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トッド・ヘインズ監督『エデンより彼方に』

2009-12-30 18:55:00 | ノンジャンル
 蓮實重彦先生が本「映画崩壊前夜」の中で絶賛していた、トッド・ヘインズ監督・脚本の'02年作品「エデンより彼方に」をDVDで見ました。
 マサチューセッツの小都市。キャシー(ジュリアン・ムーア)は大企業の重役である夫のフランクとともに会社のシンボルともなっている有名人で幼い二人の子供と幸せな日々を暮らしています。ある日庭師が死んでその息子のレイマンが継ぐことになります。フランクは映画館で男性同志が待ち合わせているのを見て彼らを追うと、同性愛者らの溜まり場に行きつきます。帰りが遅くなるという電話をフランクからもらったキャシーは夜食を届けに会社に行きますが、そこでは夫が男とキスをしていました。夫は若い頃の病気がまた出たのだと告白します。彼女は医者に相談に行かせますが、医者はこの病気は治らないと言います。展覧会でレイマンと出会ったキャシーは親し気に話をしますが、パーティから帰って夫に顔を殴られ、翌日顔に痣のできた彼女を見たレイマンは彼女を誘って紅葉がきれいな野外を散歩し、黒人専用のバーでダンスします。彼らが一緒にいるのを目撃した女性があらぬ噂を流し、やがてそれは町中のスキャンダルになり、夫が激怒します。キャシーは路上でレイマンに友情の終わりを告げますが、レイマンは彼女の腕をつかんで引き止めようとし、それを見た白人男性から罵倒されます。休職した夫とともに彼女はマイアミに出かけて新年を楽しく迎えますが、そこで夫は若い男性から誘惑を受けます。帰ってくると自分が留守の間にレイマンの娘が石を投げられて負傷したことを知ったキャシーはレイマンに謝りに行きますが、彼は仕事も奪われたので町を去ることを告げ、夫から離婚を申し出されていたキャシーは彼の後を追うと言います。そして彼が乗った列車を駅で見送ったキャシーは子供たちと家路につくのでした。
 緑と青、そして赤の映画です。本来なら緑色ではないような壁や照明の笠などが見事な緑で、緑がないシーンには必ず青があり、レイマンとのシーンにだけ鮮やかな赤があります。その徹底ぶりは感動ものでした。テクニカラーのような美しい色彩を見たい方にはオススメです。