産経新聞社とFNNが実施した世論調査で、次の首相に小泉進次郎農林水産相が一番ふさわしいと答えた人が一番多かったそうだ。備蓄米の随意契約で「大成功」し、パフォーマンスを連日繰り返す姿が受けたのであろう。確かにこの点はいい仕事だった。しかし、そもそもは自民党の失政というべきであり、農水省ならばそれに対する反省の態度をしっかりと見せなければいけないし、もっと大切なこの米の騒動がなぜ起こったのかを冷静に分析する必要性を強く訴えるほうが先であろう。
そもそも、小泉氏の無能ぶりはこれまではっきりと見て取れた。自民党総裁選での失速はそれが原因だった。農政は小泉氏にとって得意分野であるので、力を発揮しているのだろうが、それとてパフォーマンスで終わってしまうのではないかと危惧する。本当に必要な改革には冷静な分析が必要なのであり、その分析結果を理解する能力がこの人にあるのか疑問である。父親と同じように、結果としてアメリカが得をするような改革をしてしまうだけなのではないかと心配する。
それにしても近年の政治はパッとでの政治家がネットで一気に盛り上がるケースが目立つ。都知事選に立候補した石丸氏、斎藤兵庫県知事、国民民主党の玉木氏、彼らはパッと盛り上がるが、続かないではないか。今回のお米の騒動だって、ネットが盛り上がり煽り立てるから過度の品不足になったのではなかろうか。各家庭が家に「備蓄」している状態を作り上げてしまったのではないだろうか。
ここにはネット社会の弊害があるのではないだろうか。もっと冷静に物事を見るようにしないと、日本にもトランプが生まれるだろうし、それは日本人をも分断していく。政治は冷静な議論と、確かな分析によって行われるものであり、努力している政治家に担ってほしいと感じている。ネット世論に流されることなく国民の声に耳を傾け、真の意味でのリーダーシップを発揮できる人材を育てる必要があるのではないだろうか。