がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

自殺対策基本法(平成十八年六月二十一日法律第八十五号)

2008年02月04日 | Weblog
2008年02月04日 11時18分記載

第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、近年、我が国において自殺による死亡者数が高い水準で推移していることにかんがみ、自殺対策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、自殺対策の基本となる事項を定めること等により、自殺対策を総合的に推進して、自殺の防止を図り、あわせて自殺者の親族等に対する支援の充実を図り、もって国民が健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。


(基本理念)
第二条  自殺対策は、自殺が個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく、その背景に様々な社会的な要因があることを踏まえ、社会的な取組として実施されなければならない。
2  自殺対策は、自殺が多様かつ複合的な原因及び背景を有するものであることを踏まえ、単に精神保健的観点からのみならず、自殺の実態に即して実施されるようにしなければならない。
3  自殺対策は、自殺の事前予防、自殺発生の危機への対応及び自殺が発生した後又は自殺が未遂に終わった後の事後対応の各段階に応じた効果的な施策として実施されなければならない。
4  自殺対策は、国、地方公共団体、医療機関、事業主、学校、自殺の防止等に関する活動を行う民間の団体その他の関係する者の相互の密接な連携の下に実施されなければならない。


(国の責務)
第三条  国は、前条の基本理念(次条において「基本理念」という。)にのっとり、自殺対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。


(地方公共団体の責務)
第四条  地方公共団体は、基本理念にのっとり、自殺対策について、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。


(事業主の責務)
第五条  事業主は、国及び地方公共団体が実施する自殺対策に協力するとともに、その雇用する労働者の心の健康の保持を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。


(国民の責務)
第六条  国民は、自殺対策の重要性に対する関心と理解を深めるよう努めるものとする。


(名誉及び生活の平穏への配慮)
第七条  自殺対策の実施に当たっては、自殺者及び自殺未遂者並びにそれらの者の親族等の名誉及び生活の平穏に十分配慮し、いやしくもこれらを不当に侵害することのないようにしなければならない。


(施策の大綱)
第八条  政府は、政府が推進すべき自殺対策の指針として、基本的かつ総合的な自殺対策の大綱を定めなければならない。


(法制上の措置等)
第九条  政府は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。


(年次報告)
第十条  政府は、毎年、国会に、我が国における自殺の概要及び政府が講じた自殺対策の実施の状況に関する報告書を提出しなければならない。
   第二章 基本的施策



(調査研究の推進等)
第十一条  国及び地方公共団体は、自殺の防止等に関し、調査研究を推進し、並びに情報の収集、整理、分析及び提供を行うものとする。
2  国は、前項の施策の効果的かつ効率的な実施に資するための体制の整備を行うものとする。


(国民の理解の増進)
第十二条  国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動等を通じて、自殺の防止等に関する国民の理解を深めるよう必要な施策を講ずるものとする。


(人材の確保等)
第十三条  国及び地方公共団体は、自殺の防止等に関する人材の確保、養成及び資質の向上に必要な施策を講ずるものとする。


(心の健康の保持に係る体制の整備)
第十四条  国及び地方公共団体は、職域、学校、地域等における国民の心の健康の保持に係る体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。


(医療提供体制の整備)
第十五条  国及び地方公共団体は、心の健康の保持に支障を生じていることにより自殺のおそれがある者に対し必要な医療が早期かつ適切に提供されるよう、精神疾患を有する者が精神保健に関して学識経験を有する医師(以下この条において「精神科医」という。)の診療を受けやすい環境の整備、身体の傷害又は疾病についての診療の初期の段階における当該診療を行う医師と精神科医との適切な連携の確保、救急医療を行う医師と精神科医との適切な連携の確保等必要な施策を講ずるものとする。


(自殺発生回避のための体制の整備等)
第十六条  国及び地方公共団体は、自殺をする危険性が高い者を早期に発見し、相談その他の自殺の発生を回避するための適切な対処を行う体制の整備及び充実に必要な施策を講ずるものとする。


(自殺未遂者に対する支援)
第十七条  国及び地方公共団体は、自殺未遂者が再び自殺を図ることのないよう、自殺未遂者に対する適切な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。


