新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2022年の極悪人・ウラジーミル・プーチン大統領

2022-12-15 08:03:48 | コラム
ガス代の値上がりがきつすぎるので電気ストーブを買った:

昨日、高田馬場駅前のバスの停留所で、小型の電気ストーブを抱えたバス待ちの高齢のご婦人に話しかけられた。「何しろ、ガス代の値上がりが電気代よりも凄すぎるので節約の為にこんなストープを買ったのだ」と説明された。「一人で年金暮らしをしていればガス代の値上がりには耐えきれないのだ」と言われた。

私はここぞとばかりに「それは誠にご尤もです。その諸々の物価の値上がりの原因はウクライナに侵攻を開始したプーチン大統領の所為なのです」と、解って貰えるかどうかは別にして一所懸命に解説した。即ち、「プーチン大統領(英語表記すればVladimir V. Putinとなる)こそが、今年度最悪の人物です」と、補足説明したのだった。

考えてもご覧なさい。あのロシアのウクライナ侵攻があった為に、今日のエネルギーコストを始めとするグローバルな規模の値上がりと、アメリカとUKで特に顕著なインフレーションが生じていたのだということを。より解りやすくすれば、プーチン大統領があの侵略を開始していなければ、現在のような状況にまで立ち至っていないと言えるだろうと思うのだ。私は解っていて開始したのだろうから極悪人だと呼ぶのだ。

プーチン氏(70歳)はKGBの出身だったことが屡々特筆大書されるが、レニングラード国立大学の法学部を卒業している普通の知性派(と言うのかな)なのである。しかも、あれほどの期間ロシアの大統領職を務めていたのであれば、あの時点でウクライナに侵攻を開始すれば、西欧諸国というかNATO加盟の民主主義の諸国が如何なる反応をするかくらいのことを完全に読み切ってあったとしても不思議ではあるまい。

それだけではあるまい。この世界には未だ未だUnited Nations(私はこれを国際連合と訳すのは承服出来ないし、世紀の誤訳であるくらいに考えているので、「国連」という表現は使わない)の御利益を信仰している純情な国があるので、ロシアの不当性をUNの会議の場に持ち出すだろうくらいのことは読んであったと見ている。

そして、思うに中国の習近平と図って如何なる場面においても「ロシア非難」の決議などできないような手を事前に打ってあっても不思議ではないと見ていた。事実、ロシア側に付いた国の数の方が多かったのだ。習近平が貸付金という武器を使ってアフリカ等で多くの国を自家薬籠中の物にしていたことくらいは、プーチン氏は計算済みだっただろうとも考えた。

我らが岸田文雄総理大臣も勢い良く「G7の一国として対ロシア制裁に出ていく」との声明を発しられて、民主主主義・自由経済主義の国としての存在感を十分に発揮された。私はこの岸田内閣の制裁措置を非難するとか批判すべきではないと考えている。だが、我が国には「返り血を浴びると解っているような制裁に打って出るのは疑問だ」と発言された財界人だったか有識者もおられたのは看過出来ない。事実、返り血どころではない事態が発生したではないか。

それだけではない、トランプ前大統領によって二極分裂されたかのようなアメリカでは、ラーメン1杯が3,000円にもなってしまったようなインフレーションが起きてしまった。プーチン大統領は「そら、見たことか」とばかりに西欧諸国への天然ガス供給を止めるとか、石油を売らないとかの対抗処置に打って出た。これにしたところで、制裁をかければ対抗してくるはずだと事前に読めていたことではなかったか。

一日本国民としての私はウクライナにおける戦況をマスコミ報道とテレビ局が「専門家」の方々や大学教授たちを招いて報じていること以外には「何がどうなっているのか」は解る訳がないのだ。即ち、ウクライナの懸命の頑張りによる奮闘と、アメリカ等からの物心両面の支援による戦況の報道も、もしかすると嘗ての「大本営発表」の域を出ていないのかも知れないとの疑心暗鬼の状態になってしまう。

しかも、プーチン大統領が本気か否かは別として「核兵器使用」を暗示するかのような、簡単に言えば脅迫まで始めたというニュースもあれば、亡命先として中国も候補に上がっているというような話もネット上には出て来始めた。世界中をこれほどの混乱状況に持ち込んで、「形勢我に利あらず」となれば亡命するというのか。年金暮らしの老女に電気ストーブを買わせて何が楽しいのかと、声高く非難したくなる。

世界中がこのような混沌とした状況になり、我が国も国防費を増やさねばならないのであれば、岸田総理も防衛費をGDPの2%にするとの方針を明確に打ち出されるのであれば、渋ちんの財務省と事前の打ち合わせを終えられて「その財源はここにあり」も同時に表明されるべきだったのではなかったか。そのような先走りをされた為に、高市早苗氏が「罷免を覚悟で」と非難し始めてしまったではないか。

岸田総理が生真面目に一所懸命なのは痛いほど解るが、何か重大な決意を表明される前にもう一つ思慮に欠けておられる場面が多いのは不安である。台湾有事と言い何と言い、我が国の周辺には危険な事態になっていきそうな萌芽が多過ぎるのだ。そんな時に野党如きに「閣内不一致」などと苔むしたような批判を許していて良いような事態かということ。

昨夜だったか、何処かの新聞社の政治部長が「岸田さんは人が良すぎるのでは」と言っていたが、善人であるだけで乗り切れる時代でも事態でもないだろう。少しは極悪人のプーチン氏を見習われても良くはないのかな。