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グー・シャオガン監督『春江水暖』その2

2021-05-05 06:16:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。

季節が冬に向かっている。次男ヨウルーの妻は息子のヤンヤンにコートを買い、ヨウルーは妻の誕生日にマフラーを買う。

冬。
春節。富春江に雪が降る。
次男夫婦が爆竹を鳴らしていると、姿を隠していた三男ヨウジンが現われる。羽振りの良い姿で借金を返すという。土産の品を持って、長男ヨウフーの店に赴くが、長男は彼を許さず、会おうとしない。

その頃、兄弟の母は、老人ホームに入っていた。母を迎えに行くヨウジン。母と息子のカンカンと三人で暮らし始めた。

グーシーはついに両親に許されぬまま、ジャンと結婚する。友人のルルは妊娠し、グーシーにも早く子供が授かると良いとすすめる。

ヨウジンは自宅で闇賭博を始め、賭博場は大繁盛だ。そんなある日、母がいなくなってしまう。ヨウジンは八卦占いに頼り、長男ヨウフー夫婦は魚を河に流し、母が戻ることを祈った。
ほどなく母が発見される。衰弱した体が癒えると、母は再び、ヨウジンの家に暮らし始めるのだが……。

ある夜。イカサマ賭博の最中、ヨウジンの家に一気に警察がなだれ込んだ。賭博の客にも縄をかける大捕物だ。その喧騒の中、一人静かにハーモニカを吹くカンカン。母は、ただ一人、雪の中をどこかへ歩いて行った。
ヨウジンは、警察の目を避けて何とか逃げ切る。が、残してきた母が心配になり、戻ったところをついに拘束される。

春。
清明節。墓参りの季節だ。母の墓前に家族が集まる。
四男ラオシャオが、母が書き残したノートを読む。そこには、母が富陽に嫁入りをした頃の記憶が鮮やかに書き留められていた。

人々が河に灯籠を流してた
鬼節のお祭りだ
空に星が瞬き始めた
河に風はなく
水は澄んでいた
数千の灯籠が河に浮かび
流れていった

長男ヨウフーは娘グーシーの夫ジャンと話している。グーシーは母フォンジュエンと腕を組んでいる。父が拘置所にいるカンカンは次男ヨウルー夫婦に連れられている。ヨウルーの息子ヤンヤンは妻と一緒だ。四男のラオシャオは、一人。兄ヨウジンがくれたサングラスをかけている。サングラスを上げ、空を見上げると、慣れぬ手つきでサングラスを下ろす。
ラオシャオが見た空には鳥が飛んでいる。

一の巻 完結

 冒頭の宴会のワンシーン・ワンカットから、この映画は傑作にちがいないと思い、船を追う横の移動撮影のシーンに及んでは、もう驚嘆するしかありませんでした。チラシにホウ・シャオシェン、エドワード・ヤン、ジャ・ジャンクーの名前があるのも当然だと思いました。おそらく私が今年に観ることになる映画のベストワンは、この映画で決まりだと思います。

 →サイト「Nature Life」(表紙が重いので、最初に開く際には表示されるまで少し時間がかかるかもしれません(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto