ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその90-プンサンケ

2013年06月08日 | アジア映画
南北を往来する孤独な運び屋。

南北朝鮮問題。
最近も北朝鮮の行動がなにかと話題を呼んでいる。
軍事休戦ラインで分断された朝鮮と言う国をその国に住む人達は統一を願っているのであろう。
旧ベルリンの壁やこの軍事休戦ラインのために別れを余儀なくされた家族も多いと聞く。
今回紹介するのは「プンサンケ」
南北朝鮮を基にした映画だ。
ストーリーを紹介しておこう。
南北朝鮮を様々な方法を駆使して往来する運び屋。
物言わぬ孤独な主人公の彼はある日依頼者を装った韓国情報局から匿っている北朝鮮の要人の愛人を連れてくるように依頼される。
彼は物以外に人でも運んでこられると言うのだ。
一般人からの依頼と信用した彼は見事その愛人を連れてくることに成功するのだが......
この孤独な運び屋は劇中一言も台詞を言わない。
ただただ孤独感を滲ませるだけだ。
以前このブログに書いたように今の韓国映画は「脚本」に助けられている。
しかしこの映画の脚本と製作総指揮をとったのは名匠「キム・ギドク」である。
さすがは彼の元で作られた映画。
脚本だけにたよることなく映画としてしっかりできている。
特に後半にかけては南北朝鮮問題に一石を投じている。
その作りはさすがである。
ラスト「灰とダイヤモンド」を彷彿させるような主人公の様にはただただ悲しみとあわれなまでな孤独感が漂う。
2011年韓国製作、2012年日本公開、カラー122分、監督チョン・ジェホン、脚本・製作総指揮キム・ギドク