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アキ・カウリスマキ監督『コントラクト・キラー』

2013-03-25 06:56:00 | ノンジャンル
 アキ・カウリスマキ監督・脚本・編集・製作の'90年作品『コントラクト・キラー』をDVDで再見しました。
 英国水道局登録部で孤独に働くアンリ(ジャン=ピエール・レオー)はある日部長に呼ばれ、来月から民営化されるので、外国籍の労働者から人員整理すると言われ、その場でクビになります。店で丈夫な縄を買い、アパートの解約も済ませ、壁にフックをかけて、首吊りしようとして失敗するアンリは、頭を抱えます。“コントラクト・キラー、麻薬戦争で暗躍”の新聞記事を読むアンリ。15年の勤務の報償としてもらった金時計を質に入れて5ポンドを得たアンリは、路上で男に教わったバーへ行き、そこで自分を殺してもらう契約を1000ポンドで結びます。2週間以内に殺さなければ返金し、気がかわるようならすぐに知らせろという契約先の男。臆病なのでなるべく早く頼むと言うアンリ。
 “向かいのパブにいる”という紙を自室のドアに貼り、パブで酒を飲んでいると、バラ売りのマーガレットがやって来て、アンリは一目で恋に落ちます。彼女にビールをおごったアンリは、皆に嫌われたのでフランスを出てきたと言い、現れた殺し屋から逃げ出します。マーガレットの家を訪ねたアンリは、キスして強引に彼女の部屋に入り、朝を迎えます。もう死にたくないと言うアンリに、マーガレットは殺しのキャンセルをアンリがしに行っている間に、自分がアンリの荷造りをしてくると言います。アンリは殺しを頼んだバーに行きますが、そこは既に廃墟と化していました。マーガレットを尾行する殺し屋は、自室に戻ると引き出しから拳銃を取り出し、ポケットに入れますが、急に咳き込み出すと、血を吐きます。マーガレットの部屋に押し込み、消音器を拳銃に取り付け、アンリの来るのを待つ殺し屋。アンリがやって来ると、そこへ向かった殺し屋の頭にマーガレットは花瓶を投げつけ、殺し屋を失神させます。
 2人はホテルに泊まり、アンリは自分は頭が変だと言います。医者から残りの命はせいぜい1ヶ月か2ヶ月だと言われる殺し屋。アンリはサングラスを買い、バーで歌を聞いていると、殺しを頼んだ時にいた2人組がいるのを発見します。彼らを尾行していくと、彼らは宝石商に押し込み強盗をしていて、宝石商を拳銃で撃ってしまった彼らは、拳銃をアンリに渡し、逃げ出します。拳銃を持つアンリの姿は、監視カメラに映り、やじ馬たちにも見られます。逃げ出すアンリ。翌日の新聞には“宝石商、瀕死の重傷”の記事が載り、拳銃を持ったアンリの写真も掲載されます。
 バラを売る店で偶然に殺し屋と会ってしまうマーガレット。彼女がホテルに帰ると、アンリからの置き手紙がありました。列車に飛び込もうとして果たせないアンリ。ホテルの男はマーガレットに、アンリをハムステッド墓地で見かけたと教えます。ホテルの男に迫る殺し屋。“ヴィックのフレンチ・バーガー”という店に入り、食事をしようとしたマーガレットは、そこで働くアンリと再会します。そこに住み込みで働いていたアンリと朝を迎えるマーガレット。やがて宝石商強盗の本当の犯人が盗品故売の疑いで逮捕されます。殺し屋の部屋には彼の娘が訪ねてきますが、彼は金をママに渡して、もうここへ来るなと娘に言います。“宝石商強盗の真犯人逮捕、第三の男無実”の新聞記事。アンリはホテルを去ろうとすると、そこへ殺し屋が現れ、アンリは逃げ出しますが、結局追い込まれます。自分が癌であることを明かす殺し屋。彼は人生などくだらないと言い、一旦はアンリに向けた拳銃を自分に向けて自殺してしまいます。墓地に急行するマーガレットを乗せたタクシーは、道に現れたアンリを危うく轢きそうになりますが、寸での所で車が停まり、マーガレットはアンリと無事に再会することができたのでした。

 カウリスマキ監督にとって初めての英語の映画でした。以前見た時はレオーがもっと陰惨だった気がしたのですが、今回はそうした感じはあまりありませんでした。レオーの魅力が味わえる映画です。

 →Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto