まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.大学の先生ってお休みはあるんですか?

2015-10-07 17:58:25 | お仕事のオキテ
「Q.休みの日は何をして過ごすんですか?」 という質問をいただきました。
これは前期の相馬の看護学校でももらっていた質問ですが、ずっと答えていませんでした。
というのも、相馬ではこんな質問ももらっていたのです。
「Q.大学の先生ってお休みはあるんですか?」
休みの日は何をして過ごすかの前にまずはこちらにお答えしておく必要がありますが、
これが簡単そうで意外と答えにくい質問だったため、
これにどう答えようか悩んでいるうちに今に至ってしまいました。
今日はまずこの問いにお答えしてみることにしましょう。

もちろん大学の先生にもお休みがないわけはないので、
フツーに 「A.ありますよ」 とお答えすればいいのでしょうけれど、
改めて聞かれてみると、ホントに休みなんてあったっけという気がしてきて、
ちょっと逡巡してしまうのです。
例えば、この週末は学会出張に行ってきました。
これはお休みではありません。
事務上は休日出勤という扱いになりますので、
この土日の分はウィークデーのどこかで代休を取らなきゃいけません。
しかし、いつ代休を取ればいいのでしょう?
この後期は月曜日から金曜日まで毎日授業が入っていますから、
代休を取りたくても休める日がないのです。
ということはこの週末は休みではなかったし、その分の休みも取れそうにないということになりますね。

それから私は月に1回 「てつがくカフェ@ふくしま」 を週末に開催しています。
これは事務的には休日出勤とはみなされず、この日は休んでいたとみなされます。
しかし、これははたしてお休みだったのでしょうか?
おかげさまで私はてつカフェの間はとてもリラックスして楽しい時間を過ごしていますので、
個人的にはこれが休日扱いでも特に何の不満もないのですが、
しかし私はこのてつカフェを実施するということを目的として科研費を頂いています。
つまりてつカフェは私にとってはれっきとした研究活動の一環であり、
かつ地域貢献の仕事でもあるわけです。
「Q.倫理学者ってどうゆうことをする職業なんですか?」 という質問にお答えしたときに、
大学教員には、教育、研究、大学運営、地域貢献という4つの仕事があると書いたことがありますが、
てつカフェはそのうちの2つを同時に行っているわけですから、
それはやっぱり休んでいたというよりは、仕事をしていたとカウントするべきなんでしょう。

そもそも大学教員にとってウィークデーは、
教育 (=授業) と大学運営 (=会議) の仕事でほぼ埋め尽くされてしまいますから、
本来一番やりたかったはずの研究の仕事をウィークデーに行うことは至難の業です。
となると必然的に研究はウィークエンドにやらざるをえなくなります。
それをいちいち休日出勤として届け出たりはしませんが、
そのウィークエンドははたしてお休みであったと言えるのでしょうか?
ね?
お休みはあるのかないのか、なかなか難しい問題でしょ。

さらに今回、素直な看護学生の皆さんからはとりたてて聞かれているわけではありませんが、
家族とか意地の悪い友人とかからよく質問というか揶揄として、
「Q.学校の先生って夏休みとか春休みとか長くっていいですよね。
 その間何やってるんですか?」 なんて聞かれたりします。
これは大学教員に限った話ではなく、小中高も含めて教師にはつきものの質問でしょう。
これを聞くときの人々の嫉妬と糾弾に満ちた表情には本当にうんざりさせられますが、
これには私はこう答えるようにしています。
「夏休みなど長期休業期間に休みなのは学生たちだけであって、大学はフツーに営業しています。
 授業がないというだけで、研究と大学運営と地域貢献の仕事はいつも通り、
 というか授業がない分、いつも以上にやっていたりします。
 教育の仕事も何もなくなるわけではなく、ふだんは授業をやるのに追われっぱなしなので、
 新しい授業の構想を練ったりネタを仕込んだりする仕事を夏休みにやっています。
 プレゼンの準備をしないとプレゼンはできないと思いますが、
 ふだんはプレゼンに次ぐプレゼンに追われているので、
 プレゼン準備は授業のない休み期間にやるしかないのです。」
というわけで、長期休業期間中もまるっきりお休みになるというわけではないのです。

それでも福島大学に赴任してきた最初の頃は、
がっつり休みを取って海外旅行に行ったりする余裕もありました。
ハワイでゴルフ三昧とかね。
それが年々多忙化が進んできて、ドカーンと休みを取るなんていうことは本当に難しくなってきました。
というわけで週末であれ長期休業期間中であれ、なかなかちゃんと休めないというのが実情なのです。
もちろん今日はちょっと誇張して書いたところもあるので、
お休みがまったくないわけではありませんが、
少なくとも大学教員という仕事をやっていると暦どおりに休みを取るということはできませんし、
長期休業期間中も皆さんが思っているほど休めているわけではないのです。
今回のお答えは以下のようにまとめておくことにしましょう。

A.大学教員にもいちおうお休みはありますが、
  きちんと休める休日というのは1年のうちでそれほどないかもしれません。
  ウィークデーはほとんど教育 (=授業) と大学運営 (=会議) に追われており、
  研究と地域貢献の仕事をお休みの日にやっていることが多いです。

これを踏まえて次回は 「Q.休みの日は何をして過ごすんですか?」 という質問に
お答えしていくことにいたしましょう。

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