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吉田修一『パレード』

2009-09-12 17:00:00 | ノンジャンル
 本「顰蹙文学カフェ」の中で山田詠美さんが好きだと言っていた、吉田修一さんの'02年作品「パレード」を読みました。5人の登場人物が順に語り手になる小説です。
 「杉本良介」は、東京で3人と部屋をシェアして暮らす大学生のぼくが、先輩の彼女と一夜を過ごした翌朝、自分を東京に出してくれた寿司屋の父と、応援して東京に送り出してくれた後交通事故死した同級生のことが頭に浮かび涙が止まらなくなった話。
 「大垣内琴美」は、3人と部屋をシェアしながら、売れつつあるタレントの恋人からの電話を待つだけの生活をしている私が、同居人が酔って連れてきた青年と時を過ごした話。
 「相馬未来」は、私が連れてきた18才の男娼・サトシをめぐる話など、様々なエピソード。
 「小窪サトシ」は、人の家に忍び込む趣味を持つオレが、良介にもらした一言で良介に習って大学受験の勉強を始める話。
 「伊原直輝」は、ジョギングの途中で今までと同じようにコンクリート片で通りすがりの女性の顔をつぶしているところをサトシに見つかり、俺が既に犯人であることを他の3人は知っていると告げられる話です。

 始めのうちは楽しく読めていましたが、最後のエピソードで一気に気持ちが冷めました。確かに面白い小説ではあるのですが、文学的すぎて私には付いていけない部分があったように思います。「文学」が好きな方にはオススメかも。