新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

W杯サッカーの話題から

2022-12-12 08:44:18 | コラム
FIFAのランキングの意外性:
当てにならないとも言えるのではないか。モロッコがポルトガルに勝った試合を巡って、居合わせた二男とこのランキングを語り合った。結論としては

「当てにならないと言うよりも、その国が位置している地域の事情に支配されているのではないか。それは、ヨーロッパの諸国のように世界的に高次元にあるリーグ戦があり、国内外の強豪と一戦を交える機会が多ければ、それだけFIFAが間近で厳格に評価もできるだろう。だが、アジア等の遠隔の地であれば、それほどFIFAの目が精密に届かないので、実力不相応の高いか低いかの評価になる場合があるのだろう」

となった。

その一例が我が国で、24位にありながら、11位のドイツに勝ち、31位のコスタリカに破れ、7位のスペインに勝ってしまったのだ。だが、16強に上がった後で12位のクロアチアには順当に(?)に惜敗した。だが、そのクロアチアは1位のブラジルと対戦しPK戦に持ち込んで勝ってしまったのだった。これはどう考えても、順当にランキング通りではなかった。

だが、22位のモロッコもまた素晴らしい実績を残した。TBSの「サンデーモーニング」に出演した中西は「誰がモロッコはあそこまで上がってくると予想したでしょうか」と指摘したように、9位のポルトガルを退けて準決勝戦にまで進出して見せた。ここまで来ると、マスコミ好みの“giant-killing”などと評するのは当を得ていないようにすら感じてしまう。野村克也氏が言われた「勝ちに不思議あり」がそれほど続くものだろうかとも考えた。

ランキング通りに事が進めば、優勝するのは3位のメッシ率いるアルゼンチンか、エムバペが際立っている4位のフランスということになるのだろうが、12位のクロアチアと22位のモロッコが“upset”となるような健闘にも期待したいところだ。

モロッコ(Kingdom of Morocco):
この国が勝ち上がってきて、モロッコについては1942年のアメリカ映画「カサブランカ」(=Casablanca)とその主題歌だったかの“As time goes by”くらいしか予備知識が無かったと解った。不思議に感じたのがCasablancaとはスペイン語で「白い家」だと1970年にマニラで知ったので、何で、アラビア語の国を取り上げてスペイン語の題名かと感じていた。また、As time goes byも好きな曲だった。

Wikipediaによれば、カサブランカはモロッコ最大の都市ではあるが、首都は「ラバト」(=Rabatというフランス語)だと知り得た。人口も3,600万ほどのアフリカ北部の国であるから、フランスの影響もあるかと思わせられた。面白かったことがあった。それはテレビ中継ではモロッコの国名のカントリーコードがMAだった事。これはアラビア語の「マグ」から取ったものだそうだ。

因みに、負けたポルトガルはPORだった。それにしても、あの決勝の1点を決めたモロッコのFWの選手のジャンプ力には瞠目させられた。

掌返し:
これは前評判が低かった森保一監督率いる我が代表が、ドイツとスペインを退けてグループリーグを勝ち抜けたら、それまで交替説まで唱えていたマスコミが突如として森保監督礼賛に転じ、続投(私が嫌う言葉で「留任」とか何か他の言葉を使って欲しい)まで論じ始めたことを、同じ報道機関である週刊誌が皮肉って言い出したこと。森保監督不信論を唱えていた私は非礼をお詫びしたが。

私には良く読み切れないことがある。W杯が始まるまでは、普通に考えれば優勝経験もありランキングが遙かに上位にあるドイツやスペインに勝てる確率は低いと思うだろう。そのドイツを相手に後半に堂安や三苫を投入して逆転で勝って見せた。だが、31位のコスタリカを相手にした時には「どう考えても先発メンバーに格落ちの者」を5人も入れて惨めな負け方をしてしまった。所が、スペインにはまたもや後半勝負で逆転して見せたのだった。

森保監督の作戦を今になって考えてみると「最初から格上の両国には後半勝負で行き、コスタリカとはスペインとの激戦に備えて一本目級の選手を温存する」とのゲームプランを立ててあり、「コスタリカに負けることがあって酷評されようと意に介しないで行こう」と選手たちに徹底していたのではなかったかとなる。この私の読み通りだったならば、「森保一監督は並々ならぬ智将だった」ということなのだ。

私は「浅はかなマスコミはそこまで読めていなかっただけのことだったのかも知れない。だから、慌てて掌を返したように褒め称えたのだろう」とも読めると思っている。