アキ・カウリスマキ監督・製作・脚本・編集の'96年作品『浮雲』をDVDで見ました。
昔ながらのレストラン“ドゥブロヴニク”の給仕長をしているイロナは、シェフのラユネンがまた酒をラッパ飲みして包丁をかざして暴れるのを収め、ケガをしたポーターのメラルティンを病院に行かせます。路面電車の運転手をしている夫のラウリと一緒に車で帰宅すると、ラウリは新しいテレビをイロナに見せて喜ばせますが、イロナは本棚とソファのローンがまだ残っていると不安げです。
翌日ラウリは会社のリストラを決めるカードを引いてしまい、1ヶ月後の最後の勤務日になって妻に告白します。あくまで強気なラウリでしたが、次の日就職活動から帰ると床に倒れ込みます。
数日後“ドゥブロヴニク”に3人の男が現れ、女性支配人に会うと、支配人はイロナに、銀行の経営者が変わり急にローンの完済を求められ、同時にチェーン店から来た買収話に乗らざるを得なくなったと言います。夫と店を始めて38年経ち、常連客も老齢化してしまったと嘆く支配人。店の最後の夜、満員の客は楽団のワルツで踊り、支配人はそれを見つめます。車で去る支配人を送り出したイロナは、スタッフと別れの乾杯をした後、既に改装が始まった店を通って制服を持ち帰ります。
レストラン関係は40%が失業していると聞かされ、実際に行く先々で断られるイロナ。ラウリはある日、花とカツを持ち帰って、ロシアへの観光バスの運転手の職が見つかったと喜びますが、翌日健康診断で右耳に異常が発見され、職はおろか免許書まで取り消されたと言って、また床に倒れ込みます。
イロナは街角でメラルティンに会い、若い客のひどいマナーでクローク係をお払い箱になったと聞かされ、酒も奢らされます。帰宅して吐くイロナを介抱するラウリ。イロナは雇用サービス会社で500マルクも払い皿洗いの仕事を紹介してもらいますが、行った先では皿洗い機を注文していたのだと言われ、料理もするなら雇ってやると言われます。コックとフロアを客に気付かれないように1人でこなすイロナ。客として来たラユネンは酒浸りの生活を送っていると言って去ります。酒屋への払いも残さず売り上げを持ち去るオーナー。
6週間後、オーナーが慌ててやって来て、何も話すなと言ってイロナから去ると、税務署の監査がやってきます。彼女の納税金額を証明できる帳簿がないと言う監査員。ラウリはオーナーの元を訪れ、妻の給料の未払分をすぐに払えと言いますが、逆にチクリ屋と罵られ、半殺しの目に会います。仕事がみつかって遠くへ来てるとイロナに電話するラウリ。
ラウリは顔もやっと見られるようになり、花を持って帰ると、自宅にイロナの姿はなく、映画館のモギリをやっている妹から、イロナは自分のところにいるが、ラウリのことを許さないと言っていると聞かされます。帰ろうと言うラウリに、決して許さないが妹から電話があって既に荷造りはしてあると言うイロナ。ラウリのボロボロの靴を直そうと、靴の修理屋に就職したメラルティンの元を訪れたイロナは、彼から銀行の金を借りて一緒に店を始めようと言われます。計画を立てて銀行に向かうも相手にされない2人。
ある日、イロナが美容学校へ行くと、そこで元支配人に再会し、2人で飲んでいるうちに元支配人は自分がスポンサーになると言ってくれます。昔の仲間を集めるイロナ。見事に改装し開店当日を迎えますが、昼時になっても客は現れません。元支配人が現れ、皆で待っていると昼時が終わる直前にやっと1人の客が現れ、またその相客も現れます。トラックが停まり、ドライバーたちが店に向かうと、中はもう満員で、今夜の予約を30人頼みたいという電話も入ります。店の外に出て煙草を吸うイロナが空を見上げると、ラウリも現れて一緒に空を見上げ、陽気な歌が流れ、“マッティ・ペロンパーに捧ぐ”という字幕とともに映画は終わります。
やはり台詞が極端に少なく、どうしようもない不幸の続いた後の最後のハッピーエンドは『真夜中の虹』と同じでしたが、静かな中、ドラマティックな音楽がふと流れたり、顔のクロースアップが多用されたりしているところが印象に残りました。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
