道彦の散歩道

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毎日の事件事故の記録

07/11 杏仁豆腐&太陽餅

2014年07月11日 | スイ-ツ・お菓子

【杏仁豆腐】

「杏仁豆腐」は、中国発祥のデザートである。別称には「きょうにんどうふ」、「シンレンドウフ」がある。
「きょうにん(杏仁)」という呼び名がやがて「あんにん」にすり替わっていき、現在では「あんにんどうふ」の呼び方が最も一般的である。

『概要』

本来は薬膳料理の一種で、喘息、乾性喉の治療薬である。アンズ類の種(杏仁・きょうにん)、中国語では「シンレン」の中の「仁・じん」を粉末にしたもの(杏仁霜)を、苦味を消すために甘くして服用しやすくした料理である。「杏仁」には薬品用の苦味の強い「苦杏仁」と食品用の苦味の弱い「柑杏仁」があり、「杏仁豆腐」に使用されるのは後者である。

日本では完全な嗜好品・デザートとして扱われているため、実際には「杏仁」を使っていないものが多く、現在、日本のスーパー等で「杏仁豆腐」として売られているものは、ほとんどが「杏仁」と似た香りを持つアーモンドエッセンスを用いて作ったもみのである。
しかし、「杏仁豆腐」にはJAS規格がないため、製造・表示方法に関しては明確に定められておらず、現状では原材料に「杏仁」が含まれていない商品に「杏仁豆腐」の名称を使っても違反にならない。

従来日本で「杏仁豆腐」といえば固めに作って菱形に切りフルーツと共にシロップに浮かべた「フルーツポンチ」か「みつまめ」に近いものが多かったが、近年は本格的な中華料理の普及にともない、柔らかめに作ったプリン状のものが見かけられるようになった。

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【太陽餅】

「太陽餅」は、台湾中部の都市・台中市の特産品焼き菓子。

何層にも重ねられたサクサクとしていて多少粉っぽい皮の中に、もちもちとした餡が包みこまれており、丸い形をしている。原材料は小麦粉・砂糖・麦芽糖・ラード・蜂蜜・練乳等。甘みはそれほど強くない。

皮が非常に脆く、食べている間にポロポロと脱落していき、時には皮の殆どが落ちてしまうことがある。
従って、食べる際は下に何か敷く、または個別に包装されているものは袋から出さずに食べると食後の掃除の手間が省ける。

一説によれば、日本人が日本の国旗にちなんで命名したという説も存在するが、諸説ある為信憑性は不明である。

「太陽餅」は、台中名物で台中市内には「太陽餅」の販売店が多数軒を連ねている。今日では、台北市内や台湾桃園国際空港内の免税店など、様々な場所で買うことが可能となり、ポピュラーな菓子となった。

数十年前までは、梱包の技術が発達していなかった為、台中以外では販売されていなかった。それに付け加え、一昔前まで台中以外の都市にレシピが流れる事が無く、台中の菓子職人以外に作り方を知らなかったから、今ほど認知度は高くなかった。

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07/08 芝麻球&シャーチーマー

2014年07月08日 | スイ-ツ・お菓子

【芝麻球】

「芝麻球(チーマーチュウ)」は、中華料理の点心の甜点心(甘い点心)、菓子の一種。日本では胡麻団子、ゴマタマとも呼ばれる。

胡麻餡を白玉粉と胡麻油を混ぜた生地で包み、まわりに白胡麻または黒胡麻をまぶして揚げる。胡麻餡の代わりに小豆の漉し餡を使ったり、ハスの実の餡を使うなとせのバリエーションもある。帯広市の美珍楼では、カスタードクリームを入れた胡麻団子を販売している。また、中に餡を入れず、暖まった空気で中空に膨らませ、大きく揚げるものもある。

マレーシア、インドネシアには「オンデオンデ」と呼ばれる餅菓子がある。キャッサバと餅を練り合わせた餅皮の中に、黒砂糖とココナッツなどの餡を入れ、茹でる、揚げるなどの調理をする。
餅皮に香り付けと色付けのバンダン(タコノキ科植物の葉
)混ぜたオンデオンで鮮やかな緑色をしている。
外側にはココナッツ・パウダーを塗す。インドネシアでは華僑の持ち込んだ「芝麻球」も、オンデオンデのバリエーションの一つとして定着している。

