公開土太王 vol43 第86話
タムドク王:ついに、明日
我らの遺志で後燕との国境を越える。
これは、遠い昔、鄒牟(チュモ)太王が目指した多勿(タムル:失地回復)の精神である。
余は第一軍を率いて最前線で戦うつもりだ。
中原征服への余の気概を示し高句麗軍の指揮を高めるのだ。
ハムジ軍師:周辺国の援軍が準備を進めています。
彼らと連帯して動けば危険を減らせるでしょう。
タムドク王:大軍だから危険を避けられるわけではない。
援軍の編制は援軍が到着した後、別途行う。
このたびの出陣で大事なのは機動力だ。
敵の機先を制して一気に戦を進め決着をつける。
ハムジ軍師は余の作戦をもとに策を練よ。
出陣前に、コム大将軍の位牌の前で。
コム大将軍。ついにこのタムドク、後燕を倒して中原征服を目指します
これまで多くの犠牲がありました。
私はそのすべてをこの目でシカと見てきました。
大将軍、いよいよ高句麗の地からで中原に攻め込み、堂々と戦って征服して見せます。
中原のまん中に我らが三足烏の旗がはためく日もそう遠くありません。
コム大将軍、見ていてください。そして我らに力を
後燕の大牙城に向かう高句麗軍
伝令:高句麗が攻めてきました。
コウン:おそらく、瀋陽城(シンヨウソン)と宿軍城(シュクグンソン)を攻め落とした後、
都である龍城を狙うでしょう。
今の勢いから考えて宿軍城を落とし、ここ龍城まで来るのは早いかと
今回の戦場は瀋陽城(シンヨウソン)になるでしょう。
平常心を失ったタムドクが一度でも私の策にはまってほしいと望んでいる。
なんという2人だ。笑えるだろう?
大牙城を落とし、場内を視察するタムドク王:
タムドク王:後燕の鎧だ。ずいぶん多くのこっているな?
だが実際に農兵を集めるには間に合わなかったか。
(後燕の鎧を高句麗軍に着せて、北魏の軍営を奇襲する作戦に使うのである)
軍略会議の場で。
ハムジ軍師:高句麗の都合のいい場所へおびき寄せる策だとしたら?
タムドク王:自分たちの都合の良い場所へ高句麗軍を?
ハムジ軍師:私が思うに、後燕は反撃の機を狙っています。
自分たちの有利な場所で一気に反撃に出る考えかと
大牙城を手放してまで反撃に出るならその場所は瀋陽城(シンヨウソン)の可能性が高い
流民:急ぎ王様にお知らせしたいことが。
北魏の大軍が元江(ゲンコウ)側から後燕に向かっています。
礼を言う。我が軍には有利な情報だ。
流民:我らは大丈夫です。このような日のために訓練してきたのです。
特にこの辺りの地形や敵軍に詳しい者たちです。お役に立てるかと。
タムドク王:北魏軍については、余が策を用意してある。
「夷をもって夷を制す」
敵を利用して敵を討つのだ。
ハムジ軍師:手に入れた途燕の鎧を利用するのですか?
北魏軍の奇襲計画を指示するタムドク王。
タムドク王:まずは、大将軍とヨソッケ将軍が出陣し、北魏軍を全滅させよ。
大暴れした後で敵陣を離れ
北魏軍と後燕軍が対立するように仕向けよ
後燕の龍城で軍議。
伝令:北魏軍との戦いに向かっています。
コウン:我らの策どおりです。
タムドクは必ず瀋陽城を狙ってきます。
我が軍の兵に民の格好をさせ瀋陽城の民に忍び込ませるのです。
瀋陽城の城主が恐れをなして逃げたと偽の情報を流すのです。
瀋陽城に進軍する高句麗軍。
ハムジ軍師:偵察兵が戻ってきません。
しばしお待ちを。
後燕軍が近くに潜んで待ち伏せしているかも
瀋陽城に入った高句麗軍。
タムドク王:ここ瀋陽城の治安はカルサム将軍に任せる
ソルチ副将には、場内と周囲の警戒を任せる。後燕軍の動きをしかと把握せよ
農民の姿で、瀋陽城内に忍び込ませた後燕軍。
高句麗軍が隙を作るのをじっと待っている。
高句麗軍が休んでいる間に、場内で決起する後燕軍。
不意を突かれたタムドク王。
さあ、どうなるタムドク王。
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