gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

パワーズ・オブ・テン

2009-09-23 13:22:00 | ノンジャンル
 月刊ソトコトで紹介されていた、フィリップおよびフィリス・モリソン、チャールズおよびレイ・イームズ共編著「POWERS OF TEN 宇宙・人間・素粒子をめぐる大きさの旅」を読みました。大きさをめぐる変わった本です。
 まず大きさに関する論考があり、その後、一辺が10の25乗メートルの写真が右ページに提示され、左ページにはその写真に関する説明や他の関連する写真が掲載されています。ページをめくると、今度は先程の写真の中心部が10倍に拡大されたページ(つまり一辺が10の24乗メートルの写真)が右ページに提示され、左ページにはその写真にまつわる説明や関連写真が掲載されています。これが次々に行われて行き、一辺が10の1乗メートルのところではシカゴの公園でピクニックしながら昼寝するカップルの写真になり、最後には10のマイナス16乗メートルの素粒子を超えた小ささにまでなります。その後に、大きさに関する様々な説明が掲載されています。
 勉強になったのは、動物は大きくなると体重は長さの3乗に比例して大きくなる一方、それを支える足裏の面積は長さの2乗に比例してしか増えず不安定になること、天体は大きくなると重力により球体になるしかなくなること、小さな天体は重力が小さいので山が巨大化すること、恒星は太陽のように単独で存在するのは稀で、たいてい連星であること、土星の輪には山のような大きな塊も含まれていて、それらが土星の回りを回転しながらぶつかっては削り合っていることでした。また、横方向に10km移動することは容易だが縦方向に10km移動することは生命の危機になるというのは、当たり前ながらも改めて納得させられたことでした。宇宙の段階では面白かったのですが、人体の中に入っていくと途端につまらなくなったのは惜しまれます。しかし宇宙や極小の世界に興味にある方にはオススメです。