がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

一昨日の読売新聞16面 医療ルネッサンスNo.4276

2008年02月02日 | Weblog
2008年02月02日 18時21分記載

掲題の記事を一部抜粋して紹介させて頂く。記事タイトル『見えないハンデ 内部障害 「HIVに偏見」手帳取得せず』



『関東地方の40歳代の会社員男性は、左側のわきの下にテニスボールほどのこぶができた。2004年3月、血液がんの一種で、しこりができる悪性リンパ腫と診断された。

 エイズウイルス(HIV)に感染していることも判明した。悪性リンパ腫は、エイズ発症に伴う合併症だった。・・・1998年、HIV感染者は「内部障害」として身体障害者の認定を受けると、医療費が助成されるようになった。・・・だが、手帳の利用を巡って戸惑うことも多い。・・・手帳にはHIV感染を疑わせるような障害名が書かれており、・・・勤務する会社にも、感染の事実を伝えていない。・・・男性は「手帳から障害名を外してほしい。〔内部障害〕と表記するだけでよいはず」と訴える。これに対し、厚生労働省は「外見では分からない内部障害なので、障害の種類を明記している」と話す。

・・・地方では、手帳の申請窓口の市町村役場に知人がいて、「親類や勤務先に知られては」と、手帳を取得せず、高額な治療費を払い続ける感染者もいる。・・・』



男性の考えに同感である。なぜ、詳しい病名を推測させる障害名を記載していなければならないのであろうか。厚生労働省の木で鼻をくくった回答に腹が立つ。何の答えにもなっていない。



本ブログにも、非公開を希望して寄せられるコメントの中に、差別や偏見を受けるのを避けるために手帳の交付を受けていないというものがある。企業への応募書類に骨肉腫と正直に書いて、ことごとく書類審査で落とされた私にはよく理解できる懸念である。



私の障害者手帳にはこう書いてある。「障害名 疾病による右膝間接人工関節〔骨頭〕置換」。こんなに細かく書く必要があるのかなと思う。単に「右下肢障害」で十分ではないだろうか。他に等級を記載する欄もあり、それで障害の重さも判断できる(ちなみに私は4級)。「疾病による」なんて書くニーズはどこにあるのだろう。仮にそういうニーズがあったとして、それに答える義務が障害者にあるのだろうか。私自身は別に気にしていないし、企業の面接ではいくらでも他の骨腫瘍を適当に挙げられるので、個人的にはどうでもいいいのだが、一般論で言えば、病気は最もセンシティブなプライバシーであるし、それを知られたくないという心情は容易に想像できる。



障害者手帳が交付されるプロセスはこうである。医師に、法律で定められた、詳細に障害を抱えるに至った事情の記載された書面を作成してもらう。それを住民票の置いてある都道府県または政令指定都市の担当部署に提出する。担当部署により提出書類に不備がないか確認され、書類に不備がなければ、一定期間後に障害者手帳が交付される。

ここで、病気によるものなのか事故によるものなのか、もう障害のなかった頃の状態に戻ることはないのかを確認される。

さらに障害者手帳に疾病・事故等を推認させる記載は必要か?全然必要ない。



厚生労働省の小役人どもには、もっと国民のプライバシー意識に想像力を働かせ、不必要な記載を省くよう要請したい。そして、紹介記事最下段にあるような、知り合いが役場にいるような場合を考慮して、別の障害者手帳取得ルートを考えるよう要請したい。グリーンピア作ってる暇があんだから、それくらい出来んだろ、税金泥棒。