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【シャーチーマー】

「シャーチーマー」は、中国で広く食べられているお菓子で、小麦粉に飴を入れてふくらし粉でふくらませて、軽く油で揚げるか、熱を加えてから乾燥させたもの。
元々満州族の食べ物であったが、清朝時代に満州族が中国各地に支配階級として派遣されて、中国全土に広まった。現代では中国語文化圏のどこのコンビニでも何種類かを入手できる。
日本語では「サチマ」ともいう。

和菓子の「おこし」に似ているが、「シャーチーマー」は甘さが控え目で、固くなく、ふわふわと柔らかい。味はバームクーエンに似ている。

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07/06 月餅&麻花 

2014年07月06日 | スイ-ツ・お菓子

【月餅】

「月餅」は、中国の菓子の一種。月に見立てた丸く、平たい形は共通であるが、中国各地で大きさ・材料・中に詰める餡などには違いがあり、いわれについては諸説ある。

『概説』

最も有名な物は「広式」と呼ばれる広東省のスタイルで、柔らかめの餡や皮を用い、茹でた「シェンタン(アヒルの卵を塩水に漬けたもの)」の黄身を入れたものに人気がある。小豆餡の他、ハスの実の餡やナツメ餡なども一般的である。
一方、北京など北方の物は一般的に水分が少な目の餡を使い、クルミや松の実などのナッツを入れたものが多い。一般的に砂糖を多く含む他、ラードなどの油脂分も含むため、見た目以上にカロリーが高い菓子である。

水分が少ない分、保存性は比較的高いが、これは元々大きなサイズのものを少しずつ切り取りながら食べていた為で、最近でき小型のものが一般的になり、また香港では、「アイス月餅」など新しく作られたバリエーションが豊富である。

『起源』

古代の「月餅」はお供え物として中秋節に食べられていた。しかし、時の移り変わりとともに、「月餅」は中秋節の贈り物に用いられる食品へと変わっていった。中秋節に「月餅」を食べる習俗は唐代に出現している。

「洛中見聞」によれば、唐の僖宗は中秋節に御前房に銘じて新料の進土に紅綾で飾った餅を賜ったという。北宋の時には、このような餅は「宮餅」とよばれ、宮廷内で流行した。
やがて民間にも伝わり、当時は「小餅」や「月團」と俗称された。「月餅」という言葉は最初に南宋の呉自牧の「夢梁録」に現れた。当時の「月餅」は菱餅のような形をした食べ物で、後に円形を型どり、団円を萬意するようになった。

『贈答品としての月餅』

旧暦の8月15日の中秋節の時、家族や親しい友人が集まり、月を愛でてこの菓子を食べる習俗がある。現在は、中秋節が近づく頃、親しい人やお世話になっている人にこれを贈ることが盛である。数多く贈る手間を省いたり、新しいものを入手できるように、特定の店で使える月餅専用の商品券で贈る場合もある。数を多く贈ると結構な出費となるので、香港では毎月積立をして商品券を受け取れる様にする制度もあった。

現在では金箔を貼ったり、素材に凝った豪華な物が出てきている他、箱に時計や洋酒と言った高価な商品を詰め合わせて売る商法もあり、贈賄問題となる例もある。そのため、中国政府は2005年以後、「月餅むの」の包装や詰め合わせた物の価値が、「月餅」そのもののコストの20%をを超えてはならないという法律を制定した。

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【麻花】

「麻花(マーホア)」は、かりんとうに似た、小麦粉を捏ね、油で揚げて作る中国華北の菓子。きつね色に揚がった、香ばしく、サクサクした食感と、甘い味が特徴。

日本では長崎県や神奈川県などに製造業者があり、「よりより」、「唐人巻」、「麻花巻」、「ねじりんぼう」などとも呼ばれる。

『作り方』

小麦粉に水、砂糖、少量の塩と膨張剤を加えて捏ね、棒状に引き伸ばした後で、半分に折ってねじり、油でじっくりと揚げる。揚げた後で、砂糖をまぶすものとまぶさないものがある。

