「未来賞2013~その二」
「未来1月号」に発表された2013年度の受賞者は ★済木ギニ ★服部真里子
今日は女性の受賞者・服部真里子さんについて書きます
服部真里子さんは既に第24回「歌壇賞」を受賞。黒瀬珂瀾氏に師事、横浜在住。
❤❤❤ 受賞作 「いつの日か君がなくしてしまうライター」 服部 真里子
眠たげなまぶたのごとき春の闇三人官女は右へ寄りつつ
どこをほっつき歩いているのかあのばかは虹のかたちのあいつの歯形
青空からそのまま降ってきたようなそれはキリンという管楽器
揚力は青いかがやき 恍惚と揚力をぬぎすてるよ鳶が
かたばみが葉をみな閉じて待っている声のかすれた夜明けの雨を
魚たちが眼をあけたまま寝ることをなぜ幾たびも言ったのだろう
朴の葉は手のひらに似て人々を包みこみゆくみどり ねむり
花殻をちらしてやまクスノキよ少年は語尾から大人びる
金貨ほどの灯(あかり)をのせているやがて君がなくしてしまうライター
こときれて真珠をこぼす首飾り春が終わるまで遊んでおいで
※ 以上は20首のなかから選考会で注目されたらしい10首を選びました。
★受賞のことば 服部真里子
「一年ほど前、「未来」が届くようになって思ったのは、ここはなんと実力のある人たちがあふれているかということでした。打ちのめされると同時に、こんなライバルたちと、本気で戦ってみたいという気持ちが湧いてきて、未来賞に応募しました。すばらしい賞とすばらしいライバルをありがとうございます。
真里子ちゃんのすばらしいライバルかしら。松井多絵子は。12月29日