上野公園は震災後、二度ほど行っているが、いずれも、ひっそりしていた。それが、昨日、訪れてびっくり仰天した。上野はいつもの賑わいを取り戻していた。こんな活気ある上野公園をみるのは久しぶりのような気がする。
まず桜が満開だ。桜並木の通りは、まるでラッシュアワーのような人出だった。いつもの年なら道の両脇に青いシートが敷かれ、大勢の人々が酒を飲み、歌をうたっているところだが、今年は自粛、自粛で、申し訳なさそうに、いくつかのグループが、小さな、ござをしいているだけだった。でも良かった、こんなに沢山の人が来てくれて。桜のみなさんも喜んでいることだろう。
そして、動物園もしばらく閉じていたが、昨日は開いていて、もう切符売り場に列がいくつもできていた。パンダ人気はすごい。ぼくも挨拶してこようと入園した。ところが、パンダ舎の前に行列が。それも、阿修羅さまの行列並。何重もの縄張りにぐるぐると廻っている。うしろの方からでもちらりとパンダちゃんを観ることができるかと思ったらそうではないのだ。最後尾にいる係りの人に聞いてみる。どれくらい待つのでしょうか。2時間ほどです。おまえは阿修羅さま並だな、すごい人気物だな。
おまえは大地震のとき、うろたえたらしいが、その後の余震では平気な顔してたらしいな。すぐ日本に慣れるぞえ。放射能にも強そうだし。
というわけで。パンダ見物はあきらめました。でも象さんをみたり、五重塔の桜をみたり、結構、楽しかったです。
そして、ぼくが何よりも嬉しかったのは、上野が元気を取り戻してくれたことです。例えは適切ではないけれど、”戦争状態”の東北地方を支えるための”銃後の守り”も必要だと思うのです。パンダちゃん、これからもよろしくお願いします。