『天津大麻花』

天津の名物菓子。大きいものでは50センチ程度のものがあり、砂糖をまぶしただけでなく、氷砂糖や金平糖が表面に挟み込まれたものもある。苑貴才、苑貴林という兄弟が始めた、老舗の「桂發祥」のものが有名。
天津の大活南路という場所にあったため、「十八街」が愛称となっている。油で揚げてあるが、1ヵ月以上湿ったりせず、風味がなかなか落ちない点にも人気がある。
単に1本の雉も鳴かずば打たれまい捻ったものではなく、中心にゴマ、クルミ、カボチャの種、ウメの実の砂糖煮、キンモクセイの砂糖煮などを混ぜた、芯となる生地があり、少し複雑になっているのが特徴。

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07/04 崩砂&花捲

2014年07月04日 | スイ-ツ・お菓子

【崩砂】

「崩砂(バンサー)」は、かりんとうに似た、小麦粉を捏ね、油で揚げて作る中国広東省の菓子。蝶に似た形と、きつね色に揚がった、香ばしく、さくさくとした食感と、砂糖や腐乳を使った独特の甘からい味が特徴。

『概要』

広東省仏山市順徳区大良鎮の地方菓子で、バンサーは地元の方言で蝶を意味する。漢字では「虫崩」や「虫少」の様に書かれるが、ユニコードなどに登録されていない方言である。一般のコンピューターで表示できないため、同音の「崩砂」、「崩少」などの字を当て字として使っている場合がある。

清代乾隆年間(1736年ー1795年)の1788年頃、大良の東門外の梁成章という人が開いた「成記」という店でかりんとうのような薄く硬い揚げ菓子が考案され、その後、李喜という人が開いた「李喜記」という店が現在の形のように蝶の形に改良したといわれ、さらに、1920年代になって息子の李燒雲が発酵した小麦粉の種を入れて、さっくりした食感のものに改良した。

現在もそれらの伝統を継ぎながらも味などを改良した製法で、大良にある多くのメーカーが製造している。
現在、複数のメーカーが「李喜記」という屋号を企業名に入れたり、パッケージに表示しているが、各経営者は李喜の子孫で親戚関係にあるため、どれが本物、あるいは元祖ということは出来ず、商標権も一社独占は認められていない。
また、広州市などにも製造するメーカーが複数あり、商品は香港の食糧品店などでも売られている。

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【花捲】

「花捲(ホアジュアン)」は、中華料理の点心の一種。
小麦粉を使った蒸しパンのようなものである。ほんのりと甘く柔らかな食感のものが多い。
その名前は、渦巻きのような模様が表面にあることに由来する。中国語で「花」の字には模様などの意味もあり、ここでは面白い形といった意味である。

作り方は、小麦粉をベースにした酵母による発酵生地を使う。薄く伸ばした生地に油を塗って棒状に巻き、短く切り分けた後に、折り畳んで捻るなどの方法で成型する。
この工程により、棒状に巻いた生地の断面が表面に出て、独特の渦巻き模様が出来る。成形後に2次発酵させてから、蒸籠で蒸し上げる。

味付けは生地に砂糖を加えた甘いものが基本で、成形前の薄く伸ばした生地に胡麻ペーストを塗ったり、風味付けに花椒塩やフェンネルを振るなどの様々なバリエーションがある。

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07/02 蜂蜜&ジャム

2014年07月02日 | スイ-ツ・お菓子

【蜂蜜】

「蜂蜜」とはミツバチが花の蜜を採集し、巣の中で加工・貯蔵したものをいい、自然界で最も甘い蜜といわれる。約8割の糖分と約2割の水分によって構成され、ビタミンとミネラル類などの栄養素を僅かに含む。味や色は蜜源植物によって様々である。

