妹からかかって来た電話で「今日は牡蠣フライと炊き込みパーティーやねん」って長女が言うものだから、今夜はそのパーティーと言う事にしよう。
金曜日はご飯食べにおいでと愛ちゃんと次女に言っていた。 長女が来週香港に行くので、そのこともあってのこと。
夫が会社へ出る前に宅配便が届いた。
鹿児島の愛ちゃんの実家から、今年も丹精の新米がいっぱい届いたのだ。
「お、ええやんええやん! ちゃんと電話しときや」 そう言って夫は出て行った。
(いつも電話するのになんで?) それは、電話しときやを2回も繰り返したから。
お昼に車を置きに帰って食事しながら「電話したか?」 「まだ・・農協やら行ってはるやろうしと思って」私は、言い訳をした。
「しときや」そう言って出かけた。
(えらい今日は何回も言うなぁ、たまにはお父さんしてよと言っても中々しないのに)
府民共組合まで行く用事があって、午後自転車で行った。 一応場所をプリントアウトして。 とりあえず行ったので、30分かかった。
(ああこんな場所か、ならばこっちの道を行けば分かり易いし近いじゃん)偉そうに方向音痴が言った。
少し走ったら、いい香りがした、待っていたあの香り。 (あ・・金木犀や)
母が結婚記念日にいつも、私の結婚式のとき匂っていた事を話すが、今年は電話がなかったし、いつも頂くお隣の金木犀も咲いてないし。
匂いがしたとたんに、耳が聞こえにくくなっている母を思うと、なんだかうるうるしてきた。 そのまま自転車を走らせた。
何処に咲いてるの? と、なぜ自転車を止めて振り返らなかったんだろう、なぜ確認しなかったんだろう。
買い物をして帰ったら、もう4時だ。 準備をにかかった。
今夜はみんなの好きな炊き込みご飯。 長女も好きなので日本を発つ前に食べさせてやりたいと思って。
せかっくなので愛ちゃんの実家から送られた新米で炊こう。 一階の倉庫の電気をつけずにお米を測った、カップ8杯。
(ん? 色が・・違うけど・・新米? まぁいいわ) いいのかなと思いながら。
パーティー、展君は会社帰りに来るが、夫は卓球の日、セイ君と息子3人抜ける。
みんなの美味しい顔描きながら、具材を先に炊いて味をつける。 夫の実家の兄嫁さんがそうしていたので。 スイッチを入れたのが5時。
(お! 夫が5時半に帰る~鹿児島へ電話しなくっちゃ!!)
「紙に書かんやったとですが、上がもち米で下が白米・・」
「えーー!! そうやったんですか? あー!おかしいなぁと思いながら、白米に気づかなくて。 今日愛ちゃんご飯に呼んでいるので、
今炊き込みご飯スイッチ入れたところなんです! あ~どうしよ! もち米ばかりで大丈夫でしょうか!? 」
「よかとですよ、もち米って書かんとやったから・・」 いいえ、ちゃんと見なかった私が悪いのです。
電話の後見たら、下に白米が・・もち米も同じ袋で。。もち米が全部覆いかぶさっていたので下に白米があるって気づかなかった!
なんで夫が何度も電話しときやって言ったのかと思ったけど、夫の声は天の声だったんだ。
夫唱婦随などと、コメントくれた方にとんでもないと返したが、即効お天道さまのお試しテストだったのだ。
夫に「ハイ」になってすぐに電話をしていれば間違うこと無かったのに・・。 ショック!
みんなが来て、事の次第を話す。 「いいんじゃない」とは言ってくれたけど、炊きあがっていつもより蒸らす時間を長くした。
炊けた。 何しろ8合なのでジャーでは混ぜられないから、いつもすし桶に一旦移して混ぜる。
スイッチ入れる前なら、水を減らしたのに。 おこわみたいになるから良かったのに。
大きなすし桶にぴかぴかの炊き込みご飯。 匂いはばっちりなんだけど。 「ごめんね~」
「ちょっと味見ぃ!」 なつめがひと口食べた。 「おいし~い!」 それから僕も私もと孫たちが群がった。
牡蠣フライが揚がるまでに炊き込みご飯を食べた。 3人の娘たち「これはこれでいいんじゃない、美味しい」
中国のちまきみたいだ。 もちもちの炊き込みご飯、味はとってもいいんだけど。
わいわいがやがやミスった炊き込みパーティーで盛り上がった? 卓球に行く前に夫もつまんで「これでええやん、美味しいで」
展君も食べたし、みんなおかわりをした。 お持ち帰りにもした。
明日は土曜、保育園はお休みなので集まるのは金曜が多い。 9時お開きにした。
孫たちが口々に「ごちそうさまでした!」可愛い声が冷たい空に響いた。 「しーー! 静かに~」
ご近所さん、いつもごめんなさい。
(あ~失敗失敗) 苦笑いしながらみんなを見送った。
洗濯ものを入れ忘れていたので、屋上へあがった。
まるで”月と6ペンス”みたいな三日月が冴えた夜空に輝いていた。
反省・・夫の言う事は素直に聞くべし・・。
それにしても鹿児島のご両親、遠くへ嫁いだ娘を思えばこそ・・、いつも近くでいい思いをさせてもらってすみません、そしてありがとうございます。