(自殺者の親族等に対する支援)
第十八条  国及び地方公共団体は、自殺又は自殺未遂が自殺者又は自殺未遂者の親族等に及ぼす深刻な心理的影響が緩和されるよう、当該親族等に対する適切な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。


(民間団体の活動に対する支援)
第十九条  国及び地方公共団体は、民間の団体が行う自殺の防止等に関する活動を支援するために必要な施策を講ずるものとする。
   第三章 自殺総合対策会議



(設置及び所掌事務)
第二十条  内閣府に、特別の機関として、自殺総合対策会議(以下「会議」という。)を置く。
2  会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一  第八条の大綱の案を作成すること。
二  自殺対策について必要な関係行政機関相互の調整をすること。
三  前二号に掲げるもののほか、自殺対策に関する重要事項について審議し、及び自殺対策の実施を推進すること。


(組織等)
第二十一条  会議は、会長及び委員をもって組織する。
2  会長は、内閣官房長官をもって充てる。
3  委員は、内閣官房長官以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者をもって充てる。
4  会議に、幹事を置く。
5  幹事は、関係行政機関の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。
6  幹事は、会議の所掌事務について、会長及び委員を助ける。
7  前各項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。



がん対策基本法(平成十八年六月二十三日法律第九十八号)

2008年02月04日 | Weblog
2008年02月04日 11時11分記載

第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、我が国のがん対策がこれまでの取組により進展し、成果を収めてきたものの、なお、がんが国民の疾病による死亡の最大の原因となっている等がんが国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状にかんがみ、がん対策の一層の充実を図るため、がん対策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、医療保険者、国民及び医師等の責務を明らかにし、並びにがん対策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、がん対策の基本となる事項を定めることにより、がん対策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。


(基本理念)
第二条  がん対策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。
一  がんの克服を目指し、がんに関する専門的、学際的又は総合的な研究を推進するとともに、がんの予防、診断、治療等に係る技術の向上その他の研究等の成果を普及し、活用し、及び発展させること。
二  がん患者がその居住する地域にかかわらず等しく科学的知見に基づく適切ながんに係る医療(以下「がん医療」という。)を受けることができるようにすること。
三  がん患者の置かれている状況に応じ、本人の意向を十分尊重してがんの治療方法等が選択されるようがん医療を提供する体制の整備がなされること。


(国の責務)
第三条  国は、前条の基本理念(次条において「基本理念」という。)にのっとり、がん対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。


(地方公共団体の責務)
第四条  地方公共団体は、基本理念にのっとり、がん対策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。


(医療保険者の責務)
第五条  医療保険者(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第七条第七項に規定する医療保険者をいう。)は、国及び地方公共団体が講ずるがんの予防に関する啓発及び知識の普及、がん検診に関する普及啓発等の施策に協力するよう努めなければならない。


(国民の責務)
第六条  国民は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、必要に応じ、がん検診を受けるよう努めなければならない。


(医師等の責務)
第七条  医師その他の医療関係者は、国及び地方公共団体が講ずるがん対策に協力し、がんの予防に寄与するよう努めるとともに、がん患者の置かれている状況を深く認識し、良質かつ適切ながん医療を行うよう努めなければならない。


(法制上の措置等)
第八条  政府は、がん対策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
   第二章 がん対策推進基本計画等



(がん対策推進基本計画)
第九条  政府は、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の推進に関する基本的な計画(以下「がん対策推進基本計画」という。)を策定しなければならない。
2  がん対策推進基本計画に定める施策については、原則として、当該施策の具体的な目標及びその達成の時期を定めるものとする。
3  厚生労働大臣は、がん対策推進基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4  厚生労働大臣は、がん対策推進基本計画の案を作成しようとするときは、関係行政機関の長と協議するとともに、がん対策推進協議会の意見を聴くものとする。
5  政府は、がん対策推進基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。
6  政府は、適時に、第二項の規定により定める目標の達成状況を調査し、その結果をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。
7  政府は、がん医療に関する状況の変化を勘案し、及びがん対策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも五年ごとに、がん対策推進基本計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。
8  第三項から第五項までの規定は、がん対策推進基本計画の変更について準用する。


(関係行政機関への要請)
第十条  厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対して、がん対策推進基本計画の策定のための資料の提出又はがん対策推進基本計画において定められた施策であって当該行政機関の所管に係るものの実施について、必要な要請をすることができる。