『ミツバチによ花の蜜の採集』

「蜂蜜」の基となる花の蜜は、メスのミツバチによって採集される。採集された花の蜜はショ糖液、つまり水分を含んだスクロース(ショ糖)の状態で胃の前部にある蜜胃と呼ばれる器官に貯められる。蜜胃が「蜂蜜」で満たされるとミツバチは巣に戻る。

一般にミツバチが採集した花の蜜が「蜂蜜」であると考えられるが、花の蜜が巣の中で加工・貯蔵されたものが「蜂蜜」であり、両者の性質には物理的、科学的な違いがある。

まず、花の蜜は「蜂蜜」よりも糖濃度が低い。一般に花の密の糖度はミツバチが採集した段階で40%未満であるが、巣に持ち帰られた後で水分の発散が行われる結果、「蜂蜜」の糖度は80%前後に上昇する。また、水分発散のための作業の一つとして、ミツバチは巣の中で口器を使って蜜を膜状に引き延ばすが、この時ミツバチの唾液に含まれる酵素(インベルターゼ、転化酵素)が蜜に混入し、この作用によって蜜の中のスクローズがグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)に分解される。

ミツバチの口器を通してはこの他に、本来発の蜜には含まれない物質が混入する。一例としてコリンが挙げられる。
コリンはミツバチの唾液腺から分泌されるローヤルゼリーに含まれる物質であり、ミツバチが花の蜜の水分を発散と並行して同じく口器を用いて同じく口器を用いて唾液腺から分泌されたローヤルゼリーを女王蜂の幼虫に与える作業を行うため、ローヤルゼリー中のコリンが蜂蜜に混入すると考えられる。

『養蜂』

「養蜂」は、閉鎖空間に中に巣を作るというミツバチの習性を利用し、内側をくり抜いた丸太や土管、藁縄製のスケップ、木製の桶などを用いて行われる。
かっては巣を切り取り、押し潰して蜜を採る方法が採用されていたが、これはミツバチに大きなダメージを与えるものであった。
現代的な養蜂では木製の枠の中に巣を作らせ、蜜が貯まると遠心分離器にかける方法が採用されている。遠心分離器による採蜜法は1865年に、オーストリアのフルシュカによって考案された。遠心分離器の活用によってミツバチ一群あたりの「蜂蜜」の採集量はおよそ5倍ないし10倍に増加した。

『成分と性質』

「成分」
「蜂蜜」は約8割の糖分と約2割の水分によって構成され、微量の栄養素、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・有機酸・酵素・色素・香気物質が含まれる。有効成分が蜂蜜の中で果たす働きについては未解明な点も多い。ビタミン・ミネラル・アミノ酸の多くは花粉に由来する。

グルコースとフルクトースが主成分であることから、「蜂蜜」は消化の必要なしに、手早くエネルギーを得ることができる。
両者はともに単糖であり、摂取後体内でそれ以上に消化・分散する必要がなく、短時間で体内に吸収される。
さらにフルクトースの吸収速度がグルコースのおよそ半分であることから、吸収によって血糖濃度が急激に変動することはない。

「性質」
「蜂蜜」には低温中で粒状の結晶ができ白く固まる性質がある。これはグルコースの性質によるものである。
ただし、低温であればあるほど結晶化しやすいというわけてはなく、結晶化しやすいのは摂氏5度ないし14度弱であり、摂氏マイナス18度弱以下になるとほとんど結晶化しなくなるといわれている。

グルコースを多く含む「蜂蜜」ほど早く結晶化し、グルコースの含有量が少なくフルクトースを多く含む「蜂蜜」は結晶化しにくい。

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【ジャム】

「ジャム」は、フルーツの果実や果汁に重量比10%から同程度の砂糖や蜂蜜を加えて加熱濃縮し、保存可能にした食品で、スプレッド類の一つである。コンフィチュールやコンフィテューレとも言う。

