おじさん山伏です

修験道の修行から見た心の散歩です。
アイヌのアシリ・レラさんからの命名です。
「キムン・マタギ」になりました。

安政江戸地震の鯰絵から その2

2017-02-19 | 読書感想

昨日の続きです。

今日は、地震で商売繁盛した人たちの鯰絵です。

出展は、下記。

この絵図の解説です。

 大地震に見舞われて、大儲けをする人々は、

材木屋、大工、左官などの職人であることは、

これまでの地震鯰絵で見てきたが、

この絵は、それを更に強く表現した構図の地震鯰絵である。

 地震鯰に筆を振わせて、色々に揮毫させている設定で、

これを大儲けの人々が囲んで、鯰の書いた揮毫に有難がっている。

大儲けの筆頭は、なんといっても材木屋であったことがこの絵でも表現され、

看板と大福帳を脇に材本屋の旦那が腕組みしており、

さながら胴元のような格好である。

 これを、表現する洒落として、鯰が揮毫の筆をふるうとして、地

震の。震”を、“ふるう”と読替させ、洒落れた題名をつけている。

 職人達の言葉のやりとりを見ても、鯰が腕をふるっている揮毫を

有難がっている図で、左官屋など鯰が書いた「鹿島大神宮」の揮毫を、

一生掛け物として家に掲げると有りがたがり、

大工は観音様の五重の塔の頭が、傾いているものを書いてもらい、

他の者は万歳楽の、楽″の字を揮毫してもらって、

後世に残す有難いものとして、頂戴しますという構図である。

地震鯰に、“筆”をもたして擬人化している点が、

地震鯰絵の見所であろう。

 また、障子には地震で命を失った、沢山の亡者を影絵風に画き、

地震の守り神の鹿島太神宮の御札と、“雷”を画いたお札は、完全に

無視される場所におかれ、地震によってお蔭をこうむる大儲けを

る人々を画くことにより″世直し″という江戸庶民の、潜在的な自我

意識を強調した地震鯰絵として、鑑賞することが、この絵の見所で

あるといえよう。

 解説から、

この地震鯰絵は、よくみると地震によって懐がすっかり温かくなり、

沢山の手間賃を手にした職人達が、自分達をこんなに楽しいも

のにしてくれた地震鯰を伴って、

吉原に繰り込み、それぞれ好みの女郎と楽しい一夜を過さんとする

賑わいを画いたもので、絵の構成にせりふはないが、

鯰と職人達、それに添え物の駕寵かき、店の主人と、どれ一人とっても

好色そうな表情でうかれきっている。

 これと対照的に。”おいらん”といわれる女郎の表情は、この時代に

沢山画かれた浮世絵と、全く同一の表情でとりすましており、

客(地震で儲けた職人と連れの鯰)と。”おいらん”を対照的に画き出

しているのが、この地震鯰絵の見所である。

ありがとうございました。

でもいつの時代でも同じような風景が見られますね。

追加の話 

江戸しぐさから「うかつあやまり

人ごみのなかで誰かに足を踏まれたときに、

「ごめんなさい」とひとことぐらい言いましょう。 

でも江戸しぐさでは、踏まれた人もあやまるのです。

自分もうかつだったことを認めてあやまるしぐさを

うかつあやまり」といいます。

もうひとつ。「こぶしうかし

江戸時代は船が出るのを待っている間、あとから人が乗って

くるたびに、こぶしをついて腰をうかせ、席をつめていたことから。

席をゆずるときに「つめていただけませんか?」と言われる前に

するのが江戸しぐさ。

催促されてから行動するのは、恥とされました。

いろいろありますよ。

傘かしげ、せっぱつまり、無理押し、七三あるき、腕組み・足組みなど。

でも面白いですね。

僕は、プラットホ-ムや階段などで、

ちょっと立ち止まって相手の方が行き過ぎるのを待ちます。

そう5人に一人ぐらい「すいませんとかありがとう」と言われたり、

頭を下げてくださいます。

畑田天眞如さんやおばあちゃんは、口癖のように「すまないね。ありがとう」を

言っていたのをふと思い出します。

耳の奥から聞こえてきます。

心の底からの言葉は違います。

畑田天眞如さんから教わりました。

 

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