えくぼ

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短歌スパイ

2013-12-05 14:44:27 | 歌う

            「短歌スパイ」

 ふだんは俳句を書いているが、最近、短歌を読む機会がふえた佐藤文香は若手の俳人、同人誌「里」に所属して選句をするなど活躍している。

❤ 海にくれば海の向こうに恋人がいるようにみな海を見ている  五島諭

 この若手歌人の五島諭の歌について佐藤文香は次のように書いている。「海に来れば」の「海」は、砂浜も海辺の国道もひっくるめ、空間・場としての海。「海の向こうに」の「海」は、目の前の海から続くすべての海、海という概念。「海に来れば」とはじまる個人の日記かと思いきや、
「みな」で踏み切って自分も被写体にまわるのがいい。

 五島諭の歌は散文的で、この一首の文香の解説は詩のような感じがする。俳句・短歌・自由詩は形式が異なっていても結局は詩なのだ。私は無意識にときどき俳句や詩歌に越境しているかもしれない。佐藤文香は、俳句はなにができるかを、もっと考えたい。当面は短歌スパイとして活動しようと思う、とのことである。以上は12月2日の朝日歌壇と俳壇のはざまの寸評である。

✿ 次の波すこし遠くの冬の海 (佐藤文香) この句を読んで私は「俳句スパイ」になる。

✾ 迫りくる佐藤文香の冬の波 (松井多絵子)

 佐藤文香さま 私は「俳句スパイ」になります。今週の日曜まで  12月5日 松井多絵子