昔ながらのレストラン“ドゥブロヴニク”の給仕長をしているイロナは、シェフのラユネンがまた酒をラッパ飲みして包丁をかざして暴れるのを収め、ケガをしたポーターのメラルティンを病院に行かせます。路面電車の運転手をしている夫のラウリと一緒に車で帰宅すると、ラウリは新しいテレビをイロナに見せて喜ばせますが、イロナは本棚とソファのローンがまだ残っていると不安げです。
翌日ラウリは会社のリストラを決めるカードを引いてしまい、1ヶ月後の最後の勤務日になって妻に告白します。あくまで強気なラウリでしたが、次の日就職活動から帰ると床に倒れ込みます。
数日後“ドゥブロヴニク”に3人の男が現れ、女性支配人に会うと、支配人はイロナに、銀行の経営者が変わり急にローンの完済を求められ、同時にチェーン店から来た買収話に乗らざるを得なくなったと言います。夫と店を始めて38年経ち、常連客も老齢化してしまったと嘆く支配人。店の最後の夜、満員の客は楽団のワルツで踊り、支配人はそれを見つめます。車で去る支配人を送り出したイロナは、スタッフと別れの乾杯をした後、既に改装が始まった店を通って制服を持ち帰ります。
レストラン関係は40%が失業していると聞かされ、実際に行く先々で断られるイロナ。ラウリはある日、花とカツを持ち帰って、ロシアへの観光バスの運転手の職が見つかったと喜びますが、翌日健康診断で右耳に異常が発見され、職はおろか免許書まで取り消されたと言って、また床に倒れ込みます。
イロナは街角でメラルティンに会い、若い客のひどいマナーでクローク係をお払い箱になったと聞かされ、酒も奢らされます。帰宅して吐くイロナを介抱するラウリ。イロナは雇用サービス会社で500マルクも払い皿洗いの仕事を紹介してもらいますが、行った先では皿洗い機を注文していたのだと言われ、料理もするなら雇ってやると言われます。コックとフロアを客に気付かれないように1人でこなすイロナ。客として来たラユネンは酒浸りの生活を送っていると言って去ります。酒屋への払いも残さず売り上げを持ち去るオーナー。
6週間後、オーナーが慌ててやって来て、何も話すなと言ってイロナから去ると、税務署の監査がやってきます。彼女の納税金額を証明できる帳簿がないと言う監査員。ラウリはオーナーの元を訪れ、妻の給料の未払分をすぐに払えと言いますが、逆にチクリ屋と罵られ、半殺しの目に会います。仕事がみつかって遠くへ来てるとイロナに電話するラウリ。
ラウリは顔もやっと見られるようになり、花を持って帰ると、自宅にイロナの姿はなく、映画館のモギリをやっている妹から、イロナは自分のところにいるが、ラウリのことを許さないと言っていると聞かされます。帰ろうと言うラウリに、決して許さないが妹から電話があって既に荷造りはしてあると言うイロナ。ラウリのボロボロの靴を直そうと、靴の修理屋に就職したメラルティンの元を訪れたイロナは、彼から銀行の金を借りて一緒に店を始めようと言われます。計画を立てて銀行に向かうも相手にされない2人。
ある日、イロナが美容学校へ行くと、そこで元支配人に再会し、2人で飲んでいるうちに元支配人は自分がスポンサーになると言ってくれます。昔の仲間を集めるイロナ。見事に改装し開店当日を迎えますが、昼時になっても客は現れません。元支配人が現れ、皆で待っていると昼時が終わる直前にやっと1人の客が現れ、またその相客も現れます。トラックが停まり、ドライバーたちが店に向かうと、中はもう満員で、今夜の予約を30人頼みたいという電話も入ります。店の外に出て煙草を吸うイロナが空を見上げると、ラウリも現れて一緒に空を見上げ、陽気な歌が流れ、“マッティ・ペロンパーに捧ぐ”という字幕とともに映画は終わります。
やはり台詞が極端に少なく、どうしようもない不幸の続いた後の最後のハッピーエンドは『真夜中の虹』と同じでしたが、静かな中、ドラマティックな音楽がふと流れたり、顔のクロースアップが多用されたりしているところが印象に残りました。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)