まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

放射線被ばくを健康への権利と教育から考えるシンポジウム

2014-03-13 12:45:48 | グローバル・エシックス
いよいよ 「てつカフェ特別編4」 が明後日に迫ってまいりましたが、

その翌週、3月21日 (金) にはアナンド・グローバー氏の来日記念シンポジウムが開催されます。



昨年の5月に国連人権理事会が福島第一原発事故への対応に関する勧告を出しましたが、

その調査と報告の先頭に立っていたのがアナンド・グローバー氏でした。

グローバー勧告には以下のような内容が含まれていました。


「グローバー勧告 (一部抜粋)

77. 原発事故の影響を受けた人々に対する健康調査について,特別報告者は日本政府に対し以下の勧告を実施するよう求める。

(a) 全般的・包括的な検査方法を長期間実施するとともに,必要な場合は適切な処置・治療を行うことを通じて,放射能の健康影響を継続的にモニタリングすること

(b) 1mSv以上の地域に居住する人々に対し,健康管理調査を実施すること

(d) 「基本調査」には,個人の健康状態に関する情報と,被ばくの健康影響を悪化させる要素を含めて調査がされるようにすること

(e) 子どもの健康調査は甲状腺検査に限らず実施し,血液・尿検査を含むすべての健康影響に関する調査に拡大すること

(g) 個人情報を保護しつつも,検査結果に関わる情報への子どもと親のアクセスを容易なものにすること

(h) ホールボディカウンターによる内部被ばく検査対象を限定することなく,住民,避難者,福島県外の住民等影響を受けるすべての人口に対して実施すること

78. 特別報告者は,日本政府に対し,放射線量に関連する政策・情報提供に関し,以下の勧告を実施するよう求める。

(a) 避難地域・公衆の被ばく限度に関する国としての計画を,科学的な証拠に基づき,リスク対経済効果の立場ではなく,人権に基礎をおいて策定し,公衆の被ばくを年間1mSv以下に低減するようにすること

(b) 放射線の危険性と,子どもは被ばくに対して特に脆弱な立場にある事実について,学校教材等で正確な情報を提供すること

81. 補償や救済措置について,特別報告者は日本政府に対し以下の勧告を実施するよう求める。

(a) 「子ども被災者支援法」の基本計画を,影響を受けた住民の参加を確保して策定すること

(c) 原発事故と被ばくの影響により生じた可能性のある健康影響について,無料の健康診断と治療を提供すること」


きわめて真っ当な当たり前の要求が並んでいますが、

残念ながらこれらの勧告はほとんど顧みられることなく現在に至っています。

その状況に業を煮やした特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウがグローバー氏を招聘し、

わが福島大学放射線副読本研究会がそれと共催する形で今回のシンポジウムが実現しました。

平日の開催というのが誠に申しわけないのですが、

ぜひ多くの皆さまのご来場をお待ち申し上げております。

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1 コメント

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春分の日? (まさおさま)
2014-03-17 08:05:16
あ、21日って平日じゃなくて祝日なんだ。
だったらみんな参加可能ですね。
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