Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Michal Hasek With Sundog

2007-04-01 | SSW
■Michal Hasek with Sundog / The Radio Play■

 Michal Hasek のセカンドアルバムは、1978 年に Michal Hasek with Sundog という名義で発表されました。 レーベルは前作に続いて彼のプライベートレーベルと思われる Naja からのリリースとなります。
 このセカンドは、ファーストに比べて Michal Hasek の R&B 指向が色濃く出た作品となっています。 若干、サウンドは異なるものの、カナダのミュージシャンで南部志向ということでは、Joey Gregorash を連想させます。

 アルバムも、ほとんどの曲で Michal Hasek のギターソロが披露されるなど、王道のロックからスワンピーな曲で占められており、アコースティックな弾き語りやメロディー重視のアレンジなどは聴くことができません。 前作はオリジナル以外の曲であっても、シンガーソングライター系のミュージシャンによるものでしたが、このアルバムでは R&B~ソウル系へと変化しています。 Percy Mayfield の「Send Me Somebody To Love」、Taj Mahal の「She Caught The K.T.」、そしてWillie Dixon の「Built For Comfort」のいずれもオリジナルは聴いたことはありませんが、4 年間の Michal Hasek の変容はここからも伺い知ることができます。
 そんなアルバムなので、個人的には深くのめり込める内容ではありません。 平凡なロックやオーソドックスなサウンドに、これといって評価できる点は少ないと言わざるを得ません。 通して聴いてみると、A 面のほうが B 面に比べて、起伏に富んでいて悪くないと思います。 特に後半はスライドギターが活躍し、前述の「Send Me Somebody To Love」へ至るまでの流れは悪くありません。 B 面はしんみりしたバラード「She’s A Friend」と地味な「The Radio Play」に前作の面影を感じ取ることができます。

 さて、このアルバムにも Tony Kosinec の名前がクレジットされています。 バックコーラスと、アシスタント・エンジニアということなのですが、彼の気配は全く感じ取ることができません。 クレジット買いの失敗の代表格ともいえるくらいです。 Tony Kosinec の参加は、単にトロント人脈ということで、かなりクローズドな繋がりからくるものなのでしょう。
 そんな Michal Hasek の近況を調べようとネットで検索しましたが、公式ページは見つけることができませんでした。 その代わりに、Michal Hasek Real Estate Ltd. という不動産会社のサイトを発見しました。 まさか同一人物ではないと思いつつ、同じカナダのトロントを拠点にしていることから、もしかすると華麗なる転身を果たしたのかもしれませんね。

 

■Michal Hasek with Sundog / The Radio Play■

Side-1
Little Man
Night Fear
Starling
Sunshine Come
Rainbow
Send Me Somebody To Love

Side-2
Riverboat Queen
She Caught The K.T.
She’s A Friend
Built For Comfort
Home Is Where The Heart Is
The Radio Play

Produced by Hasek

Guitars : Michal Hasek , Mitchell Lewis
Bass : Rodney St Amand
Piano : Brian Browne , Carol Hanson
Drums : Don Lowe
Harmonica : Michal Hasek
Percussion : Bill Reed
Banjo : D.Rea
Flute : Carol Hanson
Sacophone : Rick Morrison
Vocals : Michal Hasek , Carol Hanson , Ron Nigrini , Tony Kosinec

Naja 2