■Bright Morning Star / Arisin’■
明るい一年になることを願って、ご来光のようなジャケットのアルバムを取り上げてみました。 Bright Morning Star はメイン州を拠点とする 6 人編成のグループ。 バンド構成となっているものの、実際に音を聴いてみると、むしろコーラスやアカペラを得意とするボーカルグループという印象です。
彼らの活動期間は 1978 年から 1990 年までで、このアルバムは 1981 年にリリースされたデビュー作と思われます。 個々のメンバーの経歴は判りませんが、唯一 Charlie King は 1970 年代初頭からソロ活動を行ってきたミュージシャンです。 今日まで同姓の別人かと思っていましたが、彼の公式サイトに Bright Morning Star Reunion という記事があり、同一人物であることが判明しました。
さて、アルバムの内容ですが、トラディショナルにオリジナルの歌詞を重ねた曲が半分ほどあり、その他はカバーとオリジナルという構成となっています。 まずは、コーラスワークに力点をおいた曲をレビューしてみましょう。
まずはオープニングの「Solar Carol」から。 この曲はリコーダーの可愛らしいイントロに導かれたアカペラがメイン。 賛美歌で聴き覚えのある♪グローリア♪のメロディがオリジナルの歌詞で歌われるので違和感があるものの、クリスマスに逆戻りしたかのような気分になります。 「A Satisfied Mind」はほのぼのしたワルツ。 ここでも混声で厚みのあるコーラスが繰り広げられています。 この曲を凌ぐ出来なのが B 面の「Goin’ Down The Valley」です。 Jesse Brown なる人物の曲ですが、広大なニューイングランドの森林を想起させる素朴なアレンジで、Court のボーカルと厚みのあるコーラスが冴え渡り、Bright Morning Star の真骨頂とも言える展開に仕上がっています。 曲の良さという点では、「Simple Gifts」や「Hangin’ Tree」も見劣りしません。 後者は ♪No Nukes for me♪ という歌詞がはっきりと聞き取れ、1979 年に起きたスリーマイル島の原発事故がアメリカ社会に及ぼした影響を感じ取ることができました。 ちなみに、この曲はBright Morning Star の初期のメンバーだった Pat Decou と Tex LaMountain による楽曲。 Pat とTex は共同名義でアルバムも発表しているようです。 バンド名を冠したラストの「Bright Morning Star」はニューヨーク州のイサカでライブ録音されたもの。 イサカといえば Bill Destler の名盤を生んだ Swallowtail Records の拠点で一度は訪ねてみたい町です。 このライブ録音はスタジオ録音に比べて、かなり危なっかしい場面もありますが、彼らの持ち味である温かみが伝わってきました。
以上がアルバムの核を成しているコーラス中心の楽曲ですが、これ以外の曲で素晴らしいのは、「Love Around The Corner」と「Sea Legs」です。 前者は Court Dorsey、後者は Marcia Taylor という構成メンバーによるオリジナル曲ですが、とくに後者はギターとボーカルだけのシンプルな作りで、Marcia と思われる清楚で美しい歌声が心に響く名曲に仕上がっています。
個々に取り上げなかった曲もいくつかありますが、それらは各々個性的な内容で、アルバムをバラエティ豊かなものに引き立てる役割を演じている曲ばかりですので、マイナスになることはありません。 ただ個人的には Greg Brown による「Serious Men」は無くても良かったと思ったりしますが…
先に書いたように、Bright Morning Star は 2008 年に再結成されました。 Charlie King のページには老いながらも元気そうな写真が載っていますが、再結成後の詳しい活動状況は明らかにされていませんでした。
■Bright Morning Star / Arisin’■
Side 1
Solar Carol
Harriet Tubman Follow The Drinkin’ Gourd
A Satisfied Mind
Serious Men
Hangin’ Tree
Simple Gifts
Side 2
Truck Drivin’ Woman
Love Around The Corner
Sea Legs
Vine And Fig Tree
Goin’ Down The Valley
Bright Morning Star
Recorded and mixed at Sound Techniques, Watertown, MA
Court Dorsey : vocals, harmonica, tenor guitar, piano, bells, maracas, conga, recorder
Cheryl Fox : vocals, recorder, casaba, guitar, dulcimer
George Fulginiti-Shakar : vocals, acoustic bass, piano, recorder, bells
Ken Giles : vocals, viola
Charlie King : vocals, guitar, autoharp, electric bass
Marica Taylor : vocals, guitar, flute, electric bass
Karen Kane : recording engineer, flute on ’Vine And Fig Tree’
Ralph E. McGeehan : cover painting
Rainbow Shake Records RSR 004
