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気ままに

大船での気ままな生活日誌

現代日本画コレクション展/平塚市美術館 福田美蘭5点も

2023-02-10 10:14:47 | Weblog

おはようございます。

平塚市美術館で現代日本画コレクションのあゆみ展が開催されている。同館は、ぼくの好きな福田美蘭の作品を6点所蔵しているが、うれしいことに、今回、そのうち5点も展示されている。おまけに、美蘭作品のすべてが写真撮影可能であった。2018年の新所蔵品展(美蘭作品もこのとき)では撮影禁止で、ぼくがブログで文句を言ったのが効いたか(笑)。

2011年に美蘭の父親、デザイナー福田繁雄の回顧展(川崎市民ミュージアム)を見た。遊びこころ満載の作品群をたっぷり楽しませてもらい、ファンになった。そして、二年後、2013年に福田美蘭展が東京都美術館で開催された。そのとき、福田繁雄の娘さんということを知った。父親ゆずりのユーモアあふれる日本画の数々に魅了された。ここに展示された作家蔵の6作品が平塚市美に購入されたのだ。

ということで、本展の感想文も福田美蘭中心でいきたい(笑)。

美蘭コーナー(5点撮り)

東博ファンなら、すぐ分かる名作、中国絵画の名品”紅白芙蓉図”と菱川師宣の”見返り美人”をモチーフにした美蘭の名作2点撮り。

見返り美人/鏡面群像図 見返り美人を6枚の位置を変えた鏡面に写した姿を想像して描いた。顔は自画像かも(笑)。

本物の見返り美人(東博)

紅白芙蓉図 中国絵画の名品”紅白芙蓉図”をもとに、酔芙蓉の白から紅への一日の変化を同じ画面に描いた。端に噴水公園から見える東博の四季の風景も描き込んでいる。時間のうつろいを表現している。

今日のような雪景色の東博。

本物の国宝・紅白芙蓉図(李迪筆)

掛け軸3点撮り。日本の掛け軸の代表的絵柄の中から3種選び、その絵柄に含まれる象徴的な意味を解釈しようとしたもの。

水墨山水 伝統的な冬景色の中に死んでしまった白雪姫と小人たちの場面を組み込み、昔から不死の意味をもつ遠景の富士山に、やがて生き返る白雪姫を暗示している。

旭日静波 日本では昇る朝日を赤い丸という抽象的な記号に置き換えることで、深い精神性を象徴してきた。西洋の伝統の中では、この精神に一番近いハート型に置き換えた。

遊鯉 掛け軸の世界では鯉は吉祥の絵柄として親しまれてきた。西洋ではよく死んだ魚や動物が描かれてきている。そこで死んだ鯉を加えて遊んでみた。

ほかに、撮影可能の絵画。

内田あぐり 吊るされた男

内田あぐり(右から)鳥瞰図1、2、生の空間

鳥瞰図1

瓜南直子 東風(TON-PU)

瓜南直子《兎神国夜来之図》2000

以下、ちらしの写真より。

伊藤彬《月のうてな》1986年

工藤甲人《わが壁に》1985年

斉藤典彦《MORI O OMOU-3》1991年

公式サイトより。平塚市美術館では、1991年の開館にさきだち、湘南ゆかりの美術作家の作品、日本の近現代美術を中心に収集活動を行う方針が定められ、加えて2005年からは現代の日本画を紹介する展覧会に力をいれてきました。伝統的な日本画の枠にはまらない作品が次々と生み出された状況をふまえつつ、当館における現代日本画の展覧会、収集活動は展開してきました。本展では当館のコレクションから、日本画表現を革新した作家たちの作品を紹介します。

現代の日本画表現には、西洋画との差異化の必要性から生まれたアニミズム(自然信仰)のテーマが通底している一方で、西洋美術史のモチーフを柔軟に取り入れ引用する身振りがかいま見られ、そのあり方は一様ではありません。本展がそうした多様な表現の一端にふれる機会になれば幸いです。

とても楽しい展覧会でした。もうひとつの”陶のいきもの”も面白かった。それは次回に。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

コメント (4)
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