新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

大久保通りを散策すれば

2014-09-28 15:43:56 | コラム
韓国語の名前がついていたビルがカラオケに:

28日は大久保通りの皆中稲荷のお祭りで御神輿が出る日。久し振りに散策に出掛けた。4~5日前にバスの中から、半年ほど前に閉鎖した韓国の物品を売っていた9階建ての景星ビル(Kyung Sung?)に中に清掃業者が入っていたのが見えた。

するとどうだろう、今日はそこには「アドアーズ」というカラオケ店の大きな看板が出ており、内装業者が忙しげに作業していた。近頃流行りの細長い建物だが、カラオケならばこの地で成功する目処が立っているのだろうか。既に同業者が2店ほどあったかと記憶するが、カラオケに全く興味がないので確信はない。

本日は快晴の日曜日であることと関係あるかないは不詳だが、大久保通りは最近にはない人出でも歩きやすく、往年の40%ほどの賑わいだった。10年ほど前に店番をしていた老女が「最後の一軒になっても頑張り通す」と決意を披瀝していた書店は、数年前に店内の半分を韓国関連の品物の売り場に変えて健闘していた。だが、どうやら見込み違いのようで、私を除いて1人が立ち読みしていただけだった。

私が大久保通りをJR大久保駅方向であるKoreatownとは反対の北に向かって歩き始めた頃に丁度御神輿が威勢良く繰り出して、道路は少し賑やかになって来た。最早日本人向けの商店が激減してしまったので、お祭りの装束に身を固めた人たちが懸命に御神輿を担いでいる様子を、若い中国人の男女が興味深げに見守っていた。

その青年が”Abercrombie & Fitch”(俗称アバクロ)の派手なTシャツを着ていたのが印象的だった。あれは何処の国で作られたのだろうなどと考えながら帰路についた。この界隈の新大久保の駅前には依然としてKoreatownの地図を配っている若者もいれば、大久保通りでは熱心に?呼び込みをやっている化粧品の店もある。

余談だが、”Abercrombie & Fitch”は私が知る1990年代前半までは、高級感漂う落ち着いた洋品と雑貨の店だった。シアトルでは嘗てのFour Seasons Hotelの1階に出店しており、大人だけが入っていくような品揃えだった。それが2007年にシアトルを訪れた際に行ってみると、ホテルを出て自前の店になっていて、店内にはけたたましいロック調のBGMが流れており、明らかに若者目当てのアパレルの店に変わっていた。落胆した。

最近ネットで見たのが、A&Fはその方針転換に失敗したようで、売れ行き不振であると報じられていた。兎角この世は住みにくいようだ。恐らくKoreatownの商店主たちと店舗物件の家主たちも、アバクロと同じような悩みを抱えているのではないかと推察している。


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