明るい一年になることを願って、ご来光のようなジャケットのアルバムを取り上げてみました。 Bright Morning Star はメイン州を拠点とする 6 人編成のグループ。 バンド構成となっているものの、実際に音を聴いてみると、むしろコーラスやアカペラを得意とするボーカルグループという印象です。
彼らの活動期間は 1978 年から 1990 年までで、このアルバムは 1981 年にリリースされたデビュー作と思われます。 個々のメンバーの経歴は判りませんが、唯一 Charlie King は 1970 年代初頭からソロ活動を行ってきたミュージシャンです。 今日まで同姓の別人かと思っていましたが、彼の公式サイトに Bright Morning Star Reunion という記事があり、同一人物であることが判明しました。
さて、アルバムの内容ですが、トラディショナルにオリジナルの歌詞を重ねた曲が半分ほどあり、その他はカバーとオリジナルという構成となっています。 まずは、コーラスワークに力点をおいた曲をレビューしてみましょう。
まずはオープニングの「Solar Carol」から。 この曲はリコーダーの可愛らしいイントロに導かれたアカペラがメイン。 賛美歌で聴き覚えのある♪グローリア♪のメロディがオリジナルの歌詞で歌われるので違和感があるものの、クリスマスに逆戻りしたかのような気分になります。 「A Satisfied Mind」はほのぼのしたワルツ。 ここでも混声で厚みのあるコーラスが繰り広げられています。 この曲を凌ぐ出来なのが B 面の「Goin’ Down The Valley」です。 Jesse Brown なる人物の曲ですが、広大なニューイングランドの森林を想起させる素朴なアレンジで、Court のボーカルと厚みのあるコーラスが冴え渡り、Bright Morning Star の真骨頂とも言える展開に仕上がっています。 曲の良さという点では、「Simple Gifts」や「Hangin’ Tree」も見劣りしません。 後者は ♪No Nukes for me♪ という歌詞がはっきりと聞き取れ、1979 年に起きたスリーマイル島の原発事故がアメリカ社会に及ぼした影響を感じ取ることができました。 ちなみに、この曲はBright Morning Star の初期のメンバーだった Pat Decou と Tex LaMountain による楽曲。 Pat とTex は共同名義でアルバムも発表しているようです。 バンド名を冠したラストの「Bright Morning Star」はニューヨーク州のイサカでライブ録音されたもの。 イサカといえば Bill Destler の名盤を生んだ Swallowtail Records の拠点で一度は訪ねてみたい町です。 このライブ録音はスタジオ録音に比べて、かなり危なっかしい場面もありますが、彼らの持ち味である温かみが伝わってきました。
以上がアルバムの核を成しているコーラス中心の楽曲ですが、これ以外の曲で素晴らしいのは、「Love Around The Corner」と「Sea Legs」です。 前者は Court Dorsey、後者は Marcia Taylor という構成メンバーによるオリジナル曲ですが、とくに後者はギターとボーカルだけのシンプルな作りで、Marcia と思われる清楚で美しい歌声が心に響く名曲に仕上がっています。
個々に取り上げなかった曲もいくつかありますが、それらは各々個性的な内容で、アルバムをバラエティ豊かなものに引き立てる役割を演じている曲ばかりですので、マイナスになることはありません。 ただ個人的には Greg Brown による「Serious Men」は無くても良かったと思ったりしますが…
先に書いたように、Bright Morning Star は 2008 年に再結成されました。 Charlie King のページには老いながらも元気そうな写真が載っていますが、再結成後の詳しい活動状況は明らかにされていませんでした。
■Bright Morning Star / Arisin’■
Side 1
Solar Carol
Harriet Tubman Follow The Drinkin’ Gourd
A Satisfied Mind
Serious Men
Hangin’ Tree
Simple Gifts
Side 2
Truck Drivin’ Woman
Love Around The Corner
Sea Legs
Vine And Fig Tree
Goin’ Down The Valley
Bright Morning Star
Recorded and mixed at Sound Techniques, Watertown, MA
Court Dorsey : vocals, harmonica, tenor guitar, piano, bells, maracas, conga, recorder
Cheryl Fox : vocals, recorder, casaba, guitar, dulcimer
George Fulginiti-Shakar : vocals, acoustic bass, piano, recorder, bells
Ken Giles : vocals, viola
Charlie King : vocals, guitar, autoharp, electric bass
Marica Taylor : vocals, guitar, flute, electric bass
Karen Kane : recording engineer, flute on ’Vine And Fig Tree’
Ralph E. McGeehan : cover painting
Rainbow Shake Records RSR 004
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます