Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Bruce Anderson

2006-08-05 | Christian Music
■Bruce Anderson / Dialogue■

 ミネソタ州の州都セント・ポールを拠点とする Artronics は、クリスチャン・ミュージック専門のレーベルだったようですが、そのレーベルから 1970 年代初頭から中盤前後に発表されたのが、この Bruce Anderson の唯一のレコードです。 残念ながらレコードには発売年度が表記されていません。 同姓のミュージシャンは、1980 年初期の Ralph Records (目玉おやじのレジデンツで有名)から数枚のアルバムを発表した MX-80 Sound のメンバーにいますが、さすがに別人でしょう。 Mx-80 Sound は当時、ごく一部の音楽雑誌で評価されたりしたこともあって、僕も 1枚「Crowd Control」というアルバムを買いましたが、国内盤はとうとう出ませんでしたね。

 さて、話を今日の主人公 Bruce Anderson に戻しましょう。 このアルバムは、通して数回程度聴いたことがありますが、その起伏の無さと無表情なボーカルにアドレナリンが放出されないのか、毎回のように記憶の彼方に追いやられてしまっています。
 今回も久しぶりに通して聴きましたが、毎回このブログで恒例としている全曲へのコメントはとてもできそうにありません。 ほぼ全編がギターの弾き語りとなっており、数曲でわずかながらにベースの音が聴こえる程度です。 曲名を見ていただくと分かるように、このアルバムも、クリスチャン・フォークといっていい内容です。 曲名に Jesus という表記が含まれているのが4曲もあり、他の曲もキリスト教色が強く感じられます。
 全 12 曲のうち、Bruce Anderson によるオリジナルは、「Dialogue」 1 曲のみで、他の曲は、Gordon Lightfoot 、Larry Norman といった作家の手によるものです。 トラディショナルに Bruce Anderson がアレンジした曲などもあります。 唯一、B-② の「Oh Lord My God」は、聴き覚えのあるメロディーなのですが、この曲は「The Water Is Wide」の歌詞を Bruce Anderson が書き換えたもの。 その結果が、Lord に God となってしまうところがスゴイです。
 一部では、Acid Folk というような紹介もされているらしいこのアルバム。 くどいようですが、これはCCM Folk とでもいうべき、Christian Folk のど真ん中に位置付けられる作品です。 必要以上の感情移入をしないかのようなボーカルと控えめなギターにささえられたスピリチャルなサウンドは、自分も含めて言葉の通じない日本のリスナーには伝わりづらいでしょう。 
 カナダのバンクーバーで生まれ、このアルバムを制作した頃は Seattle Pacific College の心理学部で学んでいたという Bruce Anderson 。 彼の活動拠点はあくまでもシアトルだったようです。 そんな彼の唯一と思えるこのアルバムがミネソタのセント・ポールから発表されるようになった経緯などは知る由もないのですが、そんなことを考えながら向き合うのもレコード鑑賞の醍醐味ですね。



■Bruce Anderson / Dialogue■

Side-1
Pride of Man
Dialogue
I Wish We’d All Been Ready
Here Is the Way
I Have Decided to Follow Jesus
Sweet Sweet Song of Salvation

Side-2
Hidden Worlds
I Amn the Resurrestion
Oh Lord My God
Bridges of Love
Oh, Deep Deep Love of Jesus
Walking With Jesus
Sweet Little Jesus Boy

Bruce Anderson : guitar
Tom Tjornhom : bass

Produced by Artronics , Incorporated

Artronics Records ART-271


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