ジョン・カーペンター監督の'83年作品『クリスティーン』を久しぶりにWOWOWで再見しました。生意気言わせていただければ、映画はまあまあ楽しめた程度の出来でしたが、刑事役でハリー・ディーン・スタントンが出演していました。(この1年後に彼は『パリ、テキサス』に出演しています。)
さて、またまた昨日の続きです。
第三部では、「映画・歌」と題して、黒澤明映画にちなんだ春夏秋冬の句、自ら監督した映画にちなんだ句。そして、映画評論家で「お楽しみはこれからだ」の連載のきっかけを作ってくれた白井佳夫さん、映画の本の共作が多い山田宏一さん、「キネ旬」の担当編集者として付き合いの長い金田裕美子さん、「キネ旬」初の女性編集長だった関口裕子さん、それぞれの方に贈った句。最後にスタンダードナンバーを題材にした句が掲せられています。
あとがきは「内々のおはなし」と題して、著者の妻である平野レミさん、そのお父さんであるフランス文学者であり詩人でもあった平野威馬雄さん、そのまたお父さんのアメリカ人、ヘンリー・P・ブイさんのこと、そして著者のお父さんが目分量が得意だったこと、父方のお墓のある圓乗院のことが句を織りまぜながら語られ、そしてお父さんが詠んだ句、お母さんが詠んだ句、著者がお母さんを詠んだ句、そして30を過ぎ子供もできた、著者の二人の息子さんにちなんだ句が紹介されて、本は終わります。
幸福な記憶に彩られた本であり、また著者の交友関係の広さ、それも戦後民主主義の根幹を支え、'50年代、'60年代の日本のポップカルチャーの本流を形作った方たちを網羅する人脈の錚々たる面々に、ただただもう圧倒される一方で、戦前から脈々と続いてきた「山の手」の文化、「知識人」の文化をも感じさせる、希有な本でした。
句を贈られた方々に関するエピソードにも興味を引かれるものが多くあり、この本で言及されている、灘本唯人さんのジャン・ギャバンやディートリッヒのポートレートと時代劇のイラスト、山本容子さんの銅版画については思わずネットで検索をかけて見てしまいましたし、南伸坊さんが歴史上の人物ゆかりの地に立って、その人物に扮して(というか、なりきって)写真を撮ったという本『歴史上の本人』も図書館ですぐに予約を入れたりと、様々な行動へ読む者を駆り立てる、そんな力に満ちた本でもあったと思います。
イラストに興味のある方にとどまらず、詩、絵本、映画、音楽、そうしたものが好きな方でしたら、書店で買っても決して高い買い物にはならないと思います。是非手に取って、読んでみてください。楽しめること、請け合いです!
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
さて、またまた昨日の続きです。
第三部では、「映画・歌」と題して、黒澤明映画にちなんだ春夏秋冬の句、自ら監督した映画にちなんだ句。そして、映画評論家で「お楽しみはこれからだ」の連載のきっかけを作ってくれた白井佳夫さん、映画の本の共作が多い山田宏一さん、「キネ旬」の担当編集者として付き合いの長い金田裕美子さん、「キネ旬」初の女性編集長だった関口裕子さん、それぞれの方に贈った句。最後にスタンダードナンバーを題材にした句が掲せられています。
あとがきは「内々のおはなし」と題して、著者の妻である平野レミさん、そのお父さんであるフランス文学者であり詩人でもあった平野威馬雄さん、そのまたお父さんのアメリカ人、ヘンリー・P・ブイさんのこと、そして著者のお父さんが目分量が得意だったこと、父方のお墓のある圓乗院のことが句を織りまぜながら語られ、そしてお父さんが詠んだ句、お母さんが詠んだ句、著者がお母さんを詠んだ句、そして30を過ぎ子供もできた、著者の二人の息子さんにちなんだ句が紹介されて、本は終わります。
幸福な記憶に彩られた本であり、また著者の交友関係の広さ、それも戦後民主主義の根幹を支え、'50年代、'60年代の日本のポップカルチャーの本流を形作った方たちを網羅する人脈の錚々たる面々に、ただただもう圧倒される一方で、戦前から脈々と続いてきた「山の手」の文化、「知識人」の文化をも感じさせる、希有な本でした。
句を贈られた方々に関するエピソードにも興味を引かれるものが多くあり、この本で言及されている、灘本唯人さんのジャン・ギャバンやディートリッヒのポートレートと時代劇のイラスト、山本容子さんの銅版画については思わずネットで検索をかけて見てしまいましたし、南伸坊さんが歴史上の人物ゆかりの地に立って、その人物に扮して(というか、なりきって)写真を撮ったという本『歴史上の本人』も図書館ですぐに予約を入れたりと、様々な行動へ読む者を駆り立てる、そんな力に満ちた本でもあったと思います。
イラストに興味のある方にとどまらず、詩、絵本、映画、音楽、そうしたものが好きな方でしたら、書店で買っても決して高い買い物にはならないと思います。是非手に取って、読んでみてください。楽しめること、請け合いです!
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)