【杏仁豆腐】
「杏仁豆腐」は、中国発祥のデザートである。別称には「きょうにんどうふ」、「シンレンドウフ」がある。
「きょうにん(杏仁)」という呼び名がやがて「あんにん」にすり替わっていき、現在では「あんにんどうふ」の呼び方が最も一般的である。
『概要』
本来は薬膳料理の一種で、喘息、乾性喉の治療薬である。アンズ類の種(杏仁・きょうにん)、中国語では「シンレン」の中の「仁・じん」を粉末にしたもの(杏仁霜)を、苦味を消すために甘くして服用しやすくした料理である。「杏仁」には薬品用の苦味の強い「苦杏仁」と食品用の苦味の弱い「柑杏仁」があり、「杏仁豆腐」に使用されるのは後者である。
日本では完全な嗜好品・デザートとして扱われているため、実際には「杏仁」を使っていないものが多く、現在、日本のスーパー等で「杏仁豆腐」として売られているものは、ほとんどが「杏仁」と似た香りを持つアーモンドエッセンスを用いて作ったもみのである。
しかし、「杏仁豆腐」にはJAS規格がないため、製造・表示方法に関しては明確に定められておらず、現状では原材料に「杏仁」が含まれていない商品に「杏仁豆腐」の名称を使っても違反にならない。
従来日本で「杏仁豆腐」といえば固めに作って菱形に切りフルーツと共にシロップに浮かべた「フルーツポンチ」か「みつまめ」に近いものが多かったが、近年は本格的な中華料理の普及にともない、柔らかめに作ったプリン状のものが見かけられるようになった。
【太陽餅】
「太陽餅」は、台湾中部の都市・台中市の特産品焼き菓子。
何層にも重ねられたサクサクとしていて多少粉っぽい皮の中に、もちもちとした餡が包みこまれており、丸い形をしている。原材料は小麦粉・砂糖・麦芽糖・ラード・蜂蜜・練乳等。甘みはそれほど強くない。
皮が非常に脆く、食べている間にポロポロと脱落していき、時には皮の殆どが落ちてしまうことがある。
従って、食べる際は下に何か敷く、または個別に包装されているものは袋から出さずに食べると食後の掃除の手間が省ける。
一説によれば、日本人が日本の国旗にちなんで命名したという説も存在するが、諸説ある為信憑性は不明である。
「太陽餅」は、台中名物で台中市内には「太陽餅」の販売店が多数軒を連ねている。今日では、台北市内や台湾桃園国際空港内の免税店など、様々な場所で買うことが可能となり、ポピュラーな菓子となった。
数十年前までは、梱包の技術が発達していなかった為、台中以外では販売されていなかった。それに付け加え、一昔前まで台中以外の都市にレシピが流れる事が無く、台中の菓子職人以外に作り方を知らなかったから、今ほど認知度は高くなかった。