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気ままに

大船での気ままな生活日誌

海蔵寺 初夏

2007-06-13 05:40:34 | Weblog
北鎌倉駅から亀ヶ谷切り通しを抜けて、海蔵寺に至る道はボクの大好きな散歩道のひとつです。何か、必ず小さな発見がある楽しい道です。今日も、切り通しの途中の、左側の岩の壁の上の方に薄紫色の星形の花をたくさんつけているイワタバコの群生を見つけましたし、右側の地べたの片隅に、白い小花を咲かせているユキノシタの結構大きな群落も見つけました。この植物は鎌倉ではよくみかけ、”雪の下”の地名のもとになったと聞いたことがあります。

小林秀雄さんの旧居跡(小林さんのあと、懇意にしていた漫画家の那須良輔さんが住み、現在は空き地になっています、でも鉄製の門扉が残っていて、そこに那須さんがたぶん表札代わりにデザインした茄子(なす)の模様が彫られていますのですぐ分かります)を通り過ぎて、横須賀線を越えて、右に少し入ると、ボクが鎌倉で好きなお寺の三本指に入る、海蔵寺に出てきます。

いつ来ても楽しめるお寺です。四季折々の草木の花々、そして動物たち(蝶、花アブ、テントウムシ、みみず、ダンゴムシ、リス、ホモサピエンス(笑)等々)が必ず顔をみせてくれます。さて、この初夏の候では、どんな顔がみられるでしょうか。

はい、そうですね、まずは花菖蒲です。本堂の横に、見頃を迎えた白い花菖蒲(紫色も数本)がずらりと並んでいます。その横の真っ赤なマツバギクとの対比が見事です。この光景は、昨年のサライの鎌倉特集号の表紙を飾りました。去年、たまたまそこにいらしたご住職にお聞きましたら、純白の花菖蒲にこだわっているそうです。年々、少々紫色が混じってくるのが残念だと言っていました。そういえば、ほのかですが、色っぽくなっています(笑)。

それだけではありませんよ、紫陽花はもちろんのこと、裏庭に回れば、それこそ純白のカラーが、ピンクのさつきが、そして来るときもみたイワタバコの可憐な紫の花とユキノシタの白い花も。加えて、表の庭では、赤と白の河原なでしこ、都わすれ、そして八重咲きのドクダミの群落までみつかりました。初夏でもこんなに多くの種類の花が咲いているんですね。

そして、苔美人があちこちで、しなをつくってボクを待っていてくれました。ここも苔寺といってもいいくらい、あちらこちらに素敵な苔がいっぱいでした。木漏れ日を受けた”苔の箱庭”の、なんと美しいこと、少し古い苔の濃い緑、普通の緑、そして芽生えたばかりの淡い緑、それに木漏れ日が入って、それぞれの緑に明暗の色づけをします。まるで緑ベースのパッチワークのようになっていてうっとりしてしまいます。ひょうきんな苔ちゃんもいました。お地蔵さんの前の丸い自然石の上にまるで帽子のように生えているのをみつけました。苔ぼうず(苔帽子の方がいいかな)とあだなをつけました。また、ミニ盆栽の苔玉のように岩に生え、そこにイワタバコを咲かせている、気のきいた苔ちゃんもみつけました。

天からはウグイスのたえなる鳴き声ホーホケキョが聞こえてきます。そして、地からは貝殻の後ろ同士をすりあわせたような、たえなるとは言えない(たえられない?でも愛嬌があっていいですよ)ガーガーと2匹の蛙の合唱。でも、ウグイスも蛙も姿をみせてはくれませんでした。

初夏の海蔵寺は、草花も苔も動物たちも、今魅せなければ、魅せるときがないと一生懸命でした。本当に”花の命は短くて”ですね。なくらなないうちにと、ボク等は、これから明治神宮御苑の花菖蒲をみにいきます。明日、ご報告しますね。


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