「今日は月命日ですから、コーヒー一緒に頂いて下さいね」 こんな朝は関西弁で言わない。 丁重に。
「おう」 お線香の匂いと、意味が分かっているので、夫は快く返事をした。
次男なのでお仏壇はないが、額に飾った義父の遺影に炊きたてのご飯、水、頂き物など、お供えをする場所がある。
義父にはお決まりのデミタスカップ、私たちはお砂糖を入れないが義父のカップにはいつもしっかりお砂糖を入れる。
甥っ子の結婚の時のお返しの一部、今は殆どが実用的にカタログが多い中で、新婚旅行のお土産に加えて夫婦で選んでくれたカップ。
それも又いいなぁと思う。 コーヒーカップはどこにでも何種類もあるが、新しく気分を変えて使うのもいいもの。
午後の来客にはたっぷり目のカップがいいが、会社でも毎日飲んでいる夫の、朝には少し小さめな格好のカップがいい。
内祝いの品、時には「あの子たちらもらったのよ」と言いながら、若い子が選んでくれたカップに敬意を表して、時に出番を演出してあげる。
コーヒーを飲んでいる間なりとも、甥っ子夫婦のことを話したり、2人の日常を思い浮かべて和んでいるのである。
7時過ぎに電話が鳴った。 7時から7時半に向けての電話は、大抵の場合保育園児のいる息子か次女の家からである。
(熱がまたでたんやな・・やっぱり)
昨日熱が下がったと言っていたから今日は行けると思ったらしいが、朝また熱が・・
私にしてみればそれまで40度近くあったのだから、下がったと言っても食も少なく体力的に一日は念の為休ませたらいいのではと思うが、
私も大変だろうと気も使っているのだろう。
保育園へなつめを送り、仕事に向かう次女。 道路までかんたを迎えに行く。 見た目元気になったんだけど。
今日またかんたと一日を過ごす。
元気ではあるが、咳と鼻・・そして熱。 可愛そうになぁ。
今朝、義父にコーヒーをお供えした時、(昨日も一日有難うございました。 今日もみんなを孫たちをよろしくお願いします)と手を合わせた。
孫の顔を1人1人思い浮かべながら、母が毎日そうしているように。