徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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レビュー:ヤマザキコレ著、『フラウ・ファウスト』全5巻(講談社)

2019年11月10日 | マンガレビュー


ドイツ語ゆかりのタイトルと絵柄の怪しさに惹かれて全5巻大人買いして一気読みしてしまいました。
かの有名なファウスト博士が実は女性だった、という設定も、彼女が死ぬはずだった時にメフィストフェレスが契約を履行せずに彼女に不死の(しかしケガをすれば、治癒するたびに肉体が減って小さくなる)呪いをかけて、自分を探し出すようにというゲームを始めるという設定も新鮮で面白いです。この呪いのせいでフラウ・ファウストは100年もの間さまよいながらバラバラにされて封じられているメフィストフェレスの体を集めていくストーリーに、知識欲旺盛で勝手にフラウ・ファウストについていくことに決めた少年マリオンや、彼女と同級生だった人形師(諸事情によりまだ存命)のサラ、強い意志を持ったホムンクルスのニコ、異端審問官のロレンツォなど魅力ある登場人物たちの交錯する人生も面白いですね。
そしてやはり、ファウストとメフィストフェレスの一筋縄ではいかない恋愛にも似た濃密でこじれた関係というのが一番美味しかったです😊 


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