まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

大学教員の勝ち組/負け組

2014-02-24 22:45:00 | お仕事のオキテ
一昔前に 「勝ち組/負け組」 という言葉が流行りました。

2010年に書いたブログ記事のなかでその言葉を使ったことがあります。

その頃だったかもっと前から使っていたか記憶がないのですが、

私は大学教員にも勝ち組と負け組があるなあと思ってよくそういう言い方をしています。

ただし、私の使う 「勝ち組/負け組」 は通常の意味とはちょっとズレているかもしれません。

職場には大きく分けて2種類のタイプがいます。

仕事を任されるとちゃんとこなすことができて、そのおかげでさらに次の仕事が舞い込んでくる人。

その逆に、仕事を振られてもやろうとしないか、やってもうまくできなくて問題を起こし、

それゆえその後しだいに仕事を振られること自体がなくなっていく人。

フツーの職場だと前者のタイプはどんどん出世していき、

後者のタイプは閑職に追いやられるか、下手をするとリストラされてしまいますので、

前者が勝ち組、後者が負け組となります。

ところが大学という組織ではちょっと事情が変わってきます。

以前にちらっと書いたことがありますが、大学の教員には大きく分けて4つの仕事があります。

研究、教育、大学運営の雑務、地域貢献のための事業の4つです。

そしてこれも書いたことがありますが、大学の教員は大学教員になりたかったわけではなく、

ただ研究者になりたかっただけなので、

大学教員の4つの仕事のうち、研究だけはみんな好きですが、

残りの3つを積極的にやりたいと思っていたり、

それらを十分にこなせるだけの適性をもっている人はほとんど皆無なのです。

するとどうなるか。

けっきょくどんぐりの背比べなんですが、研究以外の3つの仕事に関しては、

特にやりたいわけではないけれど何とか最低限のことはこなせる人と、

そういうことをまったくやりたがらないしやってもできない人という2種類に分かれることになります。

前者の人にはあとからあとから仕事が舞い込んできます。

後者の人は仕事を振られること自体がなくなっていきます。

そして、大学の面白いところはこの2種類のタイプが平等に遇されるということです。

下手すると、後者のタイプのほうが研究に専念できますので、

業績を早く積むことができ早く出世できるということもありえます。

(その場合の出世とは早く教授になるというくらいで、

 学部長とか学長になれるのは前者のタイプだけですが…)

というわけで私は、仕事をこなせてどんどん仕事を任されてしまう人たちのことを 「負け組」 と、

仕事をしないし仕事ができなくて仕事を振られなくなる人たちのことを 「勝ち組」 と呼んでいます。

勝ち組の人たちは優雅です。

あちこちで問題が発生していてもまったく意に介することがありませんし、

誰になんと噂されようが気にも留めません。

負け組の人たちは人に迷惑をかけてはいけないという最低限の責任感をもっているので、

けっきょく勝ち組の人たちの尻拭いもすることになり、

ただでさえ忙しいのにさらに多忙化していきます。

かくして勝ち組と負け組の格差はどんどん開いていきます。

やはり負け組は生きていくのがツライので、できることなら勝ち組に入りたいものです。

いろいろとやらかしてしまうことの多い私は (あれこれや)、

完全に勝ち組に属しているだろうと思われるかもしれませんが、

意外とこう見えて負け組なんです (けっきょく相対評価にすぎませんから)。

さて、年度末が近づいてきてそろそろまた新学期からの委員会体制が発表される頃です。

この時期になると負け組の人たちの心の叫びがあちこちから聞こえてきます。

「早く勝ち組になりた~い!」


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