『概要』

果実や果汁に含まれているペクチンに糖類と酸が作用して、ゼリー状に柔らかく固まる作用を利用した加工食品。
原料となる果実にペクチンが不足している場合、ペクチンを補うことでゼリー化させる。酸が不足している場合、商業生産の現場ではクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などを、家庭ではレモン果汁、酸味の強いリンゴなどを加える。原料果実の風味を残すため、無加熱の超高圧下で調理し加える砂糖の量を少なくしたものも流通している。

完成したときに果実の原型が比較的保たれているものは、プレザーブという。オレンジやレモンなどの柑橘類を原料とし、果皮が含まれているものは特にマーマレードという。

非常に甘いため、そのまま食べることは少なく、パンやクラッカーなどに塗って食べるのが一般的である。その他、サンドイッチの具としたり、ヨーグルトやフレッシュチーズにかけて食べたり、様々なケーキの原料とされる。

一般的に使用されるフルーツにはイチゴ・アンズ・リンゴ・オレンジ・ブドウ・イチジク・ブルーベリー・ラズベリー・ブラックベリー・モモなどがある。珍しいフルーツや野菜(ルバーブ・ニンジン・カボチャなど)、花弁(バラ・スミレ・ラベンダー)を使ったものも出てきており、専門店などでは30~40種類を揃えているところもある。

和製英語では、一部のスプレッド類ついても「ジャム」という名称が用いられていることがあり、ゴマをペースト状にした「ゴマジャム」や、牛乳を煮詰めてとろみと甘味をつけた「ミルクジャム」などの商品が販売されている。

ロシアにはヴァレニエと呼ばれる果実を甘く煮たものがある。これも「ジャム」とされることがあるが、「ジャム」とは違い果肉の形が残ることは少ない。
日本では紅茶にジャムを入れたものを「ロシアンティー」と称するが、これは誤りである。また、ロシア人はジャムを舐めながら紅茶を飲むといわれているが、ここでいうジャムもヴァレニエである。ちなみにヴァレニエは紅茶に漬けてスプーンで食べたり、水で薄めて飲んだりするようである。

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07/01 飴細工

2014年07月01日 | スイ-ツ・お菓子

【飴細工】

「飴細工」とは、製菓技術の一つであり、砂糖を熱し、飴状になったものを用いて造形物を作り出すこと、およびその造形物をいう。
その細工と技術と美術的な観点、製作過程に特徴があり、食べることを目的としない、観賞するための展示品として製作される場合もある。

『歴史』

西洋菓子の飴細工と日本の伝統的な「飴細工」は、この分野での交流が資料として認められないものの、発祥の違いこそあれ、製法や技術にあまり大きな差がなく発展している。

11世紀にはアッバース朝の第35代・カリフ・ザーヒルの命令で砂糖細工が作られてとされており、菓子技術に装飾するという考え方が既にあった。ただしこれはあくまで焼き固められた砂糖菓子であり、飴状のものを加工したものではない。

日本の「飴細工」の歴史は、中国から来た職人が京都に住み町で売ったことで技術が伝来たといわれ、延暦15年の東寺の建立時に「飴細工」が作られ、供物として捧げられたという。16世紀、南蛮菓子として成立した「有平糖」は「有平細工むと呼ばれる高度な製菓技術を誇った。

享和元年には良質の水飴が越後で作られて関西方面で広まったともいわれている。江戸では飴職人が細工をした飴を街に出て売り歩き、細工の技術と種類が増えた。

『洋菓子と和菓子』

洋菓子の世界ではパティシエがその技術と芸術性を発揮できる分野である。一方、和菓子の「飴細工」は有平細工のような例外を除いて、もっぱら大道芸、伝統工芸の一つとして見なされている。

伝統工芸としての「飴細工」は、飴の特性上、製作および保存の過程における扱いが難しいことをはじめ、量産できないことや衛生的な面、さらに実物を目にする機会があまり無いうえ、その労力の割にはビジネス面での見返りが少ないことから、見た目の派手さとは裏腹に、技術の伝承がされ難い側面があった。
これに対して、洋菓子作りが趣味として一般化するにつれてその技法の一つである「飴細工」が広く認知されることとなり、カルチャースクールの洋菓子作りのカリキュラムで取り上げられるようにもなっている。

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