彼らが何枚のレコードを残したかなどの詳細は不明ですが、この「Working Together」は 1982 年の作品。 AOR 全盛に近い時代ならではの良質な音楽が繰り広げられれています。 何度となく触れていますが、この時代のクリスチャン・ミュージックの最大の魅力は、ストリングスやコーラスのまろやかなアレンジに支えられた完全に近い予定調和です。 そして、それはこのアルバムでもほぼ完ぺきな形で収められています。 さっそく各曲をレビューしてみましょう。
オープニングを飾る「Working Together」 はアコースティックでメロウな逸品。 彼らのサウンドのエッセンスが凝縮されており、そよ風のようなフルートも絡んできてソフトロック的な風味も加味された名曲に仕上がっています。 「His Own」と「Jesus Is The One」も同じ流れのスムースで流れるようなメロディの楽曲。 クリスチャンミュージックならではの淡い世界が堪能できます。 つづく「Make A Joyful Noise」はここまでの3曲とはやや異なりマイルド感が薄い仕上がりです。
B 面の「What A Difference」は、Sharon が主導権を握るフォークロック調の曲。 覚えやすいメロディの繰り返しはシングルカット向きですが、このレーベルにはシングル盤は存在しないと思われます。 つづく「Heavenly Blues」はタイトル通りの R&B ナンバーですが、彼らのボーカルには R&B は似合わないというのが率直な印象です。 私はお寺、というタイトルに驚く「I Am A Temple」は本来の彼らの世界観に戻ってきたメロウなバラード。 透き通るような Sharon のボーカルと美しいコーラスに包まれ、心が洗われる気がします。 「Children」 はさらにテンポをスロウダウンしたバラードで、よりアコースティックなアレンジが耳に残ります。 ラストの「Be Thankful」はタイトルからして激しい曲であろうはずがありません。 数あるバラードやミディアムのなかから、この曲がラストに選ばれたのは、祈り、感謝そして希望といったメッセージがより強く込められているからではないかと思います。 清楚なコーラスのなかに、エモーショナルなギターソロが挿入されるあたりも聴きどころとなっており、アルバムの余韻を深めることに成功しています。
こうしてアルバムを振り返ると、そのサウンド・クオリティーの高さ、安心して聴き通すことのできる演奏とアレンジのセンス、そして何よりもボーカルの魅力を強く感じました。 クリスチャン・ミュージックのアルバムを何枚か紹介してきましたが、このアルバムは SSW 好きの方には今ひとつかもしれませんが、ソフトロックやハーモニーが好みの方にはたまらない作品でしょう。 たやすく名盤という言葉は使いたくありませんが、このジャンルのなかではまちがいなく名盤と言える作品だと思います。
連休から続いている青空を背景にした新緑の美しさに心奪われるのと同じ効用をもたらしてくれる、まさにそんなレコードです。
■Sharon and Tom Mindock & His Own / Working Together■
Side 1
Working Together
His Own
Jesus Is The One
Make A Joyful Noise
Side 2
Oh What A Difference
Heavenly Blues
I Am A Temple
Children
Be Thankful
Produced and Arranged by Steve Millikan
All songs by Sharon and Tom Mindock
Sharon Mindock : lead vocal, percussion, synthesizer
Tom Mindock : lead vocal, vocal, 12 string guitar, electric bass
Kathy Hardy : flute, rhodes piano, background vocal
Jim VanWinkle : electric bass, lead guitar
Pinebrook Recording Studio PB-1763
前回とりあげた Dave Lafaryと同じレーベル Pinebrook Recording から発売されたレコードをご紹介します。 Sharon and Tom Mindock & His Own という長い名前のグループですが、 Sharon とTom Mindock 夫妻を中心に鍵盤とリズムセクションの 3 人を加えた 5 人編成のグループです。 彼らが何枚のレコードを残したかなどの詳細は不明ですが、この「Working Together」は 1982 年の作品。 AOR 全盛に近い時代ならではの良質な音楽が繰り広げられれています。 何度となく触れていますが、この時代のクリスチャン・ミュージックの最大の魅力は、ストリングスやコーラスのまろやかなアレンジに支えられた完全に近い予定調和です。 そして、それはこのアルバムでもほぼ完ぺきな形で収められています。 さっそく各曲をレビューしてみましょう。
オープニングを飾る「Working Together」 はアコースティックでメロウな逸品。 彼らのサウンドのエッセンスが凝縮されており、そよ風のようなフルートも絡んできてソフトロック的な風味も加味された名曲に仕上がっています。 「His Own」と「Jesus Is The One」も同じ流れのスムースで流れるようなメロディの楽曲。 クリスチャンミュージックならではの淡い世界が堪能できます。 つづく「Make A Joyful Noise」はここまでの3曲とはやや異なりマイルド感が薄い仕上がりです。
B 面の「What A Difference」は、Sharon が主導権を握るフォークロック調の曲。 覚えやすいメロディの繰り返しはシングルカット向きですが、このレーベルにはシングル盤は存在しないと思われます。 つづく「Heavenly Blues」はタイトル通りの R&B ナンバーですが、彼らのボーカルには R&B は似合わないというのが率直な印象です。 私はお寺、というタイトルに驚く「I Am A Temple」は本来の彼らの世界観に戻ってきたメロウなバラード。 透き通るような Sharon のボーカルと美しいコーラスに包まれ、心が洗われる気がします。 「Children」 はさらにテンポをスロウダウンしたバラードで、よりアコースティックなアレンジが耳に残ります。 ラストの「Be Thankful」はタイトルからして激しい曲であろうはずがありません。 数あるバラードやミディアムのなかから、この曲がラストに選ばれたのは、祈り、感謝そして希望といったメッセージがより強く込められているからではないかと思います。 清楚なコーラスのなかに、エモーショナルなギターソロが挿入されるあたりも聴きどころとなっており、アルバムの余韻を深めることに成功しています。
こうしてアルバムを振り返ると、そのサウンド・クオリティーの高さ、安心して聴き通すことのできる演奏とアレンジのセンス、そして何よりもボーカルの魅力を強く感じました。 クリスチャン・ミュージックのアルバムを何枚か紹介してきましたが、このアルバムは SSW 好きの方には今ひとつかもしれませんが、ソフトロックやハーモニーが好みの方にはたまらない作品でしょう。 たやすく名盤という言葉は使いたくありませんが、このジャンルのなかではまちがいなく名盤と言える作品だと思います。
連休から続いている青空を背景にした新緑の美しさに心奪われるのと同じ効用をもたらしてくれる、まさにそんなレコードです。
■Sharon and Tom Mindock & His Own / Working Together■
Side 1
Working Together
His Own
Jesus Is The One
Make A Joyful Noise
Side 2
Oh What A Difference
Heavenly Blues
I Am A Temple
Children
Be Thankful
Produced and Arranged by Steve Millikan
All songs by Sharon and Tom Mindock
Sharon Mindock : lead vocal, percussion, synthesizer
Tom Mindock : lead vocal, vocal, 12 string guitar, electric bass
Kathy Hardy : flute, rhodes piano, background vocal
Jim VanWinkle : electric bass, lead guitar
Pinebrook Recording Studio PB-1763
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます