中日新聞の「くらしの作文」に「おひとりさまになる」というタイトルで、75歳の男性が投稿されていました。
本当のひとり人生が始まりました。
今から思えば、妻の最後の入院時、妻は「お掃除ロボットを買え」と、それはうるさく私の顔を見るたびに言いました。
おそらく掃除嫌いの旦那を見越して?
妻が自宅へ戻ってしばらくして、渋々お掃除ロボットを購入しました。
とりあえず、妻のベッドの周りをお掃除徘徊させました。
安心したのか、その五日後に妻はあっけなく旅立ちました。
料理は若い頃の仕事柄、嫌いじゃないし、大丈夫。
洗濯は洗濯機任せで、干して取り込むだけで、大丈夫。
掃除は、くだんのロボットが私の居住圏を綺麗にしてくれ、気が付けば充電器に帰着しています。賢い!
これですべて大丈夫。
ところがどっこい、落とし穴が。
エプロンがほつれてしまって、さあ裁縫が・・・。
これがなかなかできません。
糸が通らない、縫い方が分からない。
悪戦苦闘、あまりにひどい出来に、妻がいないということは、こういうことかと思い知りました。
今日もひとりの一日が終わり、ほほ笑んでいる妻の写真に、今日あったことを語りかけます。
「わたし、戻ろうか?」と妻が言ったように感じ「おやすみ」と返して灯りを消しました。
以上です。
>悪戦苦闘、あまりにひどい出来に、妻がいないということは、こういうことかと思い知りました。
なんでも出来るご主人も奥様の大切さを実感されたようで。
>「わたし、戻ろうか?」と妻が言ったように感じ
切ないですね。
私はこのような思いをしたくないので、かみさんより1日でも早く死にたいです。
大橋純子 シルエット・ロマンス