湯の字にっき

日々の日記をつらつらと綴っております

「深海のカンパネルラ」

2012-04-23 | キャラメルボックス辺りのこと
多田さん客演というので見て来ました。
空想組曲VOL.8「深海のカンパネルラ」

実をいうと多田さん単品だとほとんど興味ないんですが(失礼)
何かがくっつくとがぜん見たくなる人なのです。多田さんは。
たとえば落語とか、今回みたいに銀河鉄道の夜とか。
賢治は好きじゃないけど、その周辺が好きな身といたしまして
ふらふらと観にいってしまいました

これ、チラシ欲しかったなぁ。
きれいで、後々、この舞台を思い出すときの手助けをしてくれそうな
チラシだわ。

端的に言ってしまうと、死んでしまった友人のことを嘆いて
引きこもりになった男が妄想の中で友人と会い続けている。
銀河鉄道に乗れば、彼と一緒にどこまでも行けると。
でもどうにかこうにか、部屋の外へ一歩踏み出す話。で、いいかな。

多田さんはジョバンニであり引きこもりな、りく。
水泳が得意だったけど、怪我をして泳げなくなっていたけんじくんが
カンパネルラ ← かっこよかったです。
ザネリの台詞じゃないけど、いつ二人がちゅーするのかと
どきどきしちゃうようなバランスの二人でした。
ザネリがね、銀河鉄道に乗るとは思わなかったよ。
好きなんだ、ザネリ。
その後もいやなやつのまま、存在していてなんか嬉しかった。

ともかくラストのカンパネルラとジョバンニな二人の会話に向かう為に
うだうだと遠回りしながら進むのだ。
最後の最後の二人のただの友達同士の会話は泣けて仕方なかったよ。
ただ、言葉のやり取りしてるだけなのに。

置いていかれたのはジョバンニで。
一人になってしまったのもジョバンニで。
彼に追いつこうと、追いすがろうと、冷たい水のそこに静めたガラスの部屋の中で、
ずっと彼を思っている。

その箱が、
回転するとは思わなかった。
動くと思ってなかったものが動く、
という時の衝動はなかなかに強い。
忘れ難い、美しさだった。

深海に沈むカンパネルラ、彼が最後に見たものは、
空から星が降るような海を漂うマリンスノー。
暗く、深い闇の中に、無数の光は空も海も同じなのだな。
静かで冷たい夜の底に沈む思い。
さびしいけれど、あたたかな別れの場面だった。

印象的な台詞。
「好きだったのに」と言って彼の葬式で泣いて、自分のイベントにしたがる女、黒上。
好きだったと言った後で「3年も一緒にいたんだから、気付よ」とりくに言い放つみかげ。
どっちも嫌な、好き、だった。

素敵だったのは魚心先生だ。
水着姿も素敵だった。おしりかっこよかったな。

賢治の作品も、アリスのようだなと思う、
思わせぶりないくつもキーワードが出てくる。
それだけで物語をかたどれる。

牛乳が取り扱われ方すきだったな。
それにしても多田さん、こんなに細かったか? 色もますます白くなって。
お身体ご自愛くださいませ。

サンシャインといえば、水族館でもプラネタリウムでもなく
劇場でしょうと思ってましたが。
プラネタリウムはまだ行ったことなかったな。

おまけ。
多田さんにプラスするもので一番好きなのは左東さんです。
ぺりくりーず再結成、熱烈に希望。

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