気ままに

大船での気ままな生活日誌

太田記念美術館と原宿散策

2007-03-17 21:02:49 | Weblog
原宿の太田記念美術館は、我が国屈指の”浮世絵美術館”として知られていますが、まだ一度も訪ねたことはありませんでした。今月も最後の週は休館なので、今日は雪がちらついてきましたが、思い切って出掛けてきました。とても良かったですよ。

故太田清藏氏が半世紀以上に渡り蒐集された、約12000点の浮世絵がこの美術館に現在保存されています。今回はそのうちの約80点の美人画と役者絵を、時代別に分りやすく展示してありました。さすが、世界的に知られた美術館です、たくさんの欧米人が熱心に鑑賞していました。

私は浮世絵について十分知識はありませんが、これまでも北斎、写楽、広重、歌麿など有名画家の作品を展覧会等で観たりして、彼らの風景画、美人画、役者絵などに関心はもち続けていました。とくに北斎は、どういうわけだか分りませんが、私が中学生の(高校生のときだったかな?忘却のかなた・・汗)夏休みの美術の宿題のテーマに選んで、生意気な”北斎論”を書いたこともあり、今でも懐かしさと親しみを感じています。

今回の展示には、北斎の作品はありませんでしたが、私があまり知らない作家の作品も多数あり、大分勉強させてもらいました(でもすぐ作家の名前を忘れてしまいますが、とほほ)。素人的な感想ですみませんが、やはり歌麿の作品はすばらしいなと思いました。「蚊帳の男女」という作品では、蚊帳の細かい編み目の一つひとつが精密に描かれていて、蚊帳の中の人物も手抜きがなく、全体に深みというか、重みのある感じがしました。

写楽の「三代目坂田半五郎の藤川水右衛門」とか「初代大谷徳次の奴袖」の役者絵も良かったですね。鳥居派の役者絵とは違い、顔も役者に似せて描いています。世界的肖像画家だという評価もあるとの説明になるほどと思いました。現在でも、デフォルメ的な似顔絵のじょうずな画家がいますが、まさにその元祖ですね。

もともと浮世絵は江戸の町人の文化です。肩肘張ってみるより、江戸時代当時の評判の遊女や小町娘の美人画や人気の歌舞伎役者の姿を、どんな色の柄の着物を着ているか、どんな飾り物をつけていたか、道具は家具はどんなものを使っていたか、そういった好奇の目でみればいいかなと思ってみていました。絵の中の女性や役者の着物の色なんか、緑にしても紅にしても、人工の色ではなく、いかにも自然の、しっとりした、中間色の落ち着いた色合いでした。

とても楽しめました。今回、いろいろ説明文をメモしてきましたので、次回の訪問時に生かしたいと思います。

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そして、私はこれも初めての、表参道ヒルズの探検に向かったのでした。旧同潤会青山アパート時代は何度も目の前を通り過ぎていますので、あまりの変りように驚きました。でも、ビルの端に青山アパート時代の建物が残っていて、安心しました。中に入りましが、若い人用のお店ばかりで、すぐ出てきました。そして、裏原宿あたりを歩いて、あるラーメン屋に入りました。おいしいタンメンだったので幸せな気分になりました(鎌倉・湘南地区では、おいしいタンメンが食べられません、1軒を除いて、みな油っこい汁で落第です)。

急に、空が晴れてきましたので、竹下通りを抜けて、明治神宮の御苑に向かいました。菖蒲の頃はむかし良く入りましたが、今日のような、早春の時期に入ったことはありませんでした。今日は全部、初体験ですね(笑)。良かったですよ、カエデやつつじ、そして楡科の木々の芽吹きが始まっていました。とくに、菖蒲園の周囲にはカエデがたくさんあって、それらがみな小さな、柔らかな、うす緑のもみじ手をいっぱい出していて、お日様の光をやさしく受けて、きらりきらりと輝いていました。まるで春紅葉のようでした。

江戸の文化を観て、平成の若い文化も覗いて、そして悠久の自然の春の息吹まで感じさせてもらい、その上、おいしいタンメンまで頂いて、なんだか、ずいぶん得をした1日のような気がしました。
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写真は表参道ヒルズです。連結している、手前の古い建物が旧同潤会青山アパートのなごりです。

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