
今期のドラマも最終盤に差し掛かっています。今期のドラマで一番よかったのはなんと言っても『対岸の家事』です。近年まれにみる名作です。
主婦としての生き方にこだわりを持つ主人公を多部未華子が演じます。自分の生き方を貫き通そうとする意志が魅力的です。その背景には、少女時代に母親が死に、それを父親のせいだと考えてしまっていることがあるようです。その夫は一ノ瀬ワタルが演じます。居酒屋の店長として、なんとか家族を支えようと必死です。この夫婦の関係も時にはゆれながらドラマが進行します。
アパートの隣の部屋には共働きの夫婦が住んでいます。妻は子育てを夫から丸投げされ、せっかく仕事で自分の地位を確立したかったのに、それができなく悔しい思いをしています。その妻を江口のりこが演じます。妻は毎日困難を抱えながらも、自分の生き方を模索します。妻同志は協力し合い、励まし合いながら子育てを続けます。
近所に小さい子供のいるもうひと家族がいます。この家族は夫が主夫をしています。夫は官僚なのですが、実は妻が忙しく、自分が育休をとらなければはいけなくなり、いやいや子育てをしています。いわゆるアスペルガー傾向の強い男性で、人付き合いは得意ではありません。この男をディーン・フジオカが演じます。
ドラマは登場人物たちが困難にぶつかりながら、その困難を克服していく姿を描いていきます。その困難は誰もが経験するようなリアリティのあるものです。だからこそ深刻です。それをお互いが理解し、協力し合い、解決していこうとする姿は感動的です。
このドラマは日常の生活に潜む課題を浮き彫りにし、その中で悩みながら前に進む姿を丁寧に描いています。とてもすばらしいドラマでした。
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