(都道府県がん対策推進計画)
第十一条  都道府県は、がん対策推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県におけるがん患者に対するがん医療の提供の状況等を踏まえ、当該都道府県におけるがん対策の推進に関する計画(以下「都道府県がん対策推進計画」という。)を策定しなければならない。
2  都道府県がん対策推進計画は、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の四第一項に規定する医療計画、健康増進法(平成十四年法律第百三号)第八条第一項に規定する都道府県健康増進計画、介護保険法第百十八条第一項に規定する都道府県介護保険事業支援計画その他の法令の規定による計画であって保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
3  都道府県は、都道府県がん対策推進計画を策定したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
4  都道府県は、当該都道府県におけるがん医療に関する状況の変化を勘案し、及び当該都道府県におけるがん対策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも五年ごとに、都道府県がん対策推進計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。
5  第三項の規定は、都道府県がん対策推進計画の変更について準用する。
   第三章 基本的施策

    第一節 がんの予防及び早期発見の推進



(がんの予防の推進)
第十二条  国及び地方公共団体は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響に関する啓発及び知識の普及その他のがんの予防の推進のために必要な施策を講ずるものとする。


(がん検診の質の向上等)
第十三条  国及び地方公共団体は、がんの早期発見に資するよう、がん検診の方法等の検討、がん検診の事業評価の実施、がん検診に携わる医療従事者に対する研修の機会の確保その他のがん検診の質の向上等を図るために必要な施策を講ずるとともに、がん検診の受診率の向上に資するよう、がん検診に関する普及啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。
    第二節 がん医療の均てん化の促進等



(専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成)
第十四条  国及び地方公共団体は、手術、放射線療法、化学療法その他のがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成を図るために必要な施策を講ずるものとする。


(医療機関の整備等)
第十五条  国及び地方公共団体は、がん患者がその居住する地域にかかわらず等しくそのがんの状態に応じた適切ながん医療を受けることができるよう、専門的ながん医療の提供等を行う医療機関の整備を図るために必要な施策を講ずるものとする。
2  国及び地方公共団体は、がん患者に対し適切ながん医療が提供されるよう、国立がんセンター、前項の医療機関その他の医療機関等の間における連携協力体制の整備を図るために必要な施策を講ずるものとする。


(がん患者の療養生活の質の維持向上)
第十六条  国及び地方公共団体は、がん患者の状況に応じて疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすること、居宅においてがん患者に対しがん医療を提供するための連携協力体制を確保すること、医療従事者に対するがん患者の療養生活の質の維持向上に関する研修の機会を確保することその他のがん患者の療養生活の質の維持向上のために必要な施策を講ずるものとする。


(がん医療に関する情報の収集提供体制の整備等)
第十七条  国及び地方公共団体は、がん医療に関する情報の収集及び提供を行う体制を整備するために必要な施策を講ずるとともに、がん患者及びその家族に対する相談支援等を推進するために必要な施策を講ずるものとする。
2  国及び地方公共団体は、がん患者のがんの罹患、転帰その他の状況を把握し、分析するための取組を支援するために必要な施策を講ずるものとする。
    第三節 研究の推進等



第十八条  国及び地方公共団体は、がんの本態解明、革新的ながんの予防、診断及び治療に関する方法の開発その他のがんの罹患率及びがんによる死亡率の低下に資する事項についての研究が促進され、並びにその成果が活用されるよう必要な施策を講ずるものとする。
2  国及び地方公共団体は、がん医療を行う上で特に必要性が高い医薬品及び医療機器の早期の薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)の規定による製造販売の承認に資するようその治験が迅速かつ確実に行われ、並びにがん医療に係る標準的な治療方法の開発に係る臨床研究が円滑に行われる環境の整備のために必要な施策を講ずるものとする。
   第四章 がん対策推進協議会



第十九条  厚生労働省に、がん対策推進基本計画に関し、第九条第四項(同条第八項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理するため、がん対策推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。


第二十条  協議会は、委員二十人以内で組織する。
2  協議会の委員は、がん患者及びその家族又は遺族を代表する者、がん医療に従事する者並びに学識経験のある者のうちから、厚生労働大臣が任命する。
3  協議会の委員は、非常勤とする。
4  前三項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、平成十九年四月一日から施行する。