徒然小夜

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共生の「くに」を目指して 赤堀芳和2023.12.11

2023-12-11 08:06:17 | 読んだ本の書評
この本に登場する田中正造
日本人の気風は下より起こらず上よりす。・・・日本の民権は民人より発揚セルにはあらざるなり。
憲法すらうえよりせり。嗚呼、一種不思議の気風なり。。。官尊民卑の弊、日本二千余年の宿弊なり。
西洋文明は利益追求の文明であり、見境なくこれを取り入れたことで、日本は私利私欲を追求する亡国状態に陥ったと正造は嘆いている。
人は万事の霊でなくもよろし。万物の奴隷でもよし、万物の奉公人でもよし、小使いでもよし。人はただ万事万物の中にいるものにて、
人の尊きは万事万物に背きそこなわず、元気正しく孤立せざるにあり。ここでは人間中心の考え方を否定している。まさに万物との共生、
自然との共生を主張している。西洋文明が人間中心の文明であることを見破っていたのだろうか。
小泉八雲は近代文明には負の側面もあるので気をつけなければならないと言っている。
「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし。」
八雲と正造は直接の接点はなかったが、共通の知人として大隈重信がいた。正造は立憲改進党以来の同志であったし、
八雲は東大を解雇された約一年後に破格の待遇をもって現在の早稲田大学に招聘されている。
八雲、漱石と正造の考えに相通ずるところがあるということは、何か日本の原点がこの辺にあるような気がしてならない。
日清日露戦争において国民の熱狂的支持があったが、これもマスコミを通じて世論を煽ったのだろう。
国民が煽られやすい気質で一方向に向かってしまう傾向があるのも事実だろうし、長いものには巻かれろというように、
お上に従順な国民性も世論操作には好都合だっただろう。世論操作に最も力を入れたのはヒットラー政権だった。
ウソをつくことなどなんとも思わない。「平和を愛さなければ勇敢にはなれない。」これはなんとあのヒットラーの演説の中の言葉である。
国民が本当のことを知らされていない。
2013年の天皇の傘寿祝いの誕生日に記者会見をされた。
「人生で特に印象に残ることとして、「先の戦争をあげ日本は平和と民主主義を守るべきものとして日本国憲法をつくり、様々な改革を行って、
今日の日本を築きました。今後とも憲法を遵守する立場に立って、ことに当たっていく。」」
NHKは憲法についてのご発言をカットしてしまった。
政治に民意が反映されていない。国民の約六割は福祉国家を望んでいるという。2012年の衆院選挙。自民党は約35%の支持率しかないのに、約七割の議席を獲得している。
今の小選挙区制度は民意が正しく反映されていない。比例代表制を主体にしたものに変えるべきだ。
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