鈴木則文監督の'78年作品『多羅尾伴内』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
リーグ優勝を決する後楽園球場での一戦。3番打者で今シーズン既に51本のホームランを打っていた高塚は逆転満塁サヨナラホームランを放ちますが、1塁の手前で倒れます。混乱の中、探偵の多羅尾(小林旭)は、望遠レンズを持っていたカメラマンに一塁側の観客席をくまなく写すよう促します。高塚は毒針によって殺されていて、多羅尾が写させていた写真の中には、他の観客とは違って、一人背を向けて立ち去ろうとしている大朝新聞の記者の川瀬がいました。それを知った刑事(財津一郎)は川瀬の元に急行しますが、彼は既に自分のカメラ銃で自殺した後でした。川瀬は高塚とともに期待の新人としてプロ野球に入ったのですが、練習中に高塚の打ったボールを目に受けて引退を余儀なくされていて、刑事は川瀬の恨みによる犯行だと一旦は考えますが、多羅尾は川瀬が彼の死亡推定時刻に、妹のユウコへ「これから真面目になるから、もうすぐ迎えに行く」と電話していたことを突き止めます。
すると医科大学の理事長・木俣(池部良)が事務長(天津敏)と秘書のマサコ(夏樹陽子)を連れて、多羅尾の同僚の藤村を訪ねにやってきます。藤村が留守だったため、多羅尾が応対すると、木俣は「高塚を殺したのは俺。第2の犠牲を出したくなければ10億用意しろ。チロヌプ・カムイ」と書かれた脅迫状を受け取ったと言います。多羅尾はチロヌプ・カムイとはアイヌが崇める狐の魔神であることを木俣らに教えます。
受け渡し場所のホテルの部屋には魔神の面をつけた男が窓を破って乱入してきますが、カバンの中身が単なる紙と知って、また窓から立ち去ります。すぐに次の脅迫状が届き、木俣の息子ヨシノリ(江木俊夫)は、北海道のあの件で、アイドル歌手の穂高ルミが次の犠牲になるのではと心配します。片目の運転手(小林旭)のハイヤーに送られたルミは、控え室の衣装棚に人形の生首がぶるさがっているのを発見して怯えます。
やがて多羅尾の前にユウコが現れ、高塚が野球賭博にはまり、その借金を返すために自分がキャバレーに身を売ったことを語り、球場の写真の男は首に大きなほくろがあり、兄ではないと言います。高塚が野球賭博をしていたキャバレー「ルナ」は木俣の知人の大嶋(成田三樹夫)が経営していて、流しの男(小林旭)はそこで歌った後、事務所に賭博の元締めをしている戸川を訪ね、原油ブローカーの徳大寺(小林旭)という男が5千万賭けたいと言っていると伝えますが、そこに大嶋とマサコが親し気に写っている写真を見つけると、秘かにそれを持ち去ります。
マジックの得意な伊達男・徳大寺はルネに現れ、そこでマサコが去年まで働いていたことを知ります。ルネで一曲歌った八代亜紀(本人)と談笑した徳大寺は、そこにたまたま現れた木俣から、木俣と大嶋は戦後の混乱期に知り合ったこと、木俣にマサコを紹介してくれたのも大嶋だったことを知ります。
そしてルミのステージ。舞台裏に現れた魔神の面の男はワイヤーを切り、空中にぶら下がっていたルミはワイヤーによって腹を締め付けられ、胴を真っ二つに切断されます。いきなり始まるヨシノリの車と白バイのカーチェイス。白バイ警官(小林旭)はタイヤを撃って車を停車させます。また脅迫状が木俣の元に届きますが、そこに現れた多羅尾はヨシノリが誘拐されたことを知らせ、事ここに至って北海道の件を教えるように木俣に迫ると、木俣は「高塚が運転し、後部にルミとヨシノリが乗っていた車がアイヌの父子をはねて殺してしまい、自分が金に物言わせて無理矢理ことを収めたが、その男の妻はその後行方不明になった」という話をします。多羅尾はその話をさせるために狂言誘拐したことを告白し、ヨシノリは無事だと木俣に伝えます。(明日へ続きます‥‥)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
リーグ優勝を決する後楽園球場での一戦。3番打者で今シーズン既に51本のホームランを打っていた高塚は逆転満塁サヨナラホームランを放ちますが、1塁の手前で倒れます。混乱の中、探偵の多羅尾(小林旭)は、望遠レンズを持っていたカメラマンに一塁側の観客席をくまなく写すよう促します。高塚は毒針によって殺されていて、多羅尾が写させていた写真の中には、他の観客とは違って、一人背を向けて立ち去ろうとしている大朝新聞の記者の川瀬がいました。それを知った刑事(財津一郎)は川瀬の元に急行しますが、彼は既に自分のカメラ銃で自殺した後でした。川瀬は高塚とともに期待の新人としてプロ野球に入ったのですが、練習中に高塚の打ったボールを目に受けて引退を余儀なくされていて、刑事は川瀬の恨みによる犯行だと一旦は考えますが、多羅尾は川瀬が彼の死亡推定時刻に、妹のユウコへ「これから真面目になるから、もうすぐ迎えに行く」と電話していたことを突き止めます。
すると医科大学の理事長・木俣(池部良)が事務長(天津敏)と秘書のマサコ(夏樹陽子)を連れて、多羅尾の同僚の藤村を訪ねにやってきます。藤村が留守だったため、多羅尾が応対すると、木俣は「高塚を殺したのは俺。第2の犠牲を出したくなければ10億用意しろ。チロヌプ・カムイ」と書かれた脅迫状を受け取ったと言います。多羅尾はチロヌプ・カムイとはアイヌが崇める狐の魔神であることを木俣らに教えます。
受け渡し場所のホテルの部屋には魔神の面をつけた男が窓を破って乱入してきますが、カバンの中身が単なる紙と知って、また窓から立ち去ります。すぐに次の脅迫状が届き、木俣の息子ヨシノリ(江木俊夫)は、北海道のあの件で、アイドル歌手の穂高ルミが次の犠牲になるのではと心配します。片目の運転手(小林旭)のハイヤーに送られたルミは、控え室の衣装棚に人形の生首がぶるさがっているのを発見して怯えます。
やがて多羅尾の前にユウコが現れ、高塚が野球賭博にはまり、その借金を返すために自分がキャバレーに身を売ったことを語り、球場の写真の男は首に大きなほくろがあり、兄ではないと言います。高塚が野球賭博をしていたキャバレー「ルナ」は木俣の知人の大嶋(成田三樹夫)が経営していて、流しの男(小林旭)はそこで歌った後、事務所に賭博の元締めをしている戸川を訪ね、原油ブローカーの徳大寺(小林旭)という男が5千万賭けたいと言っていると伝えますが、そこに大嶋とマサコが親し気に写っている写真を見つけると、秘かにそれを持ち去ります。
マジックの得意な伊達男・徳大寺はルネに現れ、そこでマサコが去年まで働いていたことを知ります。ルネで一曲歌った八代亜紀(本人)と談笑した徳大寺は、そこにたまたま現れた木俣から、木俣と大嶋は戦後の混乱期に知り合ったこと、木俣にマサコを紹介してくれたのも大嶋だったことを知ります。
そしてルミのステージ。舞台裏に現れた魔神の面の男はワイヤーを切り、空中にぶら下がっていたルミはワイヤーによって腹を締め付けられ、胴を真っ二つに切断されます。いきなり始まるヨシノリの車と白バイのカーチェイス。白バイ警官(小林旭)はタイヤを撃って車を停車させます。また脅迫状が木俣の元に届きますが、そこに現れた多羅尾はヨシノリが誘拐されたことを知らせ、事ここに至って北海道の件を教えるように木俣に迫ると、木俣は「高塚が運転し、後部にルミとヨシノリが乗っていた車がアイヌの父子をはねて殺してしまい、自分が金に物言わせて無理矢理ことを収めたが、その男の妻はその後行方不明になった」という話をします。多羅尾はその話をさせるために狂言誘拐したことを告白し、ヨシノリは無事だと木俣に伝えます。(明日へ続きます‥‥)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)