まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

秋晴れの朝に思う事…

2005年10月23日 | めそめそ
 いよいよ、神奈川県の私立小学校の考査日が近づいてきました。
9月初旬から始まった各学校の面接も、そろそろ終盤。あとは考査日の設定の遅い東京の学校の面接が少し残っているだけです。この時期、あちこちで見かける父、母、子と、3人の紺づくしのスタイルに、好奇の目を向ける世間の人達に、毎年、鋭い非難の視線を投げかける私… もちろん、中にはその出で立ちの意味がわからず、怪訝に眺める人もいますが、そういう親子と同年代の人達にかぎって、何ともイヤな視線を向けているように感じてしまいます。そういう視線を感じると、いつも私は、飛んでいって、その親子を好奇の目から守ってあげたい、と思ってしまうのです。「わが子の教育に、真剣になって何か悪いですか?」「まだまだ幼いわが子のために、親の思いを込めた線路を敷ことしてる事が、そんなにおかしいですか?」と、静かに問いかけたい…
 この時期は、考査を目前に控え、私自身もあれこれバタバタと毎日を過ごします。伝え忘れている事はないか?私の何気ない一言で、子供達やご両親を不安にさせたりはしていないだろうか?そんな思いのうちに、あっという間に一日が過ぎていきます。
 しかし、私は、そうして慌ただしく時間を送る間にも、何度がふっと「きゅっと胸が痛む現実」を思い出します。考査が終われば、あの子達ともお別れ…
 2年近く、当たり前のように、定期的に顔を合わせていた子供達。私はその一人一人との間に、とってもほのぼのとした空気を持っています。4歳、5歳、6歳というまだまだ小さいな子供達と、果してそんな関係は生まれるのだろうか?と、みなさん一様に素朴な疑問を持たれるようですが、いやいや… なかなか濃厚な、とっても深い関係が築けていけるものだ、と感じています。きっと、そこに相手を思う気持ちがあれば、人は、年齢などには関係なく、あたたかい関係を築けるものなのだと実感し、そして毎年、私は子供達との「出会いと別れ」を経験しています。

 先日、あるお母様から、こんなメールをいただきました。
あと数日で考査を迎えるお嬢ちゃま。小学生のお姉ちゃまと一緒にお風呂に入っていて「もうあと1回だけで、まどか先生と会えなくなるんだ…」と言って、涙を流した、という事。お姉ちゃまがこっそり、ママに耳打ちされたのだそうです。お姉ちゃまも私の生徒さんだったのですが、お二人とも、決して飛びついてきたり、くっついてきたりするタイプのお嬢さんではなく、いつも静かに側に寄ってきて、きゅっと裾を引っぱり、ニコニコしながらいろんなお話をしてくれる、そんなお二人でした。
 私は、このメールを読み、今年初めて泣きました。
この時期は、やってくる別れに目を向けず、ひたすら考査だけに気持ちを集中する私ですが、子供の中にも、そんな思いがあるのかと、胸がぎゅっと締めつけられました。

 昨日、クラス中に、一つ携帯にメールが来ていました。「七五三でお詣りに来ています。娘は、30年前に私が袖を通した着物を着て、嬉しそうにしています。あと数時間で脱いでしまうお着物。是非、先生にもその姿をお見せしたく、メールしました。ちょっぴり大きくなった娘を見てやってください。」メールに添付されたお嬢さんは、何ともあでやか… ママのお着物を着て、恥ずかしそうに微笑んでいるお嬢さんのお顔は、私の側でニコニコしていた時より、少しお姉さんらしくなったようでした

 子供達は、小さな頃から、運動会、学芸会、七五三のような、大きなイベントという「点」を経験しつつも、本当は、当たり前に思える毎日の繰り返し「線」によって成長しています。
 20歳と17歳。今はすっかり大きくなった二人のわが子も、こうして淡々と線をつなげて、成長してきたのだなあ、と、あらためて実感しています。
 今日はこれから娘の文化祭。長年お世話になった学校での、最後のイベントです。本人には、さほどの感慨はなく、むしろ受験勉強の時間を割かれる厄介な時間と感じているようですが、いつかこの日が思い出になった時、しみじみと思い出す事でしょう。主人ともども、親のほうが、少しおセンチな気分です…
コメント
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