新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

最近のニュースから

2020-08-11 09:12:37 | コラム
気がかりな事が多い:

中国の露骨な出方:
産経新聞によれば甘利明氏が「中国がやることが露骨になってきた」と述べておられたそうだが、全くその通りだと思わずにはいられない。尖閣諸島に対する公船の出没は今や日常化して特筆大書するようなニュースではない。だが、最早自国の領土だとの主張だけではなく、いつ何時軍隊が上陸しても不思議ではないほど奪取の意図があからさまだ。それが習近平主席の方針なのか共産党の意図なのか私如きには不明だが、やること為すこと全てが国際法も何も無視で、真っ向から世界制覇に向けた動きとしか思えないのは幾ら警戒しても警戒しすぎにはなるまい。

昨日は何れはやるだろうと思っていた国家安全維持法を活用して、香港の民主化運動の象徴だった周底女史やリンゴ日報の創設者等々を逮捕した。彼等が民主化運動に向けて行動していたのは維持法施行前のことだったから、如何にも中国政府らしい強引でも何でもないとしか思えない。その形振り構わぬやり方は彼等にとっては極く当たり前の手法だと思って見ている。政府と共産党にとって都合が悪いことは一切許さないという手法は、何も今日になって始めたことではないのだが、強権的なのか、焦りなのか、習近平にとっては末期的なのかは判断のしようもないほど露骨だ。

私は彼等がここから先の近い将来にアメリカを始めとする自由と民主的勢力の諸国などに如何なる態度に出てくるかを考えて見よう。彼等が経済的な不安を抱えながら軍事費の予算を増額している状況を見るにつけても、中国の我が国に対する姿勢だけを見ても、その危険度は増す一方であるし、我が国の防衛体制では食い止めようがなくなるだろうと本気で憂いている今日この頃だ。

熱中症警報アラート:
話をグッと身近なものに持ってきた。何処かの格好付け専門の知事が「東京アラート」などという愚かなカタカナ語を用いてから、その真似をする人たちが増えたのは非常に遺憾に思う。何とも情けない貧弱な英語の能力かと嘆いている。東京アラートの時に既に批判したが、”alert“とはそもそも「警戒警報」の意味であり、何も敢えて誰もが理解しないかも知れないカタカナ語にする格好付けを笑っておいた。ところが、世間にはそのカタカナ語を崇め奉る者どもがいるようで「熱中症警報警戒警報」という屋上屋を架すような言葉を恥ずかしくもなく使い出したのだった。情けない。

その間抜けなカタカナ語交じりを平気で使って報道するテレビ局も笑止千万だ。彼等の中にもこの言葉がおかしいと解る者が2人や3人はいるだろうと思うが、彼等はヌケヌケと報道で使用している。何度でも言うが「世の英語教師たちは恥じ入って然るべき」ではないのか。何処かのスタンドプレーを多用される知事さんにも反省を求めたいのだ。

立正大学淞南高校サッカー部の集団感染:
80名以上の集団感染を起こしたと報じられている。この高校は以前は日本大学の系属校だった。そういうことよりも、この集団感染が巻き起こすだろう影響を考えて見よう。サッカーは先ず屋外で行われる球技だから、試合や練習中にウイルスの人から人への感染が簡単には起きないのではないかと密かに考えていた。だが、私は基本的には「コンタクト・スポーツ」だと経験上も承知していたので、感染もあり得るかとは想像していた。ところが、淞南高校では試合中か練習中か合宿生活の何れが原因かは究明されていないようだが、集団感染を起こしてしまったようだ。

しかしながら、Jリーグは既に定期的にPCR検査を実施しながらリーグ戦を再開している。だが、試合中に感染が生じたとの報道はない。我々の時代の古き良きWMフォーメーションでは各人が動き回る範囲を片側に限定していた蹴球の頃とは、サッカーの質が時代と共に変わってしまっている。今のサッカーでは極端な表現を用いれば神出鬼没で、プレーヤーたちはピッチ上の何処にでも走り回り動き回り、多くの相手の選手と接触(コンタクト)しているのだ、息を吐きながら。これでは選手の中に1人でも感染者がいれば、ウイルスを撒き散らすこともあり得るだろうと考えてしまう。

その点を考えるときに、淞南高校とそのサッカー部には何をさて措いても、何処で感染が生じたかを可及的速やかに明らかにすべきだと思う。いや、練習中か試合中かを究明して欲しいのだ。その何れかであれば、サッカーよりも遙かに「密」な状態で練習も試合も進行するフットボールやラグビーの方が、遙かに人から人への感染の危険度が高いのだから。そういう根拠は、フットボールではラインメンが鼻息も荒く直ぐ目の前で対峙しているのだ。ラグビーではFWの8人がスクラムを組んで押し合うのがこの球技の最も重要な部分である。サッカーとは「密」の次元が違うのだ。

そういう「密」の点から見れば、野球は未だ安全だと思わせてくれる。だが、5千人しか観客を入れないにしてもNPBには北から札幌、東京、名古屋、大阪、福岡にドーム球場があって換気はされていても屋外とは条件が異なるのではないかと、少しは危惧している。MLBのように試合会場をフロリダに集めてしまう手法もあるが、NPBでは狭いとは言え国内を移動している。経済と同様にプロスポーツも何としても「回す」必要があるのだとは分かる。だが、現在の我が国の完全とは言えぬ防疫体制では、何時何処で集団ではないまでも、感染が生じるかが分からないのは怖いことだ。