寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

再び大爆発!武田火山(8)

2012年05月24日 09時03分17秒 | 日記
懇親会は工場から少し離れたいつもの居酒屋でした。
普通役員さんを迎えた飲み会はいかにも格式張った高級店が相場でした。
これを打破したのが鬼塚専務です(笑)
以前にもご紹介しましたが、この方は至って質素、庶民派でした。 「いらっしゃいませ♪」より「へいらっしゃい!!」
こんな感じがお気に入りです(笑)
懇親会の席を設ける工場側は費用持ちです。
経費が掛からずに安楽していられそうですが…(笑)

「おい、下田!」
「はい、」総務の下田課長が呼ばれました。
「今夜は誰が来るんだ」
「あ、はい…?」
「懇親会だよ!」
鬼塚専務は説明会が終わると役員室にドカリと腰を下ろします。
タバコを燻らしながら「はい…課長以上で12名ですが!」
夕方からの懇親会の参加メンバーを訊いていらっしゃるのでした。
「ふ~ん…」
プカリとタバコの煙を吐き出すと、
「ケチッてるな!」
じろりと下田課長を見ました。
「い、いえ!!そんなことありません!」
慌てて下田課長は手を振ります。
「だって前より少ないじゃん♪」
「前って…」
下田課長は絶句しました。
鬼塚専務のおっしゃる前とは役員塾でした。 「あれは、人が決まっていましたから…」そうは言ったものの下田課長は冷や汗をかいていました。

総務の課長など役員からみたらただの虫っけらです(苦笑)
本社に戻り総務部長に「S工場の総務はダメだ!」
たったこの一言で下田課長の運命は激変です。
安息としていた総務課長の地位は無くなり僻地の工場で、しかも現場の作業職に成り下がります。そして「鬼塚専務に嫌われたダメなヤツ」のレッテルを貼られて会社人生は終わります。(涙)

過去に何人も見ていることで、宮仕えとは所詮は上役の顔色を伺いながら泣いたり笑ったりの人生を送るのです(苦笑)

「じゃあ…」
言葉を繋ぎながら下田課長は考えました。

リストアップしたのはこの工場の課長以上でしたが、係長クラスまで遡っていかないと頭数 が足りません。
赤井や加藤…までいかなきゃあ…

下田課長はこんなこともあろうかと、係長クラスまでリストアップを考えていたのです。
「専務…係長クラスまでおじゃましてよろしいでしょうか?」
「おう!若い活きのいいヤツいたら越させろよ!」
実際鬼塚専務は若手が好きでした(笑)
「はい、じゃああと8人ほど入れます。」
「うむ…俺の知っているヤツいるか?」
「はい、M部門の技術の赤井係長はご存じでしょうか?」
「赤井…?」
「はい、M部門ですが…白い感じの真面目なタイプですが…」
「ああ…この辺りに耳たぶがあるヤツか!?」
鬼塚専務が顔の横に手を当てながらおっしゃった仕草が可笑しくて下田課長はつい笑ってしまいました。(笑)
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再び大爆発!武田火山(7)

2012年05月23日 09時01分15秒 | 日記
♪ 佐渡へ~佐渡えと~ 草木もなび~く♪

有名な佐渡おけさ♪の一節です♪
前回、加藤係長は新潟への転勤を申し付けられました…

さぞかし気落ちしていることでしょうね(苦笑)

こんな時親友とはいいものですね…
赤井が気を使って早速加藤と一杯の席を設けたのですが…

慰労会…追い出しコンパ、とは違いますね(笑)
憔悴(しょうすい)しきっている加藤に必要なのは温かい励ましか…それとも激励でしょうか?
赤井の場合は多少違いました。
愚痴をただ黙って訊く… ただそれだけですが、
なかなか出来ないことですが…

ちょうどそのころ、鬼塚専務がS工場にきていらっしゃいました♪
「方針説明会」
事業年度の始まりはまず役員さんが手分けして各地にある工場や営業所を回ります。
今年度の方向性を示すわけですが、
上手くいっている工場などは簡単に終わりますが、規模の大きい工場などは平役員ではなくて専務自らが足を運ぶのでした。

「お疲れさまです」
私は(久々に登場) 鬼塚専務をビックアップしてS工場まで行きました。
夕方、方針説明会も終わりました。
あとは゛懇親会"ですね…
工場の幹部や中堅社員と専務が懇親を図るのです。
だいたいこの鬼塚専務…(笑)
会議二時間、飲み会四時間!
これに二次会が又二時間(笑)
定番です(笑)

だから口の悪い輩(やから)など会議に来てるのか飲みに来てるのかわからん!
ボヤいてみても、そこは宮仕えの悲しさ…
指名された社員はみんな泣く泣くついていきます。
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再び大爆発!武田火山(六)

2012年05月22日 08時55分35秒 | 日記
苦虫を噛み潰した顔…
放っといてくれ(怒)
武田工場長は淡々としていました。
首をクルリと回すと腕組みを組み替えて
「来てもらったのは転勤の話だ」
厳かに、克つ淡々と口を開きました。
「…」
以外な内容に加藤は二の句もでません。
加藤の様子をしばらく見ていた武田工場長は気の毒そうに
「まぁ、びっくりしたのも無理はないわなぁ…」
腕組みは続けていましたが、
ゴソッとした感じの上着をまくり上げて
「新潟は行ったことないよな、」
「え!新潟ですか!!」
「ああ…」
武田工場長はうなずくと 「実は新潟から現場のできる技術を要請されていてなぁ」
言い訳みたいに聞こえるのは加藤のジレンマでしょうか…
「期間は三年、向こうの現場が固まり次第帰ってもらうつもりだ 」
固まったら… ?
じゃあ固まらなかったらどうなるの?
加藤は武田火山の目を見据えました。
この人の真意はどこにあるんだろうか?
「どや…」
どやも、ヘチマもあるもんか(怒)
加藤は気落ちしながらも怒りがフツフツと沸き上がっていました。
「なぁ…加藤…転勤は初めてやから気落ちするのはわかるがワシみたいに何回もしていると慣れてしまうし単身もええものだよ♪♪」武田工場長は若い日から振り替えってみると大半が赴任先で過ごしていました。

単身か…?
小学生二人に女房、
とても気楽に単身も…とは思えません!

「行かないと、どうなるんでしょうか?」
加藤はおそるおそる訊きます~
「う~ん」
少し考えて武田工場長は「辞令は業務命令だからなぁ」知ってるだろ…そんな感じで
武田工場長は加藤を見ました。
「いつからですか?」加藤も負けていません
「向こうも急いでいるみたいだし来月くらいには行かないとだめだろうなぁ…」
「来月?」
「ああ…」
それっきり言葉は交わされませんでした。
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再び大爆発!武田火山(5)

2012年05月21日 07時13分40秒 | 日記
ある日の昼過ぎです。
武田工場長に呼び出された談話室には加藤係長はいました。

20平米のダダッ広い部屋に武田工場長と向かい合っています。

さぁ~ どこからでもこいよ!(ヤケクソ)
加藤は身構えながら考えてみました。
只野が部長になる…噂を耳にしていたからです。
加藤と只野は僅か二歳しか違いません。
只野が部長なら俺や赤井(加藤と同期でした…)だって少なくとも課長だろう♪
課長になれば管理職だ(嬉々)、女房にも威張れるぞ(微笑)
う~ん…三十代で課長か…(笑)
加藤の顔は知らず知らずニヤけていました。
うん?待てよ…赤井はひょっとしたらダメかもな…
あいつはあの年で独身者だから、管理職に選ばれないかも…
う~ん…俺だけ課長だなんて…困ったぞ!
その時は赤井の奴を慰めてやらなきゃあならないぞ…
…… う~ん!やけ酒の相手か

加藤は喜んだり嘆いたり…と独り身体をよじっていました。((笑))

「ゴホン、…」
そんな加藤の妄想を絶つようにひとつ咳払いをして武田工場長が座り直していました。

「実は…」
「は、はい!」
返事をして加藤は我に返りました(苦笑)

「…」
口を開いた武田工場長はそのあと又口をつぐみます。
「…」
面と向かった大の大人は再び無言になりました。
おいおい…どうしたんだよ~
加藤は煮えきらない武田工場長に少し不安になりました。

そうか!只野が部長でも俺たちの職制が上がるとは限らないぞ~ 課長も沢山いるからなぁ…
職制は定数制になっています。
つまり余分な職制を作らないための制約がありました。
「う~ん…」
今度は加藤が唸りました。 「う~ん…」
武田工場長も唸ります(笑)
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再び大爆発!武田火山(4)

2012年05月18日 08時23分20秒 | 日記
武田工場長と加藤君が歩いています。
省エネが徹底している工場で特に廊下などの昭明は落としてありました。
薄暗い廊下を武田工場長の後をとぼとぼ進みます。 まるで刑場に引き立てられる罪人の気分です♪
工場長の部屋を越えてあるのは談話室です♪ 名前からすると雑談を交えて歓談するイメージですが、不便な場所で現在この部屋はほとんど使われていません。
それだけに、何故こんな部屋に呼ばれるんだろうか?
談話室の前まで来て武田工場長はピタリと止まりました 。
ゆっくり振り返ると
「部屋が空いてないから…」
ここを使うということですが…
言葉に重苦しさを感じます。
「はい、」
いつもより緊張が走りました。

部屋は20平米くらいで、二人で向き合って座ると妙に気恥ずかしさがあります。

「ゴホン!」
ひとつ空咳をして武田工場長が座ります。

それを見て机を挟んで加藤が座りました。
それを待って武田工場長が口を開きました。
「こんなところまで来てもらってなんだけど…」
上着の裾を治す仕草をしてきりだしました。武田工場長一流の照れ隠しです。

さあ、何でも言ってくれ!!
加藤はじっと武田工場長の顔を睨み付けます。
「実は…」
これが武田工場長の癖でしょうか…
ちょうど加藤のうしろのカレンダーに話しかけているように見えます。
視線を合わせないのか常でした。
それに慣れているはずですが、固唾を飲んで加藤は次の言葉を待ちました。
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