「旬の歌人たち」
昨日、12月7日の「山崎聡子歌集批評会」は楽しかった。いま歌壇で活躍している旬の歌人たち百数十人が集まったのだからミーハーの松井多絵子はウキウキ・ソワソワ。パネリストはすでに完熟の栗木京子・穂村弘・山中千瀬・小説家の山崎ナオコーラ、司会は「あの永井祐」
猛暑の8月に山崎聡子さんから頂いた『手のひらの花火』という歌集はわたしをヤル気にさせてくれた。「聡子」は転ぶことを恐れずジャンプしている。短歌で転んでもケガなんかしない。パネリストの評はかなりきびしかったが「聡子」は微笑みながら受け止めていた。この評についてはいずれ書くつもりだが、今日は各パネリストの採りあげた中から1首を記すことにする。
★栗木京子選
飛び込み台番号(7)のうえに立ち塩素の玉のきらめき見てる
★穂村弘選
排卵日小雨のように訪れて手帳のすみにたましいと書く
★山崎ナオコーラ
塩素剤くちに含んですぐに吐く。遊びなれてもすこしこわいね。
★山中千瀬
友達がぎこちなく振る両腕をすべて自分の一部と思う
3時間余の批評会の閉会の辞は「短歌研究社」の堀山和子編集長、流れるような閉会の辞を聞きながら、今年もまもなく去るのだなあと思った。黄葉の神宮外苑の日本青年館にて。
✾ 黄葉の夕べに消える歌人たち 松井多絵子 12月8日