太子の修練場
太子:隊形を整え陣を展開せよ
さすが精鋭兵たち、動きが速い
部下:皆太子さまに命を捧げる覚悟です
太子:そうか、たのもしいぞ
部下:一言激励を
太子:よく聞け。お前たちはこれから私の分身となる
お前たちの未来はこの私が保障しよう
忠誠を尽くせば、子々孫々まで富貴栄華を約束する
チン夫人とグアン晋王の会話
チン夫人:太子宮が騒がしいようですが知っていますか
晋王:はい聞きました。
網記を正しているとか
チン夫人:
網記を正す。本当にそうでしょうか?
気が弱いことで有名な太子が
なぜ急に勇ましくなったのでしょう
先日、そなたを訪ねたと聞きました。
そのときに特別なお話を?
晋王:なんのことでしょう
特別な話などしていません
チン夫人:
とにかく太子の変化には驚きました。
兵を訓練するなんて
晋王:後宮とは離れていますし問題ないでしょう
それに太子の軍ですから、陛下は何もいわないでしょう
チン夫人:
どうかしら
陛下の考えを見守りましょう
ところで、今日は何を持ってきたの?
晋王:道人が作った丹薬です
泰山まで人を送り手にいれました
道人が作った不老不死の妙薬です
きっと効くでしょう
チン夫人:
このような貴重な薬を自分で飲まずに
なぜ私にくれるの?
晋王:夫人が天女のように美しいからです
永遠にその美貌を失ってはいけません
夫人はずっと美しくいてほしいのです
なんども言うように尊敬しているのです
チン夫人:
その言葉を信じましょう
人の本当の気持ちは分かりませんからね
私からも話があるのです。
そなたは私の不老を願っている
私はそなたに皇帝の座についてほしい
皇帝になるのです
晋王:涙が出るほど嬉しいです
しかし、私は太子ではありません
チン夫人:
私たちの間で隠し事はなしにしましょう
そなたはいつの日か必ず皇帝になります
そのために私も助力します
晋王:なぜ私が協力すると?
チン夫人:そなたが陳を滅亡させた張本人だからです
晋王:それは統一帝国建国のため仕方なく
チン夫人:
私の兄は陳の最後の皇帝でした
つまり私は皇帝の妹
隋の皇帝になる人物には、陳を滅ぼすほどの力を持って欲しいのです
分かりますか
他の者が皇帝になるのは屈辱というもの
必ず晋王(チンワン)が皇帝の座に就くのです
晋王:なんと言葉を返してよいか分かりません
ご恩には必ず報います
太子の修練場
陛下に言われて様子を見に来たのだな
ありのままを伝えろ
太子は臆病ではないとな
皇宮と太子宮の威厳を示すため兵を鍛えているのだ
今後さらに厳しい訓練を重ね
無敵の皇軍にして見せる
精鋭が1000人いる
後宮
皇帝:まるで出陣前の軍隊だった?
部下:太子様は黄金の鎧に身をまとい、1000人ほどの衛士を訓練していました。
兵の刀は輝きを放ち物々しい雰囲気でした。
出陣前のような勢いがありました
皇帝:
それにしてもなぜこんな急に
どう考えてもおかしい
兵士たちに頑丈な鎧を身につけさせ無敵の皇軍にしてみせると言ったのだな
なぜ突然勇ましくなったのだ
なにか裏があるのかもしれぬな
皇帝とチン夫人の会話
皇帝:
ウイジニョのことで皇后に責められた
それから、太子は、まるで戦争に行くかのように兵を訓練している
たしかに一国の太子としては閲兵しても不思議ではないのだが
今まで閲兵したことがないから皇后が怪しんでいる
突然、黄金の鎧を身につけ兵を指揮するとは妙であろう
チン夫人:
呂不・韋(ヨ・ブリ)を殺したのは息子の始皇帝でしたね
☆呂不・韋(ヨ・ブリ):始皇帝の父
父と息子であろうと男です
成熟した息子にとって父親は目障りなものです
感謝するのは、父親が残した財産にだけ
それから妙な噂を耳にしました
長安の美女が太子宮に出入りしてと
皇帝:太子は懲りていないのか
チン夫人:
信頼できぬ人物が兵を訓練しているとしたら
何か企んでいるかも
ヤン・グアン(晋王)の家
今日のお二人はまるで別人のようです
お召し物が違うからか異国にきたようです
晋王:
太子は騒動になっているか?
はい殿下。皇宮は大騒ぎです
太子だけは気づいていません
まぬけな姿を見たいのもだ
やはり兄上は太子の器ではない
このまましばらく偵察を続けてくれ
思い通りにことが運びそうだ
高句麗使節団、ソラボルに到着
新羅 礼部(イエブ)の大阿食(テアチャン)です
遠路お疲れ様でした
私が王宮までお迎えいたします
礼部(イエブ):礼儀を執り行う機関
使者がソラボルに着いたそうだ
今日中にここへ来るはずだ
その前に使者の目的を知る必要がある
みなの意見を聞かせて欲しい
風月主(プンウオルチュ)でございます
高句麗の使者が訪れたのは、我が国が以前の戦争で隋の味方をしたからでは?
伊食(イチャン)のキムソヒョンです
私も風月主(プンウオルチュ)と同じ考えです
使者は圧力をかけ非難するつもりだと思います
☆新羅 第2の官位
ではどうすべきと?
上大等(サンデドウン)のピダムでございます
高句麗の勢力は隋をはるかにしのぎます
三韓の中でも小国の我が国がかぬ相手ではありません
和親が最善策でしょう
☆ピダム(上大等(サンデドウン)新羅 最高官位)
それはちがいます
新羅には、高句麗のような早衣(チョイ)のような花郎がいます
対抗できます
高句麗が隋に勝利したのは、天候に助けられたからです
実力ではありません
高句麗と隋はまた、戦争を起こします
高句麗は新羅に挟まれています
その地理を利用するのです
戦いましょう
戦争となれば国の存続の危機です
高句麗のほうが我が国にとって脅威です
戦争はなりません
波珍食(パシンチャン)のアルチョンです
使者が来るというのに官僚が2つに分かれています
冷静に事態を見極め
ほかに解決策がないか考えるべきです
☆アルチョン(波珍食(パシンチャン)、新羅 第4の官位)
とにかく使者と話してみよう
要求は明らかだが聞き入れられるか探ってみよう
許容範囲なら受け入れる
花郎の修練が終わり
半月の断食修練はこれで終わりだ
ひとりも脱落しなかった
みな自分自身に勝ったのだ
今の気概を忘れず祖国のために戦おう
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