中日新聞の「気まぐれ定年塾」というコーナーに「三度の食事」というタイトルで、西田小夜子さんが投稿されていました。
無口な稔さんは結婚当初、妻に合わせてしゃべったが、しだいにめんどくさくなってきた。
夫婦なんだから、黙ってたって通じる。
女のおしゃべりはくだらない。
年を重ねるうち「男は無口でいいんだ。うるさい女房は黙らせるに限るよ」と気楽に暮らした。
やがて夫婦は70代に入る。
妻はめし作りが重荷になってきたらしいが、女の仕事じゃないか。
稔さんは朝七時、昼は十二時、夜は六時と正確に三度、ごはんを食べる。
「いただきます」と「ごちそうさま」だけはきちんと言う。
腹いっぱい食べ終わると二階に行き、
ゆったりとソファで横になった。
外出はほとんどしない。
新聞は朝刊と夕刊を隅まで読むのが好きだった。
面白いテレビを見ているうち眠くなってくるのも気持ちいい。
ある日、妻がドカドカと大きな足音を立て二階にやって来た。
古びたソファにだらしなく寝そべっている稔さんを見下ろす。
稔さんは妻が巨人に見え、あわてて起き上がった。
「あのさあ、私たち75歳よ。
定年後、十年以上もすぎたのに、いつまで私はあなたのごはん作り続けるの。
食料品の買い物も食器洗いも洗濯も全部女の仕事だなんて、決めつけないでよね。
毎日食べてテレビを見て寝るだけ。
あなたの形にへこんだソファを見るとムカッとする。
明日から三度の食事は勝手に食べましょう。
私の友達はみんなそうしてます。」
稔さんは怖くなって震えた。
以上です。
先日 かみさんが「この記事を読んだら」と推奨してきました。
きっとかみさんは、私のことをこの物語の稔さんのように思っているのかもしれませんね。(苦笑)
>明日から三度の食事は勝手に食べましょう。
私はかみさんの気に入るような食事は作れないです。
ですから、私の方からかみさんに「三度の食事は、お互い勝手に食べよう。」と提案しています。
そう言うと、かみさんが「お金がかかり過ぎる」と拒否されます。
どうしてもかみさんは、私に作らせたいようです。(苦笑)
色づく街 南沙織 1991
無口な稔さんは結婚当初、妻に合わせてしゃべったが、しだいにめんどくさくなってきた。
夫婦なんだから、黙ってたって通じる。
女のおしゃべりはくだらない。
年を重ねるうち「男は無口でいいんだ。うるさい女房は黙らせるに限るよ」と気楽に暮らした。
やがて夫婦は70代に入る。
妻はめし作りが重荷になってきたらしいが、女の仕事じゃないか。
稔さんは朝七時、昼は十二時、夜は六時と正確に三度、ごはんを食べる。
「いただきます」と「ごちそうさま」だけはきちんと言う。
腹いっぱい食べ終わると二階に行き、
ゆったりとソファで横になった。
外出はほとんどしない。
新聞は朝刊と夕刊を隅まで読むのが好きだった。
面白いテレビを見ているうち眠くなってくるのも気持ちいい。
ある日、妻がドカドカと大きな足音を立て二階にやって来た。
古びたソファにだらしなく寝そべっている稔さんを見下ろす。
稔さんは妻が巨人に見え、あわてて起き上がった。
「あのさあ、私たち75歳よ。
定年後、十年以上もすぎたのに、いつまで私はあなたのごはん作り続けるの。
食料品の買い物も食器洗いも洗濯も全部女の仕事だなんて、決めつけないでよね。
毎日食べてテレビを見て寝るだけ。
あなたの形にへこんだソファを見るとムカッとする。
明日から三度の食事は勝手に食べましょう。
私の友達はみんなそうしてます。」
稔さんは怖くなって震えた。
以上です。
先日 かみさんが「この記事を読んだら」と推奨してきました。
きっとかみさんは、私のことをこの物語の稔さんのように思っているのかもしれませんね。(苦笑)
>明日から三度の食事は勝手に食べましょう。
私はかみさんの気に入るような食事は作れないです。
ですから、私の方からかみさんに「三度の食事は、お互い勝手に食べよう。」と提案しています。
そう言うと、かみさんが「お金がかかり過ぎる」と拒否されます。
どうしてもかみさんは、私に作らせたいようです。(苦笑)
色づく街 南沙織 1991