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下村優監督『パートナーズ~盲導犬チエの物語~』その3

2012-06-28 08:37:00 | ノンジャンル
 またまた昨日の続きです。
 翌日、小山内は仙台に空きができたので、自分の代理で行ってほしいと中島に言われます。考えさせて欲しいという小山内。ステージ上で自分とチエの両方に照明を当ててほしいと言うマコト。
 その夜、ヒールをはいて歩いていたマコトは過って路上の自転車を倒してしまい、将棋倒しになった自転車を足に受けた男(ダンカン)はマコトにからみます。吠えたチエに怯えた男は自転車をチエに降り降ろします。暗転。
 CTスキャンを受けるチエ。駆けつける小山内とミユとその母と兄。脾臓が破裂しているので手術をするという医師。自分がヒールを履いて転んだのがいけなかったと言うマコトに怒る小山内。ミユの父も駆けつけ、医師は今夜が山だと言います。心配しないでとマコトに言う小山内は、ミユがなぜチエという名前をつけたのか説明します。それは、ミユの父が家に飾っていたロバート・キャパとチェ・ゲバラの写真の「チェ」から取ったものでした。「チェ」はスペイン語で「君」や「あなた」を意味することも教えます。
 病院で夜を明かす高橋一家と小山内でしたが、ミユの兄はマコトをライブに送り出し、小山内は今夜は自分が盲導犬になると言うと、マコトは彼の腕を取り、チエに聞こえるように歌ってくると言って去ります。
 チエの容態が急変し、危篤というメールが来たことをマコトに知らせる小山内。小山内はステージ上のピアノの前にマコトを導き去ろうとしますが、マコトは一瞬彼の腕を握ります。チエの話をしたマコトは、歌をチエに捧げると言って、歌い始めます。蘇生措置を受けるチエ。それを見守るミユら。やがて小山内にチエが助かったというメールが届き、歌っているマコトに小山内がそのことを伝えると、観客は拍手でその報告を迎えます。笑うミユ。感極まる小山内。涙ぐむマコトの母。
 数日後、仙台に一緒に行ってくれと小山内はマコトに言いますが、女の人を知らないのに私でいいの、とマコトは言い、小山内が、最初で最後の人にしたい、と答えると、マコトは、うれしいけど奥さんらしいことはできないから結婚する気はないと言い、やっと自立できたのはみんなのおかげで、チエみたいな盲導犬をたくさん育てて、と言い、私は今は歌いたい、とマコトが言うと、小山内は、仙台に行く決心がついた、と言って、マコトから、あなたがいる町へ歌いに行くと言われます。
 「日本盲導犬協会 仙台訓練センター」と掲げられた建物。街頭の巨大スクリーンに歌うマコトの姿が映されると、小山内は訓練犬に「あの人と俺はキスしたんだぞ」と言うのでした。そしてエンディング・タイトルの後に「人間のため 無償の愛と奉仕の心を惜しまない 犬さんたちに 感謝をこめて 劇団東俳 藤野珠美」の字幕が出て、映画は終わります。

 淡々と画面が積み重ねられていく「普通」の映画でしたが、山根さんが指摘していたように、犬の「目」の表情が直接に訴えてきて、それだけでかなり心を貫かれました。お涙頂戴になりがちなストーリーも、過度に感情に流れることなく、最後まで見ることができました。下村監督の次回作にも期待したいと思います。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/