■Margaret Christl / Jockey To The Fair■
前回に続いてトラディショナル・フォークの作品をピックアップしました。 カナダの女性シンガー Margaret Christl が 1977 年に発表したアルバムです。 このレコードを買った時には彼女の音楽性を全く知りませんでしたので、Joni Mitchell のような SSW 的なサウンドを期待したものです。 そのため、このレコードを最初に聴いたときには落胆したものです。 アルバム全編にわたって楽器はほとんど登場せず、Margaret Christl によるトラディショナルの独唱が延々と繰り広がられるからです。 以前から、British Trad や 1980 年代には The Pogues などを聴いていたとはいえ、ここまでポピュラー音楽と乖離したサウンドは日常生活の延長線で聴くにはやや抵抗感がありました。 しかし、Roxanne & Dan Keding のアルバムを紹介した後の流れにはしっくりはまると思い取り出した次第です。
アルバムは、2 曲を除いてはトラッドとなっており、それぞれ Canadian / Irish / Scottish / English と明示されています。 しかも、Collected by … や Source といった具合に、出展のコメントが丁寧に述べられています。 こうした情報はリスナーにとって有意義なものだったのでしょうか。
トラッドではない 2 曲は、Tommy Makem による「Four Green Fields」とEwan MacColl の「Come Me Little Son」です。 後者は、ほとんどトラッドと聴き分けができないようなサウンドですが、前者の「Four Green Fields」はアルバムで唯一のフォーキーなテイストを感じます。 Tommy Makem は 1960 年代に活躍したアイルランドのフォーク・グループ Clancy Brothers のメンバー。 1969 年に脱退してからは、ソロ活動も行ったようでうす。 さすがにこの時代のフォークには詳しくないので、ソロ作品などは聴いたことがありません。 ですが、この「Four Green Fields」は 1967 年に書かれた Tommy Makem を代表する楽曲のようです。
ジャケットに描かれているのは移動式遊園地のメリーゴーラウンドでしょうか。 誰も馬に乗っていない閑散とした風景が妙に印象に残ります。 そこで「Jockey To The Fair」の Fair の意味を調べてみたところ、英国での使われ方として、<町から町への巡回式見せ物、移動興業>と出てきましたので、想像通りです。
さて、ここのところちょっとトラッド系が続いたので、次回は SSW らしい作品に戻ろうかと思っています。 ですが、仕事や長めの出張が入ってしまいましたので、10 日ほどアップできないかもしれません。 レコードを聴く時間が欲しい厳冬です。
■Margaret Christl / Jockey To The Fair■
Side-1
Jockey To The Fair
The Furze Field
The Cuckoo Nest
The Bonny Banks Of Airdrie-o
Four Green Fields
Watercresses
Side-2
My Singing Bird
Come Me Little Son
Love Let Me In
High Germany
The Morning Dew
Night Visiting Song
MacCrimmon’s Lament
Grit Laskin ; guitar , dulcimer , concertina , button accordion & harmony vocals
Alistair Brown ; harmony vocals
Stewart Cameron ; concertina , harmony vocals
Other Voices on ‘Watercresses’ were Jenny Thomas , Michael Wright , Judith Laskin , Dave Essig
Recorded Oct , 1977 Sound Kettele Ltd., Kearney Ontario
Produced by Dave Essig
Woodshed Records WS 009
前回に続いてトラディショナル・フォークの作品をピックアップしました。 カナダの女性シンガー Margaret Christl が 1977 年に発表したアルバムです。 このレコードを買った時には彼女の音楽性を全く知りませんでしたので、Joni Mitchell のような SSW 的なサウンドを期待したものです。 そのため、このレコードを最初に聴いたときには落胆したものです。 アルバム全編にわたって楽器はほとんど登場せず、Margaret Christl によるトラディショナルの独唱が延々と繰り広がられるからです。 以前から、British Trad や 1980 年代には The Pogues などを聴いていたとはいえ、ここまでポピュラー音楽と乖離したサウンドは日常生活の延長線で聴くにはやや抵抗感がありました。 しかし、Roxanne & Dan Keding のアルバムを紹介した後の流れにはしっくりはまると思い取り出した次第です。
アルバムは、2 曲を除いてはトラッドとなっており、それぞれ Canadian / Irish / Scottish / English と明示されています。 しかも、Collected by … や Source といった具合に、出展のコメントが丁寧に述べられています。 こうした情報はリスナーにとって有意義なものだったのでしょうか。
トラッドではない 2 曲は、Tommy Makem による「Four Green Fields」とEwan MacColl の「Come Me Little Son」です。 後者は、ほとんどトラッドと聴き分けができないようなサウンドですが、前者の「Four Green Fields」はアルバムで唯一のフォーキーなテイストを感じます。 Tommy Makem は 1960 年代に活躍したアイルランドのフォーク・グループ Clancy Brothers のメンバー。 1969 年に脱退してからは、ソロ活動も行ったようでうす。 さすがにこの時代のフォークには詳しくないので、ソロ作品などは聴いたことがありません。 ですが、この「Four Green Fields」は 1967 年に書かれた Tommy Makem を代表する楽曲のようです。
ジャケットに描かれているのは移動式遊園地のメリーゴーラウンドでしょうか。 誰も馬に乗っていない閑散とした風景が妙に印象に残ります。 そこで「Jockey To The Fair」の Fair の意味を調べてみたところ、英国での使われ方として、<町から町への巡回式見せ物、移動興業>と出てきましたので、想像通りです。
さて、ここのところちょっとトラッド系が続いたので、次回は SSW らしい作品に戻ろうかと思っています。 ですが、仕事や長めの出張が入ってしまいましたので、10 日ほどアップできないかもしれません。 レコードを聴く時間が欲しい厳冬です。
■Margaret Christl / Jockey To The Fair■
Side-1
Jockey To The Fair
The Furze Field
The Cuckoo Nest
The Bonny Banks Of Airdrie-o
Four Green Fields
Watercresses
Side-2
My Singing Bird
Come Me Little Son
Love Let Me In
High Germany
The Morning Dew
Night Visiting Song
MacCrimmon’s Lament
Grit Laskin ; guitar , dulcimer , concertina , button accordion & harmony vocals
Alistair Brown ; harmony vocals
Stewart Cameron ; concertina , harmony vocals
Other Voices on ‘Watercresses’ were Jenny Thomas , Michael Wright , Judith Laskin , Dave Essig
Recorded Oct , 1977 Sound Kettele Ltd., Kearney Ontario
Produced by Dave Essig
Woodshed Records WS 009
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