「熔けるということ」
カジノで106億8000万円失った男、これは新聞の社会面の見出しではない。本の広告だ。
大王子製紙前会長・井川意高の懺悔録☁『熔ける』 タイトルは詩集を思わせる。が物騒な本だ。
☁ すべてを手にしていたはずの男はなぜ”カネの沼”にハマりこんだのか?
※ 著者の井川意高は東大に現役合格、大王製紙の赤字子会社を20代のとき立て直し42歳で社長に就任。恵まれたスタート。バラ色の人生。少々転んでも生活は安泰だったであろう。
☁ 実名50人~。大物女優、政財界人、国民的アイドルグループ、関東連合・・・華麗なる交録が今明かされる、、、。
ミーハーの松井多絵子を「これでもか、これでもか」と刺激する広告だ。著者の顔写真がないの
も謎をより深くする。家から徒歩12分の本屋で、まず立ち読みをしたいところだが、小さな本屋なので店員さんとは顔なじみ、このごろ立ち読みばかりしているので気がひける。定価1470円
まるで暴走族みたいな男の本を買うのもシャクだ。自分の大失敗を書いてベストセラーにしょうなんて、転んでもタダでは起きない図々しい男だ。しかしこの本が売れても売れても100億にはならないだろう。私が買っても彼の儲けは147円か。本屋に行っても買わないだろうな私は。
✿ 迷いつつ買わぬ『熔ける』という本の重みの残る右手の冷えて 松井多絵子