ずいぶん、長いタイトルになってしまった(笑)。ゴーギャンの”ひまわりを描くゴッホ”のひまわりの絵は新宿の”ゴッホのひまわり”だった。
順を追って説明しよう。ぼくは、14年8月13日に ゴーギャンのひまわり、ゴッホのひまわり、モネのひまわりという記事を書いた。これは、当時、大船フラワーセンターで植えられていた画家の名前を冠した品種のひまわりを紹介したものだが、それぞれの画家が描いたひまわりの絵も添えておいた。その中の一つが、ゴーギャンが描いた”ひまわりを描くゴッホ”だった↓。
ゴーギャンの”ひまわりを描くゴッホ”
そして、時は流れて、昨晩のこと。NHKの”アナザーストーリーズ/ゴッホひまわりを落札せよ~バブルの遺産 31年目の真実”を見ていた。
バブル景気の1987年、日本企業(新宿の損保ジャパン)が53億円で落札したゴッホの代表作「ひまわり」のこと。それから31年、あのオークションの舞台裏を当事者たちが語る。美術をよく知らないまま巨額の買い付けを命じられたサラリーマン、日本企業に売るための戦略を練っていたオークション責任者の生々しい証言。
そして三人目のアナザーストーリーにぼくは目を見開いた。大金を投じたゴッホのひまわりは贋作であるという主張が英国から上った。まさかの贋作疑惑に、ゴッホ美術館主任学芸員ルイ・ファン・ティルボルフが立ち上がった。実はこの絵はロンドンナショナルギャラリーに所蔵されていたこともあり、一度も専門家による鑑定は受けていなかったのだという。数年に渡る綿密な調査の結果、なんとこの絵は、ゴッホが1988年2月から翌年1月まで南仏アルルに移り住み、ゴーギャンを呼び寄せ、一緒に住んだときに描いたものだと分かったのだ。当時、ふたりは同じ画布を半分に切って使っていたが、それと全く同じ画布であったことがX線解析などで証明された。二人の共同生活はわずか二か月で破綻しているので、制作時期まで特定されたことになる。
はじめに示した、ゴーギャンの絵の中のゴッホが描いているひまわりは、損保ジャパンの”ゴッホのひまわり”だったのである。
ひまわり(東郷青児記念/損保ジャパン日本興亜美術館所蔵)
長く、ブログをやっていると、こういう楽しみがある。やめられない(笑)。
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