とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

映画評『グリーンブック』

2019-03-13 07:47:54 | 映画
監督 ピーター・ファレリー
キャスト ビゴ・モーテンセントニー マハーシャラ・アリドクター リンダ・カーデリニ

 アカデミー作品賞受賞の『グリーンブック』を見ました。人種差別をテーマにした映画ですが、白人のほうが乱暴で貧乏であり、黒人のほうが裕福で気品があるというように、従来の作品と立場が倒錯しています。ステレオタイプの人種差別映画ではないために、あらたな視点を見る人に与えてくれます。エンターテイメントの要素の強い作品で肩が凝ることはないのですが、社会的な問題を見事に描いています。いい映画です。

 主人公は貧乏で暴力的な、そして黒人差別するイタリア系男性。その男が暴力によって仕事を失い、あらたに見つけた仕事がクラシックピアニストの運転手。しかしそのピアニストは黒人だった。ピアニストはアメリカ南部を演奏旅行するために運転手をやとったのだ。しかし当時のアメリカ南部は黒人差別が根強くのこっており、主人公は用心棒的な役割も果たさざるを得ない。主人公とピアニストは最初は大きな壁があったが、最後には友情を得ることになる。

 つらい思いをすることがわかっていながら黒人ピアニストは南部を旅をします。そこにピアニストの強い意志があります。ピアニストは感情的になることなく、屈辱に耐えながら自己の信念を貫き通そうとします。その姿に見るものは心を打たれます。同様に主人公もピアニストを尊敬するようになります。人間の生き方という面でも学ぶところの多い